僕はアイドルが好きだ。成長する様、メンバー間での人間関係、考え方の変化、試行錯誤によるキャラの迷走、そして、芸能界引退の決意…どれを取っても面白い。
まるで“スラムダンク”を読んでいるような気持ちになれる。
原田:アイドル好きなら東女は楽しいよ!
そんな僕に、同僚の原田がこのようなことを言うので、“東女”こと「東京女子プロレス」を観に行った。
横浜市磯子区にある洋光台駅前の広場に、ズドンとでっかいプロレスリング。大会名は、「洋光台駅前イベントプロレス」だ。観覧は無料で、アイドルでいうところのフリーライブのようなものだろう。
僕はこのイベントの前にかなりの数の試合動画をチェックしていた。
沢野:こんなイベントなんて、どうせ面白い
すでに僕は東女の魅力に気付きかけていた。可愛らしい女の子、そんな女の子の筋肉が年月と共に肥大化していく。できなかった技ができるようになり、相手の技を正面から受けきる覚悟を見せる。そして顔面を紅潮させての雄叫び…こんなんもうスラムダンクだ、絶対面白い。アイドルの面白さとリンクしまくっている。
思ってたのと違う!!
しかし、実際に見たら思っていたイメージと少し違った。動画で見るより技は迫力はあるし、肉体と肉体がぶつかるニブい音もスゴイ。選手の感情もビシビシ伝わってくる。だが、1番衝撃的だったのはそんなことではない。
洋光台は、いわゆるニュータウンだ。大きな団地やマンションが数多く建ち並ぶ。そんな場所で無料イベントを開催するのだから、遠くから来る熱心なファンと、通りすがりのおじいちゃんやおばあちゃんも入り交じる。
おじいちゃん) あんな若い女の子がたいしたもんだなぁ
おばあちゃん) すごいわねぇ。どっちも強そう
おじいちゃん) あははは、あの子、今だまし討ちしおったぞ
おばあちゃん) あらやだ。あははははは
なんだこの幸せ空間は!!!!
周りを見渡すと、観客の笑顔率がハンパじゃない。パンクバンドのTシャツを着た兄ちゃんも、ちょっと派手めのキレイなお姉さんも、スーツを着込んだ仕事らしきサラリーマンも、もちろんプロレスグッズを身に纏ったゴリゴリのファンも、みんなニッコニコで口角を上げていた。
同じDDT系団体「BASARA」からゲストで上半身裸の大男が登場すると、パパに肩車をしてもらっている3歳くらいの女の子が素朴な疑問を漏らす。
3歳児) あの人恥ずかしいよー!なんで裸なのー?
ドカンとウケる客席。
たまらない!!!!
鍛え上げられた肉体や人間ドラマを見せる。さらには笑いも取れ、笑われることもできる。まさに全対応型総合的エンターテインメントだ!
「アイドル好きなら東女は楽しい」、それはもう十分に理解出来たが、それ以前に東女は全員が楽しいと思う。