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【プ女子の観戦日記】それでいいのか、中島翔子(それでいい)

12月22日の東京・板橋グリーンホール大会にて。飛べ、翔子さん!

東京女子プロレスの2018年ベストバウトを選ぼうとしても全然絞りきれず、「すべての試合が輝いて感じられるのは、自分が狂ったオタクだからなのかしら……」と不安に思っていましたが、多くのプヲタが今年の東女に関しては相当悩んでいるようなので一安心しました。やっぱり東京女子プロレスだなー!

チケット完売も珍しくなく、乗りに乗っていた2018年の東女において、もっとも不遇な1年を過ごした選手といえば、中島翔子なのではないでしょうか。

ベルト戦線にいまいち絡めなかった2018年

“全長1.47mの大怪獣”中島翔子は、飛んでよし、極めてよし、投げてよしと、小柄な体格ながら多彩なテクニックの持ち主です。今まで翔子さんはTOKYOプリンセス・オブ・プリンセス王者になったことがないという事実、意外すぎる。

しかし、東女でも有数の実力者でありながら、今夏行われたシングルトーナメント「第5回東京プリンセスカップ」では、近年成長めざましい辰巳リカ相手に2回戦で敗退。また、来年1月4日に行われる東京・後楽園ホール大会でのメインイベントの挑戦者を決める時間差入場バトルロイヤルでは、伊藤麻希に丸め込みで勝利をさらわれてしまいます。今年の輝かしい戦歴としては、DDTプロレスリングが誇る変なベルト、アイアンマンヘビーメタル級王座の第1331代チャンピオンになったことが挙げられますが、とはいってもベルトを保持していたのは1時間程度の話だしなぁ。

今年はいまいちベルト戦線に絡めなかったのに加えて、タッグパートナーである坂崎ユカが、瑞希と新たにタッグチーム“マジカルシュガーラビッツ”を結成して、TOKYOプリンセスタッグ王座を戴冠するという出来事もありました。伊藤ちゃんは、タッグパートナーである瑞希が新チームを結成したことへの複雑な感情をリング上でぶちまけていましたが、果たして翔子さんは、何を思い、感じているのか……?

翔子さんの本音が知りたかったからこそ、12月1日の東京・新宿FACE大会でのマイクには、正直なところ多少がっかりした部分もなかったといえばウソになる。

試合後の感想は「楽しい」でいいのか!?

翔子さんは、今年8月にシングルで戦ったプロレスリング我闘雲舞のエース・里歩と新たにタッグチームを結成して、来年1月4日の後楽園ホール大会でマジカルシュガーラビッツに挑戦することを表明しました。

今年12月1日の新宿FACE大会のメインイベントは、イッテンヨンに向けたダブル前哨戦として、山下実優&坂崎ユカ&瑞希vs伊藤麻希&中島翔子&里歩の6人タッグマッチが行われました。そして、伊藤&中島&里歩チームが見事勝利。試合後に翔子さんから出た言葉は、「楽しい」でした。

「今日は私たちが勝った。すごく楽しかったと思うけど、どう思う?」

(中略)

「ユカっちもみずぴょんも楽しいの大好きなんですよ。体が痛いのにこんなに楽しかったってことは、ベルトが懸かっている試合なんてもっともっとスリリングだし、もっともっと楽しいに決まっているんです。私も楽しいのが大好きです。そして里歩さんと一緒にベルトを巻きたいと思います」
引用 東京女子プロレス5th anniversary~五歳の東京女子プロレス~:エンディング

……それでいいのか、翔子さん!? 自分のタッグパートナーが他の選手とタッグチームを組んでリングの対角線上に立っていることへの感想が、「楽しい」でいいのか!? そんなポジティブな言葉を発するだけでいいのか!? 何か感じていることはないのか!?

もっと翔子さんは自己中心的になっていいんじゃないの? 優しすぎるんじゃないか? とモヤモヤしていましたが、その感情は、12月22日に行われた東京・板橋グリーンホール大会のマイクで、なんとなくほぐれて消える。

少年漫画の主人公のようなメンタルの女、中島翔子

板橋グリーンホール大会で、翔子さんは坂崎ユカとシングルマッチでぶつかりました。団体きってのテクニシャン同士、しかもお互い知り尽くした相手との戦いということで、見ごたえのある攻防が繰り広げられた結果はドロー。試合後の2人の「勝ちました!」(坂崎)「勝ってないでしょ、時間切れ!」(翔子)というコミカルな掛け合いを見ているうちに、なんか翔子さんはこれでいいのかもなぁという気持ちになってきました。

翔子さんは、もともとプロレス好きだったわけではなく、彼女のルーツにあるのは戦隊ヒーロー。戦隊ヒーローに憧れて、演劇の道を志し、コメディアンになろうとお笑い芸人になったところ、たまたまプロレスの試合を観に行く機会があって、現在に至る……という異色の経歴の持ち主です。

特撮に疎い私が言うのもおこがましい話ですが、ヒーローたちは、敵に勝利すること自体が目的ではありません。敵と戦う姿を通して、何か生き様のようなものを伝えること。それがヒーローの素晴らしさのように感じます。

プロレスも、単純な勝ち負け以外が重視されるエンターテインメントです。新日本プロレス・内藤哲也はNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で「勝った負けた、そんな小さいことでプロレスしてないよ」と語っていましたが、翔子さんはとくに勝ち負け以外の部分に強いやりがいを感じるプロレスラーなのかもしれません。

もちろん翔子さんにとって勝利というのも当然大事なことでしょう。しかし、それ以上に彼女は、「プロレスを通してワクワクすること」を大切にしているのではないでしょうか。少年漫画の主人公のようなメンタルの女、中島翔子。

……と考えていくと、翔子さんに何かとちょっかいをかけがちな選手が多いのにも納得がいきます。自分の身近に孫悟空いたら、絶対気になっちゃうじゃん!

そして、「邪念がない=つまらない」ということでもなく。翔子さんのプロレスラーとしてのクレイジーさは、普通の選手とはまた少し違ったところにあるんだろうなぁ。だって孫悟空とか、なんかめっちゃ怖いじゃんと妄想しているうちに、どんどん翔子さんのことが好きになっている。オタクは自分の妄想によって、相手への思い入れを深める習性がある。

なんにせよ、そろそろ東女のメインストリームに躍り出る翔子さんが見たいですよね、という話でした。

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