司瑛士と創真のコンビニ食材対決の結果は、審査員のランタービのポケットマネー不足で持ち越しに。“皿の値段”という青天井インフレ地獄が一旦収まったのはすごくいいが、またしても決着はうやむやになってしまった。よく考えたら、最初のライバルであるタクミ・アルディーニとの勝負もうやむやのままなので、仕方ないっちゃ仕方ない。これからも一生切磋琢磨、研鑽の日々を送っていくのでしょう。
あっさり素性を吐く朝陽
誘拐されていた薙切えりなが久々に登場。創真たち同様「THE BLUE」に元気に参戦する。誘拐した張本人の朝陽は、新婚旅行先をえりなにぬけぬけと相談しており、結婚はするつもりらしい。そんな朝陽は、自分の生い立ちを急に語り出す。
なんでも幼少時代の朝陽は、自堕落な母親に育てられ過酷な生活を強いられていたそう。7歳でその母親と死別し、拾ってもらった施設で慈善事業の一環として来ていた城一郎に出会う。そこで料理や生き様などを学び、口にこそ出していないが、「俺の父親はあんただ」と感じる。
しかし、城一郎は妻の死により創真の元へと帰ることを決断する。これで朝陽は、今話のタイトル「俺はお前になりたい」の通り、創真にクソほど嫉妬する。すべてを話し終えた朝陽は、「な〜んてねっ!」と言っているがおそらくはホントの話。これが嘘だったら「めだかボックス」の球磨川禊級の嘘つきだ。ただ、シリーズのラスボスのわりにはあっさり素性が明らかになったので、嘘であって欲しいともちょっと思う。
実は城一郎にはもう1人息子がいる?
この朝陽のエピソードには、気になる部分がある。城一郎は朝陽らしき人物について、272話で「もう1人の息子なんだわ」と創真に告白している。しかし朝陽は、城一郎を父親だと思っていることを「口に出したことはない」としている。これは明かな矛盾だ。
朝陽の思いが城一郎に届き、城一郎が比喩的に「もう1人の息子」としたのだろうか? それとも、朝陽は“実の父親のよう”と思っているだけだが、城一郎は朝陽が本当に本当の息子だという事実を知っているのかも知れない。朝陽の父親は現時点では明かされていないので、これも十分にあり得る。だとしたら、「俺はお前になりたい」という嫉妬は一気に解消され、今シリーズの収まりは非常に良くなる。
城一郎が言った「もう1人の息子」は、朝陽に対してではなく、別の誰かに向けられていた可能性もある。つまり、朝陽がラスボスではなく、本当のボスは別にいて、そいつが創真の異母兄弟という可能性だ。これなら、朝陽があっさりと素性を吐いたのも納得がいく。この城一郎を巡る三つ巴は、良い感じに複雑だ。
どれが正解でも良いし、ここで挙げた予想以外の結果でもなんでも良い。ただ、朝陽と城一郎の微妙な矛盾発言が、ただの制作側のミスでないことだけは祈りまくる。