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【食戟のソーマ最新話レビュー】ついに導入されたスカウターシステム、第287話「コンビニの合戦」

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約3分

「ドラゴンボール」は戦闘力で強さを数値化したことで読者の心を惹き付けたが、そのせいで弱そうな方が勝つ! というセットアップ展開が無くなってしまった。スカウターが壊れたり測定不能なレベルになったりと、戦闘力の存在自体を消し去っても、その後出てきた強敵が一体戦闘力いくつなのか? は、読者の脳内についてまわる不純物となった。強さの数値化は、最初にそれをやったドラゴンボールだからやり遂げることができた諸刃の剣だ。

金額が戦闘力

そんな諸刃の剣に、「食戟のソーマ」が果敢にも挑戦。その数値は皿の価値、つまり値段だ。「THE BLUE」第二の門の課題は、「コンビニの商品を使って100ドル以上の価値ある皿を作ること」。審査員は、口にした料理にハッキリ値段を付けた。

創真が作った牛肉の大和煮の缶詰をメインに作った「即席!牛肉缶すき焼き御膳」は、「美味」とされながらも、審査員が付けた価値はマイナス14ドル(コンビニで使った商品代を払えとのこと)だった。いわく創真が作った皿は、「ただの足し算」だそう。つまり、食材と食材で味を足すのではなく、かけ算のように飛躍的に味のレベルをあげろということだろう。足しただけなんだから+14ドルで良さそうだが、あえてマイナスにしたことになにか意味があるのかはよくわからない。

「私の戦闘力は530000です…」

対する前一席の司瑛士は、惣菜ハンバーグ、チキンサラダ、冷凍パイシートを使用して「デミグラスソースで味わうビーフ&チキンの共演」を作り上げた。これがなんと587ドル。合格ラインの6倍近い値段。日本円で約6万円だ。

通常の合格者よりも6倍美味い! というのならまだいいのだが、この数字は値段。読者が感覚的に理解できるものであり、調べれば高級レストランでも1皿6万の料理なんて滅多にないことがわかってしまう。これは、戦闘力5のおっさんの300倍強い戦闘力1500のラディッツとはワケが違う。数字が持つ意味が明確すぎるのだ。

しかも司が作った料理はあくまでフレンチのコースの一皿。フル―コースだと10皿以上出てくるので、この品がメインで特に高い品だったとしても、司はコンビニ食材で50万以上の金額を取るコースを作ることが可能なのだ。明確かつ完全に、やらかしてしまっている。フリーザの「私の戦闘力は530000です…」よりも衝撃的な数字と言っていい。

今回のお題は、いつも厳しい「食戟のソーマ」の世界では珍しく、3回挑戦していいとのこと。ここから創真が100ドルを超える皿を作るのか、それとも587ドルを越える皿を作るのか、ハッキリ言ってそんなことはどうでも良くなってしまったが、いくらだったとしても「俺の皿はそんなに高いもんじゃねぇ」とかなんとか言って、皿に値段を付けること自体が間違っていたことを説得力ある形にしてまとめくれないと、今後の展開に響く。以後、値段を付けなくとも、壊れてしまった世界観は元に戻らないのだ。

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