2023年、「生成AI」や「ChatGPT」といったキーワードを耳にすることが非常に多くなりました。スゴい!スゴい!と言われることも多いですが、一体なにがどうすごいのか? 我々一般人からしてみると、そのすごさにピンとこなかったり、むしろわからないことのほうが多かったりします。
そこでこの記事では、それこそ22年から23年にかけて注目度がグッと高まった「ChatGPT」「生成AI」なんて言われるものがどんなものなのかについて、AIに尋ねつつ、初心者がやんわりと理解できるよう解説していきます。
AIとは
そもそもAIってなんなんでしょう。AIとは「artificial intelligence」の略語で、日本語では「人工知能」という呼ばれ方もします。この十数年で突然出現した言葉でもなく、1950年代にはAI研究が行われはじめました。
昭和から平成初期にかけてを青春時代をファミコンで過ごしたという人なら熱中したソフトのひとつであろう「ドラゴンクエストⅣ」にはドラクエシリーズで初めてAIが搭載されていましたし、AndroidスマホにはGoogleアシスタント、iPhoneにはSiriといった音声で対応してくれるAIアシスタント機能が搭載されています。AIって遠い存在のようで意外にも身近なところに実はあったりするものなんですね。
なぜAIが注目されているのか
遠いようで案外近しい存在でもあるAIですが、今回の注目度の高さは「囲碁AIがトップ棋士に勝利した!」と話題になったときとは比べものにならないほどの高さです。
これまでAIと呼ばれていたものを従来型AIとすると、従来型AIは主にデータの分析やパターンの認識、決定サポートなどに用いられ、与えられた情報に基づいて答えを出すという役割が主となっていました。
例えばチャット問い合わせ機能がついているウェブサイトを見かけますが、問い合わせ内容を入力したり選択するとその内容に合う情報をAIが返してくれたりします。このほか、ネットショッピング中に似たような商品をおすすめしてくれたり、動画サービスで自分の好みに合った動画をおすすめしてくれるのもAIの機能だったりします。
もちろん従来型AIの役割はそれはそれで非常にスゴいことをやっているわけですが、生成AIは従来型AIがやってみせたことよりもさらに”スゴい”からこそ注目を集めているわけです。
ChatGPTのスゴさ
ChatGPTとは対話型のAIチャットサービスです。…とだけ聞くとGoogleアシスタントやSiriとの違いがいまいちわかりません。何が違うのかChatGPTに質問してみました。以下はその回答です。
ChatGPTは、大規模なデータセットでトレーニングされ、様々な自然言語処理のタスクに対応できるように設計されています。その中でも、対話を生成する能力が特に強調されており、人間のような対話を行うことができます。ユーザーがテキストで質問や指示を与えると、ChatGPTはその文脈を理解し、自然な言葉で応答を生成します。
聞き慣れない難しい言葉が並びますが、簡単にいうと人の文章を理解して、人っぽく答えてくれるっていう理解で良さそうです。さらに、なにがすごいのかを尋ねてみたところ以下のような答えを得ました。
さらに複雑な会話やタスクに対応しています。例えば、文章校正、情報検索、創作、対話など、多岐にわたる用途に利用できます。
サラッと回答が返ってきましたが、確かにスゴいですよね。自分が作成した文章におかしな点がないかを校正してくれる「文章校正」、さらには「創作」、話を作ることまでできるんだそう。これこそ生成AIです。どんな話ができるのか、ものは試しに以下のようにお願いをしてみました。
「江戸時代にAIがあったなら」をテーマに面白い話を作って
江戸時代にAIがあったなら、それは時代背景とは対照的な未来的な要素を持つ興味深い話になりそうです。以下は、架空の物語のアイディアです:
江戸時代の日本、人々は伝統的な文化や武士の道に根ざし、時の政権に従って生きていました。しかし、ある日、不思議な巨大な木造の機械が江戸の空に浮かび上がり、そこから不可思議な声が響き渡りました。それは、時を超えて未来からやって来たAI「江戸ロジコン」だった。
江戸ロジコンは、未来の知識と技術を有しており、人々に未来の暮らしや革新的なアイデアを紹介しました。彼は、病気の治療法や先進的な農業技術、未来の芸術などを教え、人々の生活を劇的に変えました。
しかし、江戸ロジコンの存在には賛否両論があり、従来の価値観に固執する者たちからは異端視されました。彼の提案によって、商業や技術が発展し、人々は新たな暮らしに変わっていく一方で、一部の者たちはその変化に恐れを抱きました。
物語の中心には、江戸ロジコンと対話を通じて成長していく若き武士が登場します。最初は彼も抵抗感を抱えながらも、新しいアイデアに興味を持ち、未来の技術を取り入れることで、彼の土地や仲間たちを守る手助けになります。
江戸ロジコンの存在がもたらす変革が進む中で、武士や商人、芸術家たちは未来との共存を模索し、新しい価値観を見つけていくのです。これは、江戸時代の伝統と未来の融合、そして人間の進化に焦点を当てた冒険となるでしょう。
なんだかそれっぽい物語をほんの数秒で創作してくれました。完成度こそ高くはありませんが、この文章をヒントにさらに深く話を広げていけそうな気がします。
生成AIで誰でもクリエイター時代に!?
ChatGPTをはじめとする生成AIは様々な分野で活躍し始めています。例えば画像生成AIを使って、テキストから実在しそうで実在しない人物の画像やアニメ・漫画調の画像を創り出したり、テキストや画像から動画を生成したり、さらには音楽を生み出したりといったことが可能です。
すでにインターネット上では生成AIを使ってさまざまなものを創造するのに手助けとなるウェブサービスが無数に登場し始めています。
AIチャットサービスだけでもOpenAIが開発・提供するChatGPTをはじめ、IT大手のMicrosoftやGoogleなどからも生成AIチャットサービスが提供されています。似たようでそれぞれ特徴も異なるので、ここで簡単に紹介しておくことにします。
特徴
・他AIチャットサービスより体感的に会話が流暢
・有料版を利用することでカスタマイズ版GPTの利用が可能になる
・無料版はGPT3.5、有料版はGPT4となり機能差が大きい
特徴
・質問への回答に根拠としたソースを提示してくれるう
・無料版でもテキストからの画像生成が可能
・プラグインを利用して音楽を生成できるなど無料版でもちょっと先行くイメージ
特徴
・GmailやYouTube、ドキュメントといったGoogleサービスと連携しながら使える
・Google検索の結果を反映できるのでリアルタイム性も高い(必ずしも正しいとは限らない)
・回答案を複数提示してくれるなど、用意がよく気が利く
特徴
・日本向けに最適化されているが現状生成スピードは他に比べて遅め
・無料でGPT4、GPT4-Turboに対応しているほか、今後も無料で生成AIモデルが追加予定
・画像生成、生成ツールビルダー、文書ファイルの認識といった機能も追加予定
ざっくりこんな感じです。実際にこの4つを使ってみると、同じ質問でもそれぞれのAIの回答の仕方は様々で、それぞれが強みと弱みを持っているんだなぁという印象を受けます。
ChatGPTを始めとするチャットサービスを使うことで一体なにができるようになるのか? という問いに対して、明確な答えを筆者は持ち合わせていません。いろんなことができすぎて、何に使えるのかが逆にわかっていない状態です。
ただ、いろんなことができる可能性が高くなるというのは事実でしょう。例えば小説家になりたかったけど力が足りなかった人がChatGPTに創造のヒントをもらえたり、いつも大事な部分で誤字してしまっていた人が、Copilotに文章校正を手伝ってもらってミスがなくなったり。
「AIが仕事を奪う」なんてことが囁かれたりもする世の中ですが、それはちょっと違ってAIをうまく使える人に仕事が集まるようになるのではないかと思っていたりします。
この記事でAIのことがすごく理解できた!となることはありませんが、なんとなく”最近のAIってこんなふうになってたんだ”というのはふんわりと理解できたのではないかと思います。生成AIについて調べ始めるといろんな情報が出てくるため、一気に学ぼうとするととてもじゃないけど大変です。
生成AIでなにかやりたいと思ったなら、自分はなにがしたいのか、どんなことに興味があるのか、といったところから掘り下げていき、調べていくのが遠回りなようで近道なのではないかと思う今日このごろです。