15日に開幕し、17日にフリープログラムが行なわれるフィギュアスケート女子シングル。ROC(ロシア五輪委員会)代表の3人による“4回転ジャンプ合戦”が期待されています。そんなROC 女子のなかでも、4回転ジャンプに並々ならぬ情熱を注いでいる選手がいることをご存知でしょうか? 彼女の名前は、アレクサンドラ・トゥルソワ。なんとフリーで4種類5本の4回転を跳ぶ、男子顔負けのジャンプ構成に挑む選手なのです。
現在17歳のトゥルソワは、ジュニア時代から4回転を跳び続けてきました。女子選手として史上初めて4回転ルッツ、4回転フリップ、4回転トウループを公式戦で跳んだ記録を持っています。さらに2019-2020年シーズンからは、伊藤みどりや浅田真央の代名詞だったトリプルアクセルも実戦投入。進化への貪欲さを見せつけてくれました。
天才ジャンパーのトゥルソワは、もちろん表現力も超一流です。彼女は、映画音楽やポップスなどの曲調のプログラムがピッタリとハマるタイプ。フィギュアスケートを見ていると、「これは何を表現しているんだろう」と感じたり、編曲が継ぎ接ぎだらけのプログラムに出会ったりするときがあります(通称「謎プロ」)。でも、トゥルソワにかかればどんな謎プロでもお手のもの。独創的なプログラムを自分の演技として昇華するのがとっても上手い選手なのです。
勇猛果敢にジャンプに挑み続ける姿勢から、スケートファンの間では「先輩」と呼ばれているトゥルソワ。今季フリーの「クルエラ」は、そんな“トゥルソワ先輩”の真骨頂ともいえるプログラムです。4回転を5本入れる鬼構成に加えて、力強いスケーティングでヴィランのクルエラを演じています。自信たっぷりの表情からは、ラスボスの風格すら感じるほど。とくに演技後半、エレキギターやドラムの音色にのって次々とジャンプを跳ぶ姿は見逃せません。これでもかと“先輩力”を見せつけてきます。全人類がトゥルソワに惚れるに違いない。
氷上では自信に満ちあふれているトゥルソワですが、じつはかなりのシャイガール。メディアの前で、恥ずかしそうにインタビューに答える様子はたまらなく愛しいです。はにかんだ笑顔が最高にかわいいんですよ。彼女はクワドクイーンでもあり、“ギャップ萌えの女神”でもあると確信しています。
さらにトゥルソワは、北京オリンピック男子フィギュアの金メダリストであるネイサン・チェンの大ファン。10日に行なわれた男子シングルのセレモニー後、出待ちしてスマホの画面を見せてネイサンに「おめでとう」を伝える姿はかわいすぎました。なんだこれ萌え死ぬ……。自身のInstagramでも「おめでとうございます! オリンピックチャンピオン!」としっかりお祝いしていたのも尊い。普段はファイターなのに、推しの前では乙女になっちゃうところが最高に微笑ましくて大好きです。
引用元:アレクサンドラ・トゥルソワ Instagram(@avtrusova)
15日に実施されたショートプログラムを終えて、トゥルソワの順位は4位。しかし、他のジャンプに比べて成功率の低いトリプルアクセルを入れてくる肝っ玉の強さを見せつけてくれました。失敗が許されないショートでも、決して安全策を取らない……そうそう、先輩ってこういう人なんですよ。だからこそ私は彼女が大好きなのです。
とはいえ、女子の4回転時代を切り開いてきた彼女のジャンプが炸裂するのは、フリーの演技。大ハマりプロの「クルエラ」で、世界中のファンをメロメロにさせてほしいところ。鬼構成でTES(技術点)カウンターをぶん殴ってくれることを期待しつつ、17日のフリースケーティングを楽しみに待ちたいです。