1月下旬から2月にかけて、東京都内の1日の新型コロナウイルス感染者数は1〜2万人が標準となった。比較的症状が軽いと言われるオミクロン株が流行の大半を占めているようだが、もちろん危険性がゼロというわけではない。
実際に、2月1日から16日にかけて確認された新型コロナウイルスによる全国の死者数は2175人。昨年同時期が40人だったのに対し、約54倍に増加している。今後も必要に応じた感染対策は必要なのだ。であればテイクアウトは非常に有効な手段の一つとも言えるのではないだろうか。
集団感染のリスクが高い密集・密接・密閉を避け、好きな時間に好きな場所で居酒屋の料理を堪能することができるのだ。居酒屋テイクアウト番外編の第3回では、新宿三丁目で鰻を気軽に楽しめる「うな串 焼鳥 う福 新宿三丁目店」を訪問した。
多数の居酒屋が軒を連ねる新宿三丁目。その奥にひっそりと佇むのが2019年12月にグランドオープンした「うな串 焼鳥 う福 新宿三丁目店」である。地下鉄新宿三丁目駅からは徒歩2分、新宿駅東口からでも徒歩4分の距離にある。ふらりと立ち寄るのにちょうどよい立地だ。
なんといっても鰻料理である。名物「鰻の蒲の穂焼き」をはじめ、短冊や肝、カブトなど、多種類のラインナップが取り揃えられている。ここで「あれ、“蒲焼き”じゃないの?」と思った人もいるかもしれない。実は「蒲焼き」というのは「蒲の穂焼き」が由来になっていると言われている。一説によると、鰻を串刺しにして焼く時の見た目が植物の「蒲(ガマ)の穂」——先端がフランクフルトのように円柱状になっている水草の一種——によく似ていたため、「蒲(ガマ)の穂焼き」と呼ばれるようになり、そこから「蒲(カバ)焼き」に変化したのだそうだ。
今回は「肝(324円)」、「くりから(324円)」、「短冊(324円)」、「辛くりから(389円)」、「白短冊(324円)」、「鰻ガーリック(389円)」、「鰻のタレの焼きおにぎり(216円)」を注文した。鰻三昧だ。
こちらは上から順に「鰻ガーリック」、「白短冊」、「辛くりから」。白短冊の“白”とは、タレをつけないで素焼きする“白焼き”のこと。“くりから”というのは、鰻の切れ端を串に巻きつけて焼いたもののことで、石川県の郷土料理だそう。どれも付け合わせの柚子胡椒との相性が抜群だ。
こちらは上から「くりから」、「肝」、「短冊」。タレをつけながら焼いているので香ばしさが満点である。歯ごたえも十分で、食感を楽しみながら味わうことができる。この他に「鰻のタレの焼きおにぎり」も食したが、高級感溢れる鰻の香りとともに米が口に入る体験は極上で、これまでのおにぎりに対する概念が新鮮なものへと生まれ変わった。
食材としての鰻の歴史は古く、日本では縄文時代の遺跡からも食用鰻の骨が発掘されているほどだ。江戸時代には現在につながる蒲焼きも定着。今でこそ漁獲量不足もあり高級料理のイメージがあるが、馴染み深い庶民の味とも言えるのである。そんな鰻をリーズナブルに味わうことができる「うな串 焼鳥 う福 新宿三丁目店」に、たまにはふらりと寄ってみてはいかがだろうか。
店舗情報
うな串 焼鳥 う福 新宿三丁目店
住所:新宿区新宿3-9-8 第一伊藤ビル 1F
TEL:050-5456-3710(予約可)
営業時間:13:00~23:30
(感染状況により変更の可能性あり)
定休日:年中無休
(感染状況により変更の可能性あり)