いとわズ

【東女初体験】娘と一緒に洋光台までプロレスを見に行ったんだが。

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約5分

テレビや動画で見るのとはまるで違うじゃないか!

東京女子プロレスの興行が3月31日、横浜市磯子区の洋光台駅で行われた。

当編集部のアイドルヲタ、プロレスファンの原田きっての要望ということもあっては見に行く以外ない。

僕はすでに興味を示している対象以外においては体よくいえば客観的、悪くいえばかなりドライに物事を見てしまう。

万が一興味をそそられなかったとしたら…周囲が熱狂という海の渦の中にあって、一人海から少し離れた頭上に浮かぶヘリコプターから「すごい熱狂ですね」なんて他人事のようにポツリとつぶやいてしまうだろう。

結果、それは杞憂に終わったのだが。

それはそうと、万が一周囲から浮いてしまったときのことを考えて、“たまたま通りかかって娘が見たいというから”という体のいい言い訳要員として、娘を連れて観戦しに行った興行前の僕に、禊の意味を込めて誰か優しめのドロップキックをお見舞いしてやってはくれまいか。

プロレスは生で見るものだと思った午後1時45分

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僕はこれまでプロレスというものはテレビ放送かつ片手で数えるくらいにしか見たことがない。

だが、僕のプロレスに対する見方は洋光台駅興行を機に180度変わったように思う。

月並みな表現で申し訳ないが、面白いのだ。

選手たちが飛び跳ね、ところ狭しと走り回るリング音、響き渡る打撃音、喚き声、テレビの画面と同じようでまったく違う。

これは決して周囲の熱気にのまれた結果の感想ではなく、自らその熱気の渦に自発的に飛び込める雰囲気がプロレスリングから半径20メートル以内にあったからこそだ。すんなりとプロレスというものの面白さを受け入れることができた。

正直なところ、これまで微塵も興味を持つことのなかったプロレスがここまで面白いものだとは思っていなかった。

場外乱闘、「巻き込まれてる感」に醍醐味を感じた午後2時すぎ

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リング上での攻防戦に楽しさを感じたことはもちろんだが、それ以上に面白さを感じたのは場外乱闘だ。

プロレスというのはこんなにも近くで選手を感じることができるのか。というより長机に頭打ち付けるなんてマジで痛そうだ。

テレビでよく目にしたシーンが今、目の前で行われている。これには普段ポーカーフェイスを貫いている僕の口元も思わず緩む。

すごい! これがプロレスの臨場感か!

黒音まほに魅了される僕と、恐怖を覚えた娘

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嵐が去るのを待つかのごとく、場外乱闘を目で追う娘

個人的に魅了された選手がいる。黒音まほ選手だ。

プロレスにおいてマスクをかぶる選手がいるという程度の知識しか持ち合わせていなかった僕にとって、ゾンビな彼女から初見から目を離すことができなかった。

特に場外乱闘で目の前にやってくるまでのあの暴力に満ちた笑顔、たまらない。というより常時不敵な笑みを浮かべる彼女が次にどんなアクションを起こすのか、気になって仕方がないのだ。

僕が彼女に魅了されている一方で、真剣に恐怖していた者がいる。4月で小学3年生になる娘だ。

山下実優 vs のどかおねえさんによる1試合目を見た直後は、「痛そう」と言いながらも「パパ、プロレスって面白いね」と笑顔を振りまいていた娘。

そんな笑顔もどこへやら、場外乱闘のため、僕と娘が座るその場所めがけて笑顔で小橋マリカを連れてやってくる黒音まほを目にした娘は、前言撤回すらしかねない、今にも泣き出しそうな表情でこういった。

「ゾンビ怖い!」

たしかに小学校低学年にゾンビというのは刺激が強すぎたかのかもしれない。ゾンビを人類という壮大なスケールにおける敵だと認定した娘は、猛烈に小橋マリカに熱いエールを送り出す。

それはきっと、試合前の子ども参加型アトラクションでもらった選手カードが小橋マリカカードだったからだろう。

選手と一緒にチェキが撮れる機会に娘が選んだのは…

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さて、予想外の面白さに予定されていた第一部の2時間はあっという間に過ぎ去ってしまった。これからは物販の時間だ。なにやら選手と一緒にチェキ会という名の撮影ができるらしい。

チェキ会で撮影対応が可能だったのはのどかおねえさん、優宇、黒音まほの3選手。娘は誰と一緒に写真を撮りたいか参考までに尋ねてみた。

しばらくの沈黙の後、彼女は意を決したように僕にこう告げた。

「ゾンビ!パパ、怖いの好きでしょ?」

娘は僕より精神的に大人だ。

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チェキ会の順番を待つ間はまさに恐怖との闘い

恐る恐る黒音まほに近づいていく娘。彼女を目の前にした瞬間、今にも泣きそうな顔をする娘。

そんな娘の様子を察してか、優しく声をかけてくれた黒音まほ。

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予想外の優しさに、ようやく笑顔が戻った娘

「ゾンビ、思ってたより優しかったね」

そういって一緒に撮ったチェキを大事そうに見ながら帰る道中、どの試合が1番面白かったか聞いてみた。

「うーん、大きくて髪の長い人と坊主の人が戦ってたやつ!」

それ、東京女子プロレスやない。プロレスリングBASARA(男子)や。

この著者について

空閑 叉京
いとわズ編集長でデジタリアン、長崎県佐世保市出身の30代半ば。電脳コイルのような世界を夢見て毎日エアタイピングをキメつつ、唯一無二のHADOファイター&ライターとなるため、イメトレの日々を送ってます。
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