示談交渉の末、何とか不起訴になったものの、格闘技への熱は冷めてしまう。しかし、ジムのトレーナー権田克は、しげるの異常な執着心に目を付け、相手の選手を研究させるよう仕向ける。
練習メニュー、食事、睡眠時間、交友関係学生時代のあだ名まで、格闘技に関係なさそうな所まで調べ尽くすしげるは、ついに“ストーキングファイター”として覚醒する。
登場人物
◆外岡しげる
性格は陰湿、実力はたいしたことのない総合格闘家。
しかし、異常な執着心で相手を研究し尽くし、試合に勝利する。その研究方法は、相手ジムに変装して潜入したり、合い鍵を作って家に忍び込んだりと、何でもアリ。過去にストーカー行為で捕まっている。
◆権田克
元格闘家。自分の夢である世界チャンピオンをしげるに託している。
だが、権田はしげるの犯罪行為を含む調査方法を知らない。というより、見ないようにしているといった方が正しい。
◆橋本学
太一のジムの後輩。格闘センスはしげるを遥かに凌ぐが、凄まじい勝利の執着心に心酔し、しげるを師匠と仰ぐ。ストーキングの才能はまるでない。
◆小島美咲
しげるにストーカーされた美人看護師。男を勘違いさせる天性の小悪魔。
◆宇佐美翔一
現日本チャンプ。世界とも戦えるトータルファイター。
好青年でCMに3本出演するほど国民的人気者だが、裏の顔は・・・?
第44話あらすじ
徹底的な研究により、7連勝を飾ったしげるの次の相手は、待ちに待った日本チャンピオンの宇佐美翔一。イメージが好対照な二人の戦いにマスコミは“光と影の頂上決戦”と題し、試合を煽りまくっていた。
世間の評判と実態はまったくの別物。実は“隠れストーキングファイター”である宇佐美は、しげるのジムに屋根裏から侵入し、練習からしげるの癖やファイトスタイルを研究する。だが、同は同族を知る。宇佐美がストーキングファイターであることを肌で感じていたしげるは、いつもとまったく違う練習メニューをこなしていく。
一方、しげるが宇佐美のジムに忍び込むと、宇佐美もまた本領を発揮しない。お互いの弱点を隠し合うあの手この手の超高度な情報戦は、ひとときも休むことなく続けられた。そしてついに試合3日前、情報の少なさに業を煮やしたしげるは宇佐美のジムに正面から出向き、禁断の“対戦相手同士のスパーリングを要請する”という賭けにでる。快くそれを受け入れた宇佐美だったが、しげるの前に現れたのは、双子の弟・宇佐美翔二だった・・・。