東京女子プロレスの代表を務める甲田哲也氏(ハロヲタ)に、女子プロレスとアイドル文化の共通点などを語ってもらうインタビュー。
後編では、東女のこれから、求めている選手像について語ってもらった。
甲田哲也氏へのインタビュー前編はこちらをチェック!
椅子取りゲームの参加者を増やす
―東女としての今後の目標はどんなものでしょうか?
「女性ファンに増えてほしいとは、強く感じています。自分はモーニング娘。’18が好きなんですが、客席の半分か、下手したら半分ちょっとが女性ファンなんです。『女性限定エリアに入ってしまった』と勘違いして慌てるくらいの男女比率で、やっぱり女性が多い現場って活気があるんですよ。
東京女子も他の女子プロレス団体も、お客さんの8、9割が男性です。そんな中で、女性ファンを取り込めたら、一気に他団体と差をつけられるんじゃないでしょうか。だから今、レディースシートを用意したり、女性に喜んでもらえるようなデザインのグッズを増やしています。あとは、選手数ももっと増やしたいですね」
―定期参戦しているフリーの方含めて20名と、なかなか大所帯ではありますが。
「椅子取りゲームをやる人と、椅子の数がまだ同じなんですよ。厳しい言い方ですが、モチベーションが落ちている子がいると、どうしても全体のクオリティが落ちてしまう。そこをなんとか頑張ってもらうのではなく、やる気のある子だけを選抜できる状態が理想です」
―選抜といえば、東女内で“選抜総選挙”みたいな企画はないのでしょうか?
「……それはちょっと、自分としては、ハロヲタとしての美学みたいな話に近くなる(笑)。もちろんハロプロでも妄想しますし、実際やられたらCDたくさん買っちゃうんでしょうけど、チーム全体としてひとつのものを盛り上げたいのであって、チームの中での蹴落とし合いは嫌だなと。高木からそういう案が出ることはあるかもしれませんが、自分が総選挙を提案することはないですね」
アプガ(プロレス)のミウはエース候補?
―「こんな選手に入ってほしい」というのはありますか?
「エースっていうのは、育てられないものなんです。面白いキャラクターとか、いい味の脇役とかは、こちらのアドバイスで作っていくことはできるんですが、エースというものは、身長、ルックス、運動神経、根性を最初から備えた子じゃないと難しい。やっぱり山下実優なんかは、ベルトを持ってないときでも、初見の人が『あの子はエースだ』と感じるものがあります。3年後、5年後に山下のポジションにいられる選手っていうのは、正直まだ見えていませんね」
―アイドルのセンターと、少し通じるものがありますね。
「努力でチャンピオンになる子はいると思いますけどね。辰巳リカさんが、5月の後楽園でそうなるかもしれないし。エースという意味では、アプガ(プロレス)のミウには期待している部分があります」
―アプガ(プロレス)だと、ミウさんなんですか?
「あの子は華があると思います。あと担当カラーを決めたのはアプガのプロデューサーさんなんですが、ピンクを与えられている時点で期待されているんじゃないかと(笑)。ピンクって、やっぱりエースカラーじゃないですか。道重さゆみさんとか、牧野真莉愛さんとか」
―山下選手もイメージカラーはピンクですもんね。
「あと、個人的には“マリア”という名前の子にも入ってほしい……(笑)。(甲田氏は、モーニング娘。’18・牧野真莉愛のファン)海外からの参戦でもOKです。そうしたら自分がキメのLOVEりんポーズとか入場曲とか、上手くプロデュースするので。そういうリングネームをつけるのでもいいんですけど、たまたま“マリア”という名前の選手が来るほうが面白いかなと(笑)」
地方大会にも意欲
―後楽園ホールでも年3回ビッグマッチを行うようになって、それ以外の大会もずっと満員続きですよね。今後は大会数を増やしていく見込みなのでしょうか? それとも会場の規模を大きくしていきますか?
「両方ですね。とはいえ数を増やすといっても、都内だけだとお客さんも疲れてしまうので、地方大会を開催していきたい。今年2月、初めて名古屋大会ができたんですよ。いずれは札幌、博多と……。とくに博多は、山下実優と伊藤麻希が福岡出身なので、凱旋興行としてやりたい。あと、アイドル文化的な発想になるんですけど、やはりいずれは日本武道館で大会を開きたい気持ちがあります」
―格闘技だけじゃなく、アイドル的にも聖地ですからね。
「なんとなくアイドルグループは、武道館を目指す風潮がありますから(笑)。私も『武道館』(ハロー!プロジェクトのアイドルグループ・Juice=Juiceが主演を務めた、2016年放送のフジテレビ系ドラマ)というドラマを毎週見ていたので……。DDTだとビッグマッチは、両国国技館なんですが、『いつか両国』よりも『いつか武道館』のほうが東京女子っぽいかなと思います」
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NEO、アイスリボンといった女子プロレス団体に携わり(NEOでは代表も務める)、2012年6月、DDTプロレスリングが創設した東京女子プロレスの代表に就任。ごくたまに選手としてリングに立つが、その際は、モーニング娘。’16「そうじゃない」を入場曲に使用する。
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東京女子プロレスは、5月3日(祝)12時より東京・後楽園ホール大会を開催。チケット情報などは公式サイトをチェック!