行くしかなるまい、宮迫博之プロデュース「焼肉 牛宮城」に……。話題の旬を若干過ぎた気はするものの、やはりWebライターたるもの、あれだけインターネットを騒がせた“聖地”は巡礼しておきたい。オープンから約5か月が経ったとはいえ、牛宮城の人気は未だ根強く、焼肉コースの予約はいっぱいだったため、すき焼きコースを食べに行きました。
ネット民のオモチャにされた牛宮城
今さら説明するまでもありませんが、牛宮城はオープン前から大炎上したことで有名なお店です。2021年2月、宮迫とYouTuber・ヒカルが共同出資する形で焼肉ビジネスがスタートしたものの、同年9月、開店直前に行われた試食会でヒカルが「こんな焼肉ありえない」とクオリティに激怒。宮迫ひとりでビジネスを継続することになり、「悪徳コンサルにだまされている」疑惑が持ち上がったり、宮迫が資金繰りのため私物を売り払ったり、ヒカルと和解したり、ついに公開されたメニュー内容に対して「価格設定が強気すぎる」とネット上でツッコミが殺到したり、さまざまなすったもんだを乗り越えて3月1日オープンに至りました。
あえて露悪的な表現を取るならば、牛宮城とは「ネット民のオモチャ」。だからこそ、開店までのドタバタという一番のイジられどころを脱した牛宮城が今どうなっているのか、いちネット民としては気になるところでした。
皿が空のまま提供され、テンションブチ上がり
注文した「黒毛和牛 すき焼きコース」(7,980円)は、キムチナムル12種盛り合わせ、本日のお野菜10種盛り合わせ、厳選黒毛和牛の肩ロース、讃岐平打ちうどん、本日のデザートのコースです。さっそく「キムチナムル12種盛り合わせ」が運ばれてきたのですが、なぜか一皿が空のまま。これは……予備のお皿……? 何かの殻入れ……? 店員さんに確認してみたところ、「あっ。すみません。中身入れ忘れていました」とのことでした。
「そんなことある?」というジャブをいきなり食らい、「“あの”牛宮城に来た!」という実感が湧いてきます。まだ前菜なのにテンションブチ上がり。来たかいがありました。キムチとナムル自体は大変おいしゅうございました。
牛宮城は野菜がおいしいんですよね。もちろんお肉もおいしかったんですが、あれから思い出されるのは「すき焼きの野菜、おいしかったな……」ということ。すき焼きの玉子はおかわり仕放題なので、とろとろの甘いネギに玉子をじゃぶじゃぶつけて食べられるのが最高。ご飯何杯でも食べられちゃうよ! あとでうどん来るから白米は我慢したけど!
もし今後、野菜メインのコースができたなら、ぜひまた食べにいきたいです。これだけ野菜がおいしいなら、次はサラダも頼んでみたい。YouTuberのゆゆうたは、「サラダがクソまずかった」と言っているが……。
テーブルが狭いんだが!?
料理に関しては大満足だった一方で、接客面が心もとなく感じるのは正直なところ。まずテーブルが狭い。普通の居酒屋のふたり席くらいの広さのテーブルですき焼きをするわけだから、鍋と野菜、肉を置いた時点でギチギチ。さらにサイドメニューも追加すると、テーブルのキャパを完全に超え、同行者と「そっちのお皿とこっちのお皿、位置交換しなきゃ」「じゃあ、この空いたお皿どうしよう」のようなワタワタしたやり取りを繰り返すことになる。そして、新たな料理を運んできたものの、いっぱいになったテーブルを前に一緒になってオロオロする店員……。
一流店並のもてなしをしろとは言いませんが、客単価が1万円を超えるお店であれば、もう少しだけ落ち着いて食事を楽しみたい気持ちはある……。ただ、「これが牛宮城クオリティ」と少しおもしろく感じる部分もあるので、人間の心理とは複雑です。とりあえず「話のネタに」くらいの気持ちで来店したぶん、料理がしっかりおいしいのはうれしい誤算でした。
この世には、「おいしいものを食べるのが嫌いなわけじゃないけど、おいしい店をイチから探すのは苦手/面倒くさい」という層が結構いる。そういう人にとって、「宮迫の店(ネタ感は強いけど、料理はちゃんとしていそう)」というのは足を運びやすい存在だし、実際料理はおいしいので、なんならその後リピーターになるのかもしれません。
ちなみに8月4日に公開されたYouTube動画で、宮迫は「テスト期間で学生のバイトがガバッと今来れない。(店が)回らない可能性が大」と店の窮状を訴えています。牛宮城のすったもんだは続く。