プロレスラー・オルカ宇藤が、まさか『令和の虎』集団にハマるとは想像していなかった。今さら説明する必要もないかもしれないが、『令和の虎』とは『¥マネーの虎』の続編に当たるWeb番組。宇藤は巧みなプレゼンで出演者全員の心をつかみ、「100万円の融資」という目標をスムーズにクリアしてみせた。
彼が番組で披露したアイデアとは、「軽トラプロレス」というキテレツなビジネスだ。軽トラの荷台をリングとして、全国各地の駐車場などに赴き、ミニマムなプロレス興行を行う。ちょっとしたイベントをやりたい地域コミュニティにはうってつけだろう。宇藤のビジョンを聞いた虎のひとりは、「Uberプロレスってことですね」とコメントしていた。
虎からは「軽トラックの(耐久性は)大丈夫ですか?」といった至極最もな質問もぶつけられた。それに対して、宇藤は「自分の父親が車屋で、そのへんは相談しながら、サスペンションの改修だったりも込みで考えています」と説明。ほかにも「なぜ軽トラなんですか?」や「ぶっちゃけ自己資金ありますよね? (番組出演は)ほぼ宣伝目的?」といった質問にもよどみなく回答していた。
宇藤が口ごもった場面は大日本プロレス退団の経緯を聞かれたときくらいで、虎たちからコミュニケーションの高さを絶賛されていた。たしかに、ここまでしっかりしたコンセプトを立てた上で、そのアイデアを他人にわかりやすく説明できる人間はビジネスパーソンでもあまりいない。さすが西の名門、立命館大学出身……。視聴者コメントも「トークスキルがすごい」「コミュ力高すぎ」「人柄歴代ナンバーワン」と称賛の嵐だ。
大日本プロレス退団をめぐるゴタゴタといい、プロレスラーであるにもかかわらず、宇藤はどこかプロレス業界にハマりきらないというか所在なさげな印象があった。いつしかプロレスラー兼サウナの熱波師となり、手作りサウナハットの販売も始めて……。正直なところ、「よくわからない人」になりつつあったが、そのよくわからなさが『令和の虎』では「なんだかおもしろい人」としてポジティブに受け止められた。
やはり、“しゃべりが上手い”というのは強力な武器だ。考えてみると、宇藤はプロレスラーとしてそこまでしゃべっていた印象はない。むしろマイクは不得意なイメージだったので、今回の『令和の虎』で、「宇藤ってここまでしゃべることができたのか!」と驚いたくらいだ。
このトーク力をリングでも発揮することができれば、プロレスラー・オルカ宇藤に何かが起きるのではないか。そんな期待も込めて、軽トラプロレス、応援しています!
なお、記念すべき「第1回軽トラプロレス」は9月25日に新木場1stRINGにて開催予定。プロレス興行「プロミネンス第6戦 〜紅炎万丈〜」を盛り上げるためのプレイベントとして行われる。