現在2歳の娘が小さい頃、僕はフリーランスだったため、よく家で面倒を見ながら仕事をしていた。しかし、その手間のかかりっぷりや声のうるささでまったく仕事は捗らず、人生でもトップクラスの辛い思い出になっている。
つい先日、妻が体調を崩し、久しぶりに自宅作業をした。娘を保育園に預け、3ヵ月の息子の面倒を見ながらの仕事だ。娘を見ながらの仕事がトラウマになりかけている僕は、この環境に恐怖した。本来なら3時間もあれば済む作業が、娘がクソうるさいせいで夜中までかかってしまうあの過去を思い出したからだ。
しかし、そんなものはすべて杞憂。娘に比べて格段に良い子な息子は、キッチリ4時間ごとにミルクを飲んでは深い睡眠に入り、目を覚ましても僕の仕事を寝転がりながらニヤニヤ見つめるだけなのだから、なにひとつ負担がかからない。なんなら会社よりも仕事に集中することができた。
息子は手間がかからない。俗に言うイージーチャイルドというやつなのだろう。しかし、それだけに娘のディフィカルトチャイルドっぷりを思い出すと、段々腹が立ってくる。なぜあいつは、あんなにも大声で喚き散らし、意味もなく泣き、糞尿をまき散らしていたのだろう……
ディフィカルトチャイルドとイージーチャイルドを比べてみる
物心がつく前に、月齢3ヶ月時点でのディフィカルト娘とイージー息子を思いっきり比べてみようと思う。
泣き
<イージー息子>
泣き声は赤ちゃんにとって大人への呼びかけ。息子にとっても泣くというのは、呼びかけ以上のなにものでもない。パパやママが気づいてミルクをあげたらすぐに泣き止むし、たまにグズっても抱っこをすれば笑顔に戻る。
<ディフィカルト娘>
こいつにとって泣き声は呼びかけでもなんでもなく呼吸と一緒。なにをしていても泣き声を上げる。また、ミルクに食らいつきながら泣くもんで、顔面中ミルクまみれになることもしばしば。そしてそのミルクが不快でまた泣いていた。さらに睡眠不足でまた泣くという超極悪な悪循環。
首すわり・寝返り
<イージー息子>
取り上げた助産師さんの一言目が「すごい力!」だった息子。3ヶ月にして首が座り、寝返りも打てるようになった。通常、首が座るのは4ヵ月ぐらいで寝返りは7ヵ月ぐらいだそうなのでかなり優秀。
<ディフィカルト娘>
娘も早かった。寝返りはまだだったと思うが、この時期には首が座っていた記憶がある。ここらへんの発達の不安はあまりなかったのが唯一の救いだった。
笑顔
<イージー息子>
いないいないばあなどをすると、ニコっと笑顔を見せるようになった。誰がやっても反応が良いので、祖父や祖母にも好評。
<ディフィカルト娘>
こちらも笑顔を見せるのが早かった。しかし、「ぐへっ!」と悪魔のように笑い、唾が器官に入るのか、ときおりむせてしまう。そのため、祖父と祖母は気を使いながらいないいないばあをやっていた。
痛みへの反応
<イージー息子>
いつも娘にのしかかられたり、引っ張られたりしているためか、痛みに強い。2ヶ月検診や3ヶ月検診で注射されても早めに泣き止む強い子。
<ディフィカルト娘>
2ヶ月検診と3ヶ月検診の計5本ほどの注射を、一滴の涙も見せずに耐えきった娘。いっつも泣いている癖に、注射のときだけプルプル震えながら我慢していたので、すでに反骨精神みたいなものを持っていたのだと思う。
3ヶ月の時点では、うるささと睡眠の癖に大きな違いが見られた。この連載で何度か触れているが、うちの娘と息子は、育てやすさも性格も全然違う。同じ親から生まれた姉弟でこれだけ違うのだから、よそ様のお子さんはもっと違うのかもしれない。
そう考えると、人の子育てに口出しするのってめっちゃくちゃ野暮だなぁと思う。