世の中には、”育児やってます”アピールをする夫がいる。それに腹を立てる妻がいる。
明らかに妻のほうが育児を頑張っているのに、育児アピール夫ときたらちょっと育児をしただけで、「え? 僕、育児がんばってますけど?」という顔をする。酷いヤツは、SNSでアピールすることもある。妻からしたら腸煮えくりかえるほどにムカつくタイプの夫だろう。
ちなみに僕は、バリッバリの育児アピール夫だ。
嫌われてるぞ!育児アピール夫たちよ!
育児アピール夫とは、具体的に何をするのか? いくつか例を挙げてみたい。
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- たまたまオムツを替えただけで「オムツパンパンだね~」などと聞こえるように言う
- 脱ぎ捨てた靴下を見つけると、「これ洗って良いやつ?」とわかってるクセに聞く
- 栄養面を無視してお菓子を与え、子供の機嫌を取ってドヤ顔する
- 「お風呂はパパの仕事だもんな」が口癖
- 部屋のスペースのことを考慮せずに、突然大きな玩具を買ってくる
- 子どもが言葉や数字を覚えると、あたかも俺が教えました感を出す
- ちょっと泣き止ませに成功したくらいで鬼の首を取ったようにコツを説明し始める
- 「いや~仕事なんかより、子どもの相手するほうが何倍も疲れるね」などとわかったような口をきく
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冷静に考えるとなんて腹が立つのだろう育児アピール夫。全部心当たりがある。きっと世の奥さんたちは、「ワザとくさい」「少しやっただけで偉そうにするな」「こっちはその何倍もやってるんだ」「ブチ殺すぞ。くそやろー」と腹を立てていることでしょう。そして夫婦仲が悪くなり、終いには離婚に発展してしまうことも少ないように思う。
聞いてくれ!我々は、マウンティングがしたいわけじゃない!
めっちゃくちゃ腹が立つのはわかる。いや、マジでわかる。でも、少しだけ男側の言い分に耳を傾けてはくれないだろうか。育児アピール夫の大半は、べつに夫婦間で育児マウンティングがしたくてアピールしているわけではない。ただ、どうしてもアピールしてしまいたい生き物なのだ。
なぜなら、いつも妻にいろんなことを任せっきりにしてしまっているという自覚があるからだ。家事や育児に加え、保育園や役所とのやりとり、洋服など育児関連の買い物や、危険のないような家具の配置、すべてをやってもらっているという負い目があるからだ。
「いつもありがとう」という言葉が照れクサくて言えない育児アピール夫は、「俺も育児してるよ! 本当だよ! やる気はあるんだよ!」とアピールすることで置き換えてしまう。
もちろん妻への甘えからサボってしまうこともある。そして、その負い目からさらに育児アピールを繰り返す。そんな悪循環に陥ってしまっている同志はたくさんいる。でも、そいつらの行動原理は、好きな女の子の前で張り切っていたピュアな男の子とまったく一緒。妻に気に入られる良い夫を目指して、我々は育児アピールをしてしまっているのだ。
だから世の中の奥さんたちは、「あーまたアホの夫がなんかアピールしてるわ」「こいつ本当に器がちっちぇーな」ぐらいに思っていただければ、少しだけ気が楽になるかもしれない。