いとわズ

孫ができて母親の人格が破綻した 〜地獄の育児録〜

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約4分

うちの母親は昔から空気が読める人だった。家族の誰かが体調を崩すと1番にそれを察知したし、なんならその本人よりも病状を把握するぐらいに周りが見えていた。自分よりも家族の和を大事にするので、自分勝手な行動なんて取ったことがない。ましてや、誰かが不快になること、誰かの迷惑になることは絶対にしなかった。

そんな御年64歳の母親は、初孫が産まれて完全に人格が破綻した。

娘を連れて消える

娘が生後6ヶ月のお正月。久々に実家家族と食事に出かけた。その食事中、急に母親が立ち上がった。

母:ちょっと<娘>ちゃん連れて外の空気吸ってくるね

まだ料理が来て5分程度。誰も食事を終えていない。なのに母親は、僕の娘を抱っこして店の外に出て行ってしまった。

珍しい母親の突飛な行動に家族一同あ然としたが、孫ができて嬉しいのだろうと放っておくことに。しかし、食事を終えて30分以上経過しても一向に戻ってくる気配がない。携帯に連絡してもでない。僕たちは、店内で途方に暮れた。

結局母親は、1時間ほど辺りを散歩して店に戻り、「お腹が空いた」とチャーハンを注文して僕たちをもう15分ほど待たせた。

娘を連れて消える②

つい先日の出来事。母がもうすぐ3歳の娘を連れて公園に出かけた。

母:あんたらいつも子育て大変だから、1日ぐらい面倒見ようか?

こうは言っていたが、ただ遊びたいだけなのは明白。やれなんとか記念日だ、やれ誰かの誕生日だと、なんやかんや理由をつけて、車で30分ほど離れたところに暮らす母親は、毎週のように我が家に遊びに来る。

しかし、娘はクッソうるさいディフィカルトチャイルドなので、ありがたく母親に預けることにした。娘のいない優雅な1日、下の3ヶ月の男の子は、ずーっと寝ている。久しぶりに僕たち夫婦は、映画を見たり散歩をしたりと、ただただ優雅な日曜日を過ごした。

時刻は17時。母親からの連絡がない。いつもどってくるのか気になって、LINEを送っても電話をかけても一向に音沙汰がない。

さらに時間はすすみ19時に。連絡はない。最初は遊びに夢中になっているのだと思っていたが、ここまでくると心配になってくる。母と一緒に住む父親に連絡しても一切繋がらない。

時計の針は21時を指している。まだ連絡はない。娘が生まれてもうすぐ3年になるが、居場所を把握できてないのは初めてだ。不安がピークに達するが、どうしていいのかわからない。遠くに住む姉に連絡すると、「最近のお母さんは頭おかしいから絶対遊んでるだけだよ」と気楽な返事。少しは気楽になったが、今度は母親への怒りが込み上げてくる。

22時。やっとのことで電話が繋がる。僕は怒りを電話越しにぶつけた。

沢野:何時だと思ってんだよ!普通連絡くらいはするだろ!

まるで親が子どもに言うような怒り文句。しかし、怒られているのは64のおばあさん。

母:えー?まだ6時くらいでしょ?大袈裟だよ、、、え?ちょっと待って、もう10時なの?なんで?そんなわけないでしょ

知らん!! 時を忘れて遊んでましたとか、マジで知らない!!

ムチャクチャな状況にどうキレていいのかわからない。とりあえず、「携帯は見ろ」「連絡ぐらいしろ」と至極真っ当な指摘をすると、母親はキレイな逆ギレを披露する。

母:はいはいはい。あんた若いクセにつまんないこというんじゃないよ

何を言っても無駄。母親の人格は破綻してしまったのだ。

すぐに帰ると約束をさせて電話を切った。しかし、実家からここまで30分で着くはずが、1時間経っても戻ってこない。結局、我が家のインターフォンが鳴らされたのは0時近くだった。

母:お風呂入れてご飯食べさせてあげたよ

面倒なので文句は我慢。とりあえずお礼を言って、遊び疲れて寝ている娘を預かった。

後日、余りにもの人格破綻ぶりにボケてしまったのか心配になり、母に聞いてみた。

沢野:昔はあんなに周りが見えて気を使えてたのにどうしたの?

母:今でも見えてるよ。見えたうえでカワイイを優先しているの

吹っ切ったヤツは強い。

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