もうすぐ2歳になる娘の必殺技は、のし掛かり。プロレスで言うフライングボディアタックです。保育園でもかなり重い部類に入る我が子の体重はおよそ12キロにもなります。
就寝中にそんなもんが顔面に降ってきたら…
小さな子どもの睡眠について、どの家庭でも多少は問題になるはず。もし、まったく問題ないという人がいたのなら、その人は「世の中にはね、子供が寝なすぎてネット記事を書いてストレスをぶつけている人もいるんだよ。寝てくれてありがとうね」と、我が子にお礼を言うべきです。
地獄の育児録 〜入眠・前編〜では、あらゆる“寝かしつけテクニック”を使っても、結局は踊り続けて眠らない我が子を紹介しました。
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後編は、奥の手・寝たフリについてです。できればこんな危険な手は使いたくないんですけどね。
ダンスフロアで眠る夫婦
近頃の我が夫婦は、ベッドで寝たフリをしています。セミダブルとシングルのベッドをくっつけているため、そこそこに広いのですが、我々は両端ギリギリで寝たフリをします。
なぜなら、我々夫婦の間のスペースは娘にとってのダンスフロアと化しているからです。少しでも中央に寄ろうものなら踏みつけられることは必至なのです。
もっと上手く寝かしつけることができればいいのですが、ディフィカルトベイビーに対して我々の取れる手段は忍耐、これしかなかったのです。
寝たフリに挑戦!
初めて寝たフリをしたとき、我々はその効力に驚きました。何をやっても踊りを止めない娘が、5分ほどで大人しくなったんです。やはり、誰も見ていないと寂しくなってしまうのかもしれないですね。可愛いヤツですよ。
しかし、大人しくなったと思ったのもつかの間…
ゴスンッ!!
僕の顔面に信じられない鈍痛が走ります。
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痛ッ!!!
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折れたかと勘違いするほどの激痛が鼻に走りました。おそるおそる眼を開けると、そこには満面の笑みを浮かべる娘の姿が…
「ぎゃははははは! ぎょはっぎょはっ!!」
僕と目が合った瞬間、娘は悪魔のように笑いだしました。僕の痛がる姿が面白くて仕方ないのです。しかし、ここで怒っても無駄。悪魔は面白がる一方です。
僕は急いで布団と枕で顔面をガードしました。ベッドの反対側では、妻が次は自分の番かと震えています。
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グフッ…
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「ケタケタケタケタケタ!!」
妻が腹をやられました。顔を守っていたので、悪魔はボディを狙ったようです。布団の隙間から見ていてわかったこと、なんと悪魔は助走をつけてフライングボディアタックを行っていました。どうりで鼻の痛みが引かないはずです。僕は考えました。
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あの勢いで突っ込んで悪魔自身は痛くないのだろうか?
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と。そこで、とあるプロレスラーの言葉を思い出しました。
そうです。娘は僕たちにダメージを与えるため、自らも被害を被っていたのです。漫画でしか聞かないことわざランキングトップの「肉を切らせて骨を断つ」というやつですね。
娘はそうまでして僕たちが痛がる姿が見たかったのです。もしくは、フライングボディアタックがすごく上手いかのどっちかです。
枕でガード作戦決行! しかし…
再度娘は僕のほうに戻ってきました。そして間髪入れず僕の顔面に向かってフライングボディアタックを敢行。しかし、僕は枕に守られているためほとんど痛くありません。
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どうだ? これなら何発食らっても平気だぞ!
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枕を顔に乗せ、勝ち誇っていると、
「んぎゃぁあああ!!!」
娘が急に泣き出しました。なんで? なんで攻撃しといて泣いてるの? 言っとくけど、枕でガードしていても痛いは痛いんだよ?
もしかしてフライングボディアタックに失敗してどっか痛めた? 枕の下で混乱していると
ドスン!
もう一度衝撃が…
「ぎゃあああ!!」
娘は再び泣き始めました。
追撃があったことからどこかを痛めたわけではない様子。一体何が起きているのか脳内で必死に整理していると、ベッドの反対側から声が聞こえてきました。
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取ってあげて…
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え?
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枕、取って上げて
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言われるままに布団をどかすと、娘は涙を流しながらニッコリ笑ってこちらを見ていました。
ゴスン!
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痛ッ!!
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嘘だろ? 僕が痛がらないと満足できないのか? ガードしちゃいけないなんて完全にプロレスの考え方だ。そして、それを理解している妻の精神状態は一体どうなってるんだ? 僕は、娘の恐ろしい悪癖に震え上がりました。
その後、妻は手首に噛み付かれ、血を滲ませながらも文句ひとつ言わずに寝たフリを続けていました。
これが僕たちが現在行っている最良の寝かしつけテクニック…です。
子どもの長所を見る
子どもの良いところに注目すれば、どんな大変な目にあっても何とか精神を保つことができます。
今回紹介したい娘の長所は
「テレビ台の上からフライングボディアタックをしたことがあるが、痛かったのか二度とやらない」
学習ってこういうことですよね。