知り合いが3歳以下の子どもを連れていたら、なんとなく褒めなきゃいけない雰囲気になりますよね。
「かわいいねぇ〜」とか、「あら、オシャレしてどこ行くの?」とか、思っていなくても言わなければならない。スマホで写真を見せられたときも同じです。もはやマナーとかルールの類いになっている。
まぁ相手も良い気持ちになるし、僕も言われれば嬉しい。だからなんの問題もないのですが、ネガティブな状況のときは、ありがたいんだけどちょっと苦しいときがある。
なんか褒めないといけない空気!
例えばうちの子どもが泣いているとき、公園で出会ったママ友・パパ友は、「泣くのが仕事だもんね」「感受性が豊かな証拠だね」と褒めてきます。
うーん、ムリがある。
泣くことも喜怒哀楽の成長のために必要ってのはわかるけど、さすがに給料が発生する仕事に結びつけるのはさすがに苦しい。
他にも、たくさんのムリがある褒め言葉を言われてきた我が家の娘。その中でも「う〜ん、ムリがある!」と思った「ムリ褒め言葉(ムリぼめことば・僕が作った造語)」を紹介したいと思います。
ムリ褒め言葉・初級編
「こだわりがあって、アーティストになりそう」
これはわりと使われているムリ褒め言葉ですね。電車で娘が靴を脱がずに椅子の上に立とうとしてグズったときに言われました。
「健康的だね」
満腹中枢がイカレているうちの娘に、半年ぶりぐらいに再会した妻の友人の一言。「あら〜まるまるとして……健康的だね」。
いや、「まるまるとして」の後に「太った」以外の言葉聞いたの初めてですよ。
ムリ褒め言葉・中級編
「服ちっちゃくてかわいい」
これも久しぶりに会った妻の友人の一言。これはもしかしたら本人も気付いていないのかもしれませんが、完全にフジモンの「顔デカイからや!」が成立してますね。
「このニオイ、立派に生きてるって感じ!」
オムツを替えてるときに、僕の友人の彼女が言った一言。いや、実の親がそれ言うのはわかるんですけど、初対面でウンコまで可愛がらなくてもいいですよ。
ムリ褒め言葉・上級編
「好き嫌いが無くて偉いね」
公園で娘が土食ってたときに、保育園のママ友が言ってきました。「好き嫌いがなくて」は百歩譲って理解できても、「偉いね」は絶対にない。だって土は食っちゃダメだもん。
「血がキレイ! 若い証拠!」
娘が知らないママさん連中の眼の前で転んで、流血したときに言われた言葉。1人目が「すぐ泣き止んで偉い!」。2人目が「うん! 元気いっぱい!」。そして、言うことが無くなった3人目が「血がキレイ! 若い証拠だね!」。うん、振り絞った感がありますね。
そこまでムリに褒められるとちょっと申し訳ない気持ちになっちゃいます。普通にヘラヘラとスルーしてくれて全然良いんです。ま、なんかとりあえずポジティブな感じにしてくれてるのは、ありがったいっちゃありがたいんですけどね。
ただ、僕が本当に嫌なのは、「ネガティブな状況でも、いかにポジティブな言葉で例えられるか大会」になってしまうこと。人間力というヤツをすっごい試されている気分になっちゃいます。