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【インタビュー】辰巳リカは、「ロックスターのようなプロレスラー」目指す……憧れは甲本ヒロト

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約6分

アイドル的な佇まいで、東京女子プロレス内でも高い人気を誇る辰巳リカが、5月3日に行われる東京・後楽園ホール大会のメインイベントで、団体のエースである山下実優とTOKYOプリンセス・オブ・プリンセス王座を賭けて戦うことが決定した。

もともと成田大致率いる音楽ユニット・夏の魔物の派生ユニットであるDPGのメンバーとして活動し、秋葉原ディアステージで勤務した経験もある辰巳。アイドル文脈で見られることが多い彼女だが、もともと憧れていたのは、ロックミュージシャンだ。

初観戦で「これもまたロック」

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「ロックが大好き。中高とバンドを組んで、ずっと音楽の道に進みたかったんです。長野出身なんですが、いったん就職して働きつつ、夜もバイトしながら、上京資金を貯めました。働きすぎて帯状疱疹にもなりました(笑)。でも上京するタイミングをつかめずにいたら、Twitterで、『ももクロの精神を持った子募集』っていう音楽ユニットの募集を見かけたんです。私は、ももクロちゃんもロックに通じるものを感じて好きだったので、『いいじゃん!』とオーディションを受けてみたら合格。22歳のときに上京しました。それが、DPGです。

成田大致さんもプロレス大好きですし、オーディション会場には、審査員としてDDTプロレスリングの鶴見亜門GMや、男色ディーノ選手もいて。その繋がりで初めてプロレスを見てみたら、すごく熱くて、『これもまたロックだ!』と思って。それで、思いきってプロレスの世界に飛び込みました。

なんか私、ロックの定義が広いんですよね(笑)。私にとってロックって、“熱さ”なのかな。ステージで何かやりたいっていう衝動が強くあって、それがプロレスに繋がりました。もちろん、不安もありました。リングもロープも硬くて、練習だけでアザだらけになるし……。

でも、デビュー戦がすごく楽しかった。相手に思いっきりエルボーを叩きこむのが最高に気持ちよくて、『こんなに楽しいものはない!』と。私って普段、日常のモヤモヤというか闇を抱えがちなタイプなんですよ(笑)。ステージやリングに立ちたいのも、その感情を発散したいっていう公私混同な部分が大きくて。

夜とか急に叫びたくなりません? リング上なら思い切り叫んでも、お客さんに思いが伝わって、パワーとなって、応援してもらえる。そういうところがプロレスは楽しいし、ロックだなと思います」

黒音まほとのタッグは「最初はしっくりこなかった」

「ただ私、デビューしてすぐケガしちゃって、1年くらい欠場したんですよ。このまま自分はベルト戦線に絡んだり、メインイベンターにはなれないんじゃないかと不安でした。骨折したときは、本当にびっくりしましたよ! 骨って結構すぐ折れるんだなって(笑)。でも不思議と辞めたくはならなかったなぁ……。だって、中途半端じゃないですか。自分はまだ何も成し遂げていないし。とにかく復帰しようという気持ちでした。

復帰後少し経ってから、優宇選手が持っていたTOKYOプリンセス・オブ・プリンセス王座に挑戦しました。試合は負けてしまったんですが、あのときから自分の中で意識が変わっていったかもしれません。

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去年は、まほとの“どらごんぼんば~ず”で、タッグトーナメント決勝戦まで進めましたし。どらぼんって正直、最初はしっくりこなかったんですよ。自分で作っておいてアレですけど(笑)。でも、戦いの中でゾンビとも絆が生まれてきたんですかね。タッグトーナメント決勝、みらクりあんずとの試合中、私はすごくエモーショナルな気持ちでした。ゾンビはどう思ったかわかりませんけど、楽しいなって。

ゾンビも一応私に心を開いてくれているのかな? あの子は他の選手は食い散らかすつもりですけど、私には噛みついてきません(笑)」

山下実優は「ポンコツで、イジられキャラ」

「5月の後楽園大会でメインに抜てきされたのは驚きました! もちろんプレッシャーもありますけど、やってやるって気持ちのほうが強いですね。山下は防衛戦も多くやって経験値もあるし、強敵なのは間違いありませんが、でも負けません。

山下は、普段は本当にポンコツで、イジられキャラなんですよ(笑)。控室で誰かが格闘技の入場テーマを歌ったら、みんなで乱闘を始めるってじゃれ合いをするんですけど、全員で山下を標的にしたり(笑)。東女って本当に仲が良くて、試合後も近くのファミレスで5時間話したりするんです。試合の話も少しはするけど、ほとんどはどうでもいい話で5時間。仲良すぎて自分でもびっくりしますけど(笑)。

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……そういう仲良い相手と戦う気持ちですか? うーん、なんでしょう? でも、やっぱりリングの中だと敵なんですよ。『絶対この人に勝ちたい』って思う。相手にダメージを与える楽しさもわかってきましたし(笑)。プロレスは、ガチな気持ちのぶつかり合いで、遠慮とかないんで。私は日常生活だと引っ込み思案ですが、試合では構っていられないので、自分をさらけ出して言いたいこといいます。この野郎とか言うし、ムカついたら『ムカついた』って言うし。

あとプロレスの醍醐味みたいなところで言うと、『相手の技を全部受けて、相手の良さを引き出したうえで勝つ』というのが理想ではあるので。だから、普段仲良いのは、むしろプラスなのかな。信頼関係があるからこそ、自分も思いきり行けるんです」

クラスの隅にいる人たちの星に

「オフの日は、ショッピングに行ったり、友達とご飯を食べに行ったり、あとライブにも行きます。最近は、THE YELLOW MONKEYとかエレファントカシマシ、くるりとか、ベテランのバンドの良さを改めて感じています。

私の憧れは、ロックスターなんですよね。甲本ヒロトさんや、神聖かまってちゃんの“の子”さんみたいな、クラスの隅っこにいる人たちの星って感じの方々に惹かれます。やっぱり自分がそういうタイプなので(笑)。私は、ロックスターのようなプロレスラーになりたい。さらに大きい目標を言うならば、ビートルズ。世界中の誰でも知っているくらい、東女を広めたいと思っています!

プロレス好きな人はもちろん、アイドルが好きな人、ロックバンドが好きな人にも東女はハマる要素があるんじゃないかな。今はアイドルブームも少し落ち着いて、いろんな子が卒業や引退しちゃって、寂しい思いをしているアイドル好きのかたもいるかもしれません。そういうかたが東女を見たら、また熱くなれるんじゃないでしょうか。いろんな選手がいるので、きっと“推し”が見つかりますよ。

普段モヤモヤというか、鬱々とした気持ちを抱えている人は、ぜひ東女を見ていただきたい! 私みたいに感動して、熱いものを感じられると思います」

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※取材段階ではロングヘアだったが、4月8日の春日部大会で、チャンピオンになる覚悟を示すためリング上で断髪。現在はボブヘアに。

[box class=”box28″ title=”辰巳リカ”]
9月27日生まれ、長野県出身。2014年1月28日、渋谷エンタメステージにて“ケンドー・リリコ”名義でデビュー。藤波辰巳にあやかったドラゴン殺法と、越中詩郎から直々にコーチされたヒップアタックの使い手。ゾンビレスラー・黒音まほとのユニット“どらごんぼんば~ず”も人気。
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東京女子プロレスは、5月3日(祝)12時~に東京・後楽園ホール大会を開催。チケット情報などは公式サイトをチェック!

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