2歳半の娘はおばあちゃんが大好きだった。
パパやママの言うことは一切聞かなくても、たまに顔を出すおばあちゃんの言うことは何でも聞く。夜は必ず一緒の布団で寝て、ご飯は隣の席じゃないと泣き出してしまう。
娘がおばあちゃんに甘えてる姿は実に美しい光景で、僕は初めて親孝行というものを実感した。
おばあちゃんが大好き
妻が臨月に入ったため、おばあちゃんは頻繁に我が家に来るようになった。娘はおばあちゃんの顔を見る度に、「おばあちゃん!!」と駆けより、パパには見せない笑顔を見せる(ママには見せる)。そして朝起きると、おばあちゃんが帰ってしまっていないかを確認するため、寝ぼけ眼でキッチンまでやってくる。
嫉妬の気持ちがないワケではないが、これはすごく良いこと。僕が仕事中に妻の陣痛がきたら…。これほど頼りになる存在はいないハズ…だった。
自分の母親に対してこういっちゃあなんだが、娘のおばあちゃん好きなど、所詮はただのブームだ。時が経てば消えてなくなる一過性のもの。毎日顔を合わせていたら、おばあちゃんへの“レア”感は当然ゼロになる。
子育てはそんなに甘くないよ
僕は実の母にこの言葉を送った。
蹴られるババアが妙に面白い
そして娘は、パパ同様おばあちゃんを雑に扱い始める。テレビのリモコンを投げつけ、自爆覚悟でお茶を浴びせる。寝ているときには、下腹部に身体全体で体当たりや蹴りををかます。僕は何度も食らっているので知っているが、遠慮を知らない2歳児の攻撃は、予想以上に痛い。
またしても自分の母親にこういっちゃあなんだが、60過ぎのババアが蹴飛ばされて悶絶する姿はなんだか面白い。つねられて悲鳴をあげているのを見ると、笑いを堪えきれない。
_人人人人人人人人人人人人人人_
> おばあちゃんあっちいけ! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
罵倒される母の表情は、すべてを受け入れる菩薩のような笑みを浮かべているのだが、どこか寂しさを感じる。
おばあちゃん:孫より大事なものはない
おばあちゃん:別に人生にやりたいことなんてなかったけど、孫が産まれたからもうちょい生きる
おばあちゃん:健康診断行ってみようかな
この言葉たちが僕の脳内で鮮明に再生される。
悲しい。なんて悲しいのだろう。あんなに大好きな孫に嫌われてしまった母は、あまりにも物悲しい。
そして、なぜか笑える。
ここで僕は、ある質問を娘に投げかけた。今までも何度も何度も問いかけた質問だ。
娘よ、パパとおばあちゃん、どっちが好・・
_人人人人人人人人人人人_
> おばあちゃん!!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
その後、数々の質問を重ね、なんとなくわかった娘の大事なものランキングがこちら。
娘の大事なものランキング
①おさるのジョージ
②ママ
③アンパンマン
④猿
⑤おばあちゃん
⑥スネ夫
⑦僕
スネ夫には勝ってると思ってた。