DDTプロレスリングの若手団体DNA(DDT NEW ATTITUDE)が、演劇に初挑戦する。弊サイトでも稽古の様子をお伝えしたが、7月5日からの本番を前に会場である千本桜ホールにて公開ゲネプロが行われた。
その作品『櫻農カプリチオ〜櫻ヶ丘農業高等学校狂想曲〜』は、廃校が噂される櫻ヶ丘農業高校を存続させるため、地元で評判の櫻米という米を使って町おこしをし町を活性化させようと奮闘する高校生たちを描いた熱血青春ストーリー。座長を務める上野勇希をはじめ、勝俣瞬馬、渡瀬瑞基といったDNAのレスラーたちが「表現力と発信力を培うため」本気で取り組んだ物語だ。DNAのレスラーたちに加え、森一弥、中村隆太、ムートン伊藤ら舞台人も出演。作・演出は高梨由が手掛けた。
ゲネプロ終了後、上野勇希、勝俣瞬馬、森一弥の3人が取材に応じ、手応えを語ってくれた。
“演劇界ではありえない”がたくさん起きた
—ゲネプロを終えていかがですか?
上野:自分が思っていたよりは練習に近い形でできたのかなと思います。でも逆に熱が入りすぎて大丈夫かなと不安な点も出てきました。
—上野選手は出ずっぱりですけど大変じゃなかったですか?
上野:水を飲むタイミングがないので、ずっと喉が乾いていました(笑)。セリフを覚えるのが大変だったというよりは、そういう体力面のところが大変でした。
—試合をやりながらの稽古も大変だったのでは?
上野:特に僕は欠場もあって、試合への不安もありましたが、それとプラスで舞台もあったので不安が大きかったです。復帰試合までみんな心配してくれて、試合が終わったらみんな連絡をくれました。それでも試合に向けて練習しながら舞台の稽古とかできたからこそ、モチベーションが高いままできたのかなと思います。
勝俣:僕は、座長の上野が欠場しちゃってなにもできなくなったら舞台はどうなるんだろうとヒヤヒヤしながら上野の試合を見ていました。みんなが試合あるなか頑張ってくれて、こうやって形になったのは本当によかったと思います。
—森さんから見てレスラーの演技力は?
森:1月にワークショップをやったんですが、正直ヤベーと思いました(笑)。これはヤバい座組に入ってしまったと。やっぱり最初はみなさん演じることに照れがあったんだと思います。これはやばいなと思ったんですが、日に日にすごく良くなっていった。今日のゲネプロを終えて、自信を持って一座になったという感触がありました。
あと、演劇界ではありえないことがたくさん起きました。上野座長が声を枯らしてきたんですよ。「すみません、昨日の試合でラリアット食らって今日は声が出ないんです」って(笑)。演劇界では絶対にありえないことがいっぱいあって、すごくいい経験になりました。まだ終わってないですけど、千秋楽までいい作品にしたいです。
—プロレスの試合にフィードバックできることはありますか?
上野:まだ実感はないんですが、とりあえず声は大きくなったかなと思います(笑)。
勝俣:パッと思いつくものとしては、恥ずかしさがなくなったかなと思います。これから試合に活かせたらと思いますが、まだ終わっていないので。時間が経ってから気づくこともあるんだと思います。
—お客さんに見てほしいところは?
上野:DNAの選手のキャラクターですね。普段とは全然違う役を演じる人もいれば、普段に近い役を演じる人もいる。そういうところを見てほしいですね。役者さんもみんなガヤガヤするくらい仲良くて、みんな一丸となってこの90分を作っているのを見てもらえたらと思います。
—日替わりゲストとしてDDTの選手も出演されますが、印象に残っているゲストは?
上野:全員ですね。日替わりゲストも含め、その日のそのシーンというのは毎日変わるものなので。そのシーンは、何回見ても面白いと思います。
『櫻農カプリチオ〜櫻ヶ丘農業高等学校狂想曲〜』は7月5日〜7日、千本桜ホールにて公演。
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舞台 『櫻農カプリチオ~櫻ヶ丘農業高等学校狂想曲~』
「櫻ヶ丘農業高校は廃校になるらしい」――。平々凡々な高校生 相原竜輝は、そんな噂を耳にした。櫻農では、地元で美味しいと評判の櫻米(さくらまい)を生産している。味には絶対の自信がある櫻米が全国区で有名になれば、町の活性化につながる! そうすれば櫻農存続も叶うかもしれない!! でも一体どうやって有名に? 竜輝はある計画を思い付き、計画実行の為に仲間集めに奔走し始める。
2018年7月5日(木)~7日(土)、東京・千本桜ホールにて全6回公演。チケット購入方法やアフターイベントなどの詳細はDDT公式サイトをチェック!
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