いとわズ

西野監督のメンバー選考に絶望したので落選イレブンを組んでみた

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約6分

イニエスタは本当に来ましたが、西野ジャパンには萎えまくっています。

選ばれたのは、おなじみのメンバーでした

5月18日にガーナ戦の日本代表メンバーが発表されましたね。

ここに呼ばれていない選手はW杯行きの可能性がほぼなくなったわけですが、招集リストに真新しさは絶無。所属クラブで結果を残していた選手(中島、森岡、堂安ら)を外して、完全に干されている井手口や浅野を招集し、コンディションに不安の残る香川と岡崎を「欠かせない」と評する西野監督の保守的なチョイスにはなかなかの絶望感が漂っています。

平均年齢もやたら高くて「みんなで最後の思い出作り? ロシア旅行(by武田百合子)かな?」と邪推したくもなりますよね。加えて本田圭佑のプロフェッショナルな言動の影響などもあり、「サッカー日本代表」というブランドは地面にめり込むレベルで失墜してしまっています。

そんな絶望のメンバー発表後、少しでも期待値を高めるために西野監督の著書『勝利のルーティーン 常勝軍団を作る、「習慣化」のチームマネジメント』(幻冬舎・2014年)を読みました。

監督業の実際について知るという意味では決して悪い本ではないと思いますが、日本の強み、確立すべきスタイルとして「技術力と結束力をベースとしたコレクティブなサッカー」と書いていたことには大きな不安を覚えました。

当たり前のことすぎて、「なにもない」と言っているのとほぼ同義だからです。正直なところ、学生時代の遠征帰りに後輩の田嶋会長(JFA)とローマを観光した、という意味深な仲良しエピソードが一番興味深かったですね。

イライラするので落選した選手でチームを作る

なんだか気持ちが収まらないので、落選した選手だけで組んだ「ぼくのかんがえたさいきょうのにほんだいひょう」を発表します。選んでみて思ったのですが、これ、めっちゃ難しいですね。先に謝っておきます。西野監督、偉そうなこと言ってごめんなさい。

 

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[center]
金崎夢生
(鹿島アントラーズ)

中島翔哉             堂安律
(ポルティモネンセ)       (フローニンゲン)
[sen]
森岡亮太
(アンデルレヒト)

小林祐希       長澤和輝
(ヘーレンフェーン)   (浦和レッズ)
[sen]
車屋紳太郎                室屋成
(川崎フロンターレ)            (FC東京)

谷口彰悟       森重真人
(川崎フロンターレ)   (FC東京)
[sen]
西川周作
(浦和レッズ)
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控え:林彰洋(FC東京)、六反勇治(清水エスパルス)、三浦弦太(ガンバ大阪)、鈴木大輔(ジムナスティック・タラゴナ)、吉田豊(サガン鳥栖)、橋岡大樹(浦和レッズ)、田口泰士(ジュビロ磐田)、中村憲剛(川崎フロンターレ)、伊東純也(柏レイソル)、伊藤達哉(ハンブルガーSV)、南野拓実(ザルツブルク)、杉本健勇(セレッソ大阪)

※追加招集の可能性があると明言された久保裕也と、怪我で離脱した今野泰幸、青山敏弘、小林悠らは除外

手薄なボランチに橋本拳人(FC東京)、Jリーグで図抜けたプレーを見せている家長昭博(川崎フロンターレ)、パワープレー要因として都倉賢(コンサドーレ札幌)もしくは川又堅碁(ジュビロ磐田)、ストライカーとしての安定感と実績を重視して興梠慎三(浦和レッズ)、高い走力を持ちアクセントとして使いやすい永井謙佑(FC東京)など、いろいろなパターンを考えましたが、最終的には戦術はそこまで重視せずに「調子のよさ」「実績」「若さ」を考慮して選びました。

そうするとなんだか、すごくバランスが悪いんですよね。いや、そもそも「中島と堂安の同時起用はナシでしょ」とか「似たようなアタッカー何人選ぶんだよ」とか、わかりますよ! わかってます! でも言い訳をさせてください。このバランスの悪さが、日本サッカーが抱えている問題そのものなんです。

セントラルMFとサイドバックがマジでいない

いないんですよ、セントラルMFとサイドバックが。特に深刻なのは、しっかりと守備ができて運動量のある中盤の選手が少ないこと。

いわゆる「マケレレ・ロール」を高水準でこなせるエンゴロ・カンテのような選手がいれば、中盤の構築がどれだけ楽になることか。歴代の代表監督たちがこぞって今野を重用してきた理由がわかります。またサイドバックに関しても、内田・長友とW酒井の後を継ぐ人材が枯渇している状況です。個人的に期待しているのはレッズの右サイドで躍動している19歳、橋岡大樹。182cmとサイズがあってフィジカルも強く、できるだけ早く海外で経験を積んでほしい逸材です。

1.5~2列目の若手は多いが、ストライカーがいない

中島や堂安に加えて、ハンブルガーの伊藤やザルツブルクの南野など、若くして海外で活躍している選手の大半が「高い技術を持った、小柄で俊敏なサイドアタッカー」ですよね。真ん中を任せられる本格派のストライカーの育成には、どうしても時間がかかってしまいます。

落選した興梠も金崎も都倉も川又も、みんな大迫や武藤、杉本より年上ですから。彼らの立場を脅かすような若手となると、現状、アントラーズの鈴木優磨くらいしか思い当たらないのが苦しいところです。U-21代表に選ばれているジュビロ磐田の小川航基、サガン鳥栖の田川亨介らの覚醒に期待しましょう。

落選イレブンを組んでみて

23という枠は思っていた以上に狭かったです。単純に計算するなら、GKを除いた10あるポジションに2人ずつしか呼べないわけですから。もちろん僕の場合はただの妄想ですが、それでも相当悩みました。「そらジーコも岡ちゃんもザックもハリルもみんなハゲるわ」としみじみ感じましたね。

結局のところ、代表監督という仕事は誰を選んでも批判される立場なんでしょうね。日本のように前線のタレントがダブついている状況で、しかもチームを熟成させる時間のない西野監督からしてみれば、同じポジションなら少しでも実績のある選手・ユーティリティな選手を優先するのは仕方がないとは思います。

先にあげた著書の中で、西野監督は「自分自身としては、どちらかと言えばクラブの監督向きだと思う」としながらも「代表監督は自分の理想に近い選手をキャスティングできるし、みな能力が高いのでこちらの意図を読み取るのも早い」「短い期間でも理想のチーム作りに挑戦できる楽しみがある」と書いていました。その理想がどんなものかわかりませんが、とにかく今は彼の人選になんらかの意図が隠されていることを願うばかりです。

まあ惨敗したら惨敗したで、田嶋会長が辞任してハリルホジッチに謝罪すればいいだけですから。そして日本にはイニエスタがいますから。今後は「日本にはイニエスタがいる」というのを「日本には四季がある」みたいな感じで使っていきましょう。

この著者について

チョウ ウヒョン
スポーツ、映画、ヒップホップ、近現代の日本文学などを好みます。当面の目標は若隠居です。
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