僕と京都とFebbと谷崎(下)書評哲学の道を南端から北端まで歩いたが、特に哲学的な気持ちにはならなかった。Febbの死。谷崎の墓。2018年の2月16日はまだ続いている。 (さらに…)2018年12月27日チョウ ウヒョン0続きを読む
僕と京都とFebbと谷崎(中)書評2018年2月15日、Febbは亡くなった。24歳だった。 Febbの『The Season』は本当に素晴らしいアルバムだった。僕は故D.Lが絶賛している記事を目にしてから買ったはず(2014年の末くらいだった気がする)だから、決して耳が早 ... 2018年12月19日チョウ ウヒョン0続きを読む
僕と京都とFebbと谷崎(上)書評長堀橋駅から阪急電車で京都に向かった。2月だった。バレンタインデーでもあった。大阪・ミナミでの最後の仕事を終えて、僕は無職になろうとしていた。とても気分がよかった。1泊4500円の、京都リッチホテルというホテルを予約していた。価格帯からして ... 2018年12月12日チョウ ウヒョン0続きを読む
全人類が読むべき天才の漫画――黒田硫黄『きょうのカプセル』漫画黒田硫黄という漫画家のなにが、どこが特別なのか、あらためて言葉にするのは難しい。読めばわかる。読んでわからないのなら仕方がない。なにごとにも相性があるし、そもそも僕だってよくわかっていないのかもしれない。権威ある人々の権威ある言葉に誘導され ... 2018年12月6日チョウ ウヒョン0続きを読む
グッド・フィーリング、バッド・エンディング――ホアン・シー『台北暮色』映画2、3年ほど前から、日本の映画ファンの間で台湾ニューシネマがじんわりと流行っている。というよりも、エドワード・ヤンの映画が流行っている。彼の監督作品の素晴らしさについては、いまさら強調するまでもない。リバイバル上映&ソフト化された『牯嶺街少 ... 2018年11月29日チョウ ウヒョン0続きを読む
人間の感情のすべて、もしくは8割、ないしは6割、あるいは――ヤマシタトモコ『違国日記』漫画ヤマシタトモコの『違国日記』について、ある友人が「人間の感情のすべてが詰まっている」と表現した。僕は人間の感情の専門家ではないから、否定も肯定もできなかった。ただ、素晴らしい漫画だという感想は一致した。とりあえず、そのときの我々の気分を検証 ... 2018年11月22日チョウ ウヒョン0続きを読む
書くことについて、まっすぐに描く――オカヤイヅミ『ものするひと』漫画体が大きい。アルバイトの日は毎朝スティックパンを食べて、インスタントコーヒーを飲む。理知的なようで、ちょっと抜けているところもある。性格は(たぶん)おおらか。女性にはあまり免疫がないらしく、「気配の残った家にいるのがいたたまれない」という理 ... 2018年11月15日チョウ ウヒョン0続きを読む
いつか冬目景が『空電ノイズの姫君』の続きを描く日まで漫画『空電ノイズの姫君』(バーズコミックス)が行方不明だ。2018年8月号をもって『月刊バーズ』が休刊した結果、ほとんどの連載作品はWebコミックサイト「デンシバーズ」に移籍した。しかしよりにもよって、僕が愛読していた冬目景の『空電ノイズの姫君 ... 2018年11月7日チョウ ウヒョン0続きを読む
【書評】漢 a.k.a. GAMI、SF作家になる――『北新宿2055』(東京キララ社・ヴァイナル文學選書)書評あの漢さんが小説を書いた。「あの漢さん」と言われても誰だかわからないんだけど、という人はGoogleで「漢 a.k.a. GAMI」と検索してみてください。あなたのスマートフォンやパソコンは、こういった事態に対処するために存在しているのだか ... 2018年10月31日チョウ ウヒョン0続きを読む
【書評】竹宮ゆゆこの話をすると長くなる――『あなたはここで、息ができるの?』書評竹宮ゆゆこの話をすると長くなる。もちろんなるべく手短に、かつ穏便にすませたい。それでもぼちぼち長くなるだろう。僕は竹宮ゆゆこのオタクだから。 あらかじめ結論から言っておくと、僕はこの小説『あなたはここで、息ができるの?』(新潮社)を上手に褒 ... 2018年10月24日チョウ ウヒョン0続きを読む
“かわいらしさ”の奥に宿る思慮深さ――衿沢世衣子『ベランダは難攻不落のラ・フランス』漫画若者はみな悲しいし、衿沢世衣子の描く人物はみなかわいい。いつから、どの程度かわいかったか、という話になるとあまり自信がないけれど、少なくとも『シンプルノットローファー』の女子高の生徒たちは相当かわいい。ギャルもオタクも、痩身のシネフィル・チ ... 2018年10月17日チョウ ウヒョン0続きを読む
凱旋門賞について僕が知っている2、3の事柄スポーツ愛のムダ遣いリニューアルしたロンシャン競馬場で行われた2018年の凱旋門賞は、エネイブルの連覇で幕を閉じた。武豊が騎乗したクリンチャーは、大方の予想通りの惨敗。この結果に、少しだけ安堵した競馬ファンは僕だけではないはずだ。 もちろん、クリンチャーと陣営 ... 2018年10月10日チョウ ウヒョン0続きを読む
【書評】すべてのサッカーファンと、サッカーファンではない人のための小説――津村記久子『ディス・イズ・ザ・デイ』書評津村記久子の『ディス・イズ・ザ・デイ』(朝日新聞出版)の素晴らしさについては、僕なんかが力説するまでもなくすでに方々で話題になっているし、読めばわかるからとにかく読んでほしい、くらいしか言えることはないのだけれど、それでも本当にため息が出る ... 2018年10月3日チョウ ウヒョン0続きを読む
施川ユウキの『銀河の死なない子供たちへ』は僕を三井寿のような心境にさせた漫画施川ユウキの最新作『銀河の死なない子供たちへ』(電撃コミックスNEXT)を読んだ。生き生きとした感情が刻み込まれたキャラクターたちの瞳を見て、自分が陵南戦での三井寿以上に無駄な時間を過ごしてきたことをあらためて痛感した。 『週刊少年チャンピ ... 2018年9月26日チョウ ウヒョン0続きを読む
三年食太郎(松島萌子)さんの大食いメソッドで牛丼をたくさん食べてみた食べるを見る。秋の大食い特集いまさらなんですけど、「秋の大食い特集」と銘打ってただ「大食いスゲー!」と言ってるだけっていうのは、やっぱりちょっと違いますよね。 だって実際にやってみないとわからないことだらけじゃないですか、人生って。大食いもそうだと思うんですよ。だから ... 2018年9月22日チョウ ウヒョン0続きを読む
【映画】『きみの鳥はうたえる』が活写した“かけがえのなさ”について映画OMSBが「Think Good」のヴァースを蹴りはじめた瞬間から佐知子(石橋静河)のダンスが終わるまで、余計なできごとはなにひとつとして起こらない。「僕」(柄本佑)も佐知子も静雄(染谷将太)も、ヒップホップ・アンセムをそのまま具象化したよ ... 2018年9月19日チョウ ウヒョン0続きを読む
ある美食の記録 三年食太郎 a.k.a. 松島萌子さんの大食いチャレンジ観戦記食べるを見る。秋の大食い特集チャレンジ開始からフィニッシュまでの18分24秒。僕たちは目の前の華奢な女性が食事をする姿に、ただただ圧倒されていた。口に食べ物を入れて、咀嚼し、飲み込む。それは当たり前すぎるくらい当たり前の行為だった。それでいて荘厳だった。端的に言って、 ... 2018年9月9日チョウ ウヒョン0続きを読む
【怪キャノ・編集長&チョウ組】が聞いた怪談真打ち『喋ってはいけない防空壕』怪談キャノンボール各組から怪談が出揃ったところでルールに沿ってポイント集計した結果、以下の通りとなった。 原田・チャロス組:+45ポイント 社長・沢野組:+15ポイント 編集長・チョウ組:−17ポイント さて、ここからは各組から出揃った怪談話の中でも、これぞ ... 2018年9月5日チョウ ウヒョン0続きを読む
【怪キャノ・編集長&チョウ組】サマーアンセムとしての怪談キャノンボール怪談キャノンボール怪談キャノンボールの組分けが決まったとき、編集長はいつになく厳かな口ぶりで「海に行きましょう」と言った。やぶさかではない、と僕は思った。ケツメイシも「山、川、よりやっぱ海」と歌っていたし。 ※ルールはこちらを参照 https://itwas ... 2018年8月30日チョウ ウヒョン0続きを読む
『ヒルズ・ハブ・アイズ』を見ても大人にはなれなかったけど、千鳥のノブにはなれた夏のオカルト、怖い話チョウ:もうすぐ30歳になるのですが、いまだに精神性が幼稚で、貯金も全然ありません。僕はどうしたらちゃんとした大人になれるでしょうか? 原田:人間性を変えるためには、強烈な体験をするのが一番手っ取り早い。『ヒルズ・ハブ・アイズ』を見て元気を ... 2018年7月31日チョウ ウヒョン0続きを読む