子どもはみんな「おかあさんといっしょ」が大好き、もうすぐ2歳の我が娘も例外ではありません。
よしひさお兄さんの「ブンバボン!」で踊り狂い、ゆういちろうお兄さんの「ベルが鳴る」で奇声をあげています。テンションが上がり過ぎ、ブロックの角でテレビを叩いたり、長年連れ添ったエルモの人形をゴミ箱に叩き込むのは、もはや我が家ではあるあるです。
そうなるとこちらも怒らないワケにはいきません。でも、せっかくテンションマックスなのに水を差すのはちょっとかわいそう。
ということで、行ってみようではありませんか! 『おかあさんといっしょスペシャルステージ2017』へ!!
娘よ、広い会場で思う存分踊り狂うといい!!
気持ちよく暴れてもらうためにさいたまスーパーアリーナへ
『おかあさんといっしょスペシャルステージ2017』が開催されたのはさいたまスーパーアリーナ。僕個人としては、独身時代に『ももいろクリスマス』というももクロのイベントに行って以来の埼アリです。
横アリに比べて、埼アリすごく言いづらい。
ちなみに僕はもともとアイドルオタクではありますが、コールもしない、踊りもしない、微動だにせずステージをジッと見続けてニヤニヤするといういわゆる“地蔵”。とにかくアイドルの一挙手一投足を見逃したくないという、踊り狂って大声で叫ぶオタクよりも、ある意味で気持ち悪いタイプのオタクです。
でも、今回は娘と一緒。しっかり踊って楽しもうと思います!
サラリーマン、マジでごめんね
そして当日。電車で会場があるさいたま新都心駅に向かう途中、お気に入りの虎のプリントTシャツを着た娘は、「なにやら楽しいところに行く」という雰囲気を察したのか、いつにもましてハシャぎまくっていました。
ベビーカーから脱出しようとしたり、大声で歌らしきものを唄ったりと、めちゃ大変。
途中で「ドキンちゃーん!」と叫びながら、部活に向かう女子高生のカバンからぬいぐるみを毟り取ろうとしたときは、本気で引き返そうかと迷いつつも、会場に近づくにつれて、車内の様子が徐々に変化していきます。小さな子連れのお母さんたちが増えてきたのです。
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ああ、もう『おかあさんといっしょスペシャルステージ2017』は始まっているんだな
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最終的には一つの車両に10台以上のベビーカー、異様な光景です。写真…撮っておけばよかったな。
『おかあさんといっしょ』は超絶キラーコンテンツなので、5、6歳の男の子から1歳にも満たない女の子まで、幅広い層(?)の子どもたちで車内は溢れかえっています。
なので当然、「ふぎゃあああーああ!!!」「お兄ちゃんがブッたぁああ!!!」「行きたくない行きたくない行きたくなーーい!!!」と、車内はバリエーション豊富な奇声が飛び交っています。日曜出勤のサラリーマン男性が眼を閉じて心を殺していた画は一生忘れません。
テンション爆上がりの娘 in さいたまスーパーアリーナ
駅で一緒にチケットを取った友だち夫婦とその1歳の息子クンと合流。お友だちとの久々の対面、それに加えてお祭りのような騒ぎに娘も眼を輝かせています。
普段だと騒いだら物を壊すのでムカツいてしまいますが、今日は騒ぐためにここにきています。壊れるものもない!
ストレスなく、娘が踊り狂う姿を見られるとなると、こちらもテンションがあがってきます(あと、ゲスト出演の横山だいすけレジェンドお兄さんも超楽しみ)。
会場内はそこかしこで子どもたちが騒いでいます。そのおかげもあってか我が娘の「きょええぇえ!!」という奇声もそれほど気になりません。むしろ楽しげでなにより。良い。スゴク良いです、このイベント。
全員で6人、6席だったのですが、友人夫婦の息子は抱っこ、さらに友人旦那は急な仕事が入ってしまい、開始直後に帰ってしまったこともあって席は2つも余ります。そういうわけで娘が踊るスペースとして、3つほど席を確保しました。
娘もテンション爆上がり。席の上に立ち、「アンパンマァアアンン!!」と、勘違いこそしているものの喜んでおります。家でやられると困りものが、今日はどれだけ騒いでもおそらく大丈夫。娘よ、思う存分奇声を発してくれ。4席先で妻も同じようなことを考えているはず。
そしていよいよ開演! 華やかな衣装で登場した歌のゆういちろうお兄さんは、男の僕が見てもかわいい爽やかイケメン! あつこお姉さんは美人だし、体操のよしひさお兄さんと、りさお姉さんは、軽快でしなやかで身体全体のフォルムが超カッコいい!
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お兄さんとお姉さんてそこまで美形じゃないところがいいんだよね〜。なんていうか庶民的って言うかさぁ〜
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とかぬかしてた昨日までの自分にブンバボン! したいほど超美形でした!
コンサートのテーマは、「ようこそ、真夏のパーティーへ」。ということで、バックダンサーのみなさんもさわやかな笑顔を振りまいていて、大人の僕でも思わずニヤけてしまう楽しさです!
“これは娘も喜んでるはずだぜぇ〜!”ふと横を見るとそこには、真っ直ぐ前を向き、眉をしかめ、静観な顔つきで座る娘がいました。
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なるほど。あまりの派手な演出に状況が飲み込めていないんだな
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僕は娘の緊張を解きほぐすべく話しかけてみました。
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娘ちゃん、すごいね! ゆういちろうお兄さんだよ! カッコいいねぇ!
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眼もくれず、そっと肩に置いた僕の手を振り払う娘。その後何度僕が話しかけても、同じでした。心なしか触れた手の体温はすごく低かった。
少ししたら場の雰囲気にも慣れて、いつものように踊り狂うだろう。ひとまず様子を見ることにしました。しかし、どれだけ時間が経っても一向に踊り出す気配はありません。そこで、僕はある諺を思い出しました。
カエルの子はカエル
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こいつ…地蔵だ!!
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なんと娘は地蔵だったのです!
まさに“お父さんと一緒”!
↑これを言うためにこの記事書いた
さらには、僕が手拍子などを叩くと、「ダメよ」とそっと手を添えてくる、他人に地蔵の強要をする最も迷惑なタイプの地蔵だったのです!!
だいすけお兄さん登場!そのとき娘地蔵は・・・
かわいく踊り狂う娘が見たい。笑顔一杯で唄う娘が見たい。そのために僕はここにきました。ですが、いくら「楽しいね! ○○ちゃんも踊ったら?」と話しかけ、手を掴んで振り付けを真似させても、嫌がるばかりで一向に踊り出す気配はない。
仕方ない、人には人の愉しみかたがあるんだ。僕だってアイドルイベントで微動だにせずに固まっていたじゃないか。そう自分に言い聞かせ、僕は娘が踊るのを諦めました。
その瞬間、だいすけレジェンドお兄さんが客席から登場しました。しかも、あの代表キャラクター、“複数のものを見たら、数をかぞえずにはいられない”というかぞえてんぐの格好をしているではありませんか!
かぞえてんぐ「たくさん人がいるな〜。どれ、何人いるか数えてみよう。いち、にぃ、さん、しー…」
かぞえてんぐは、キャラクター通り、無謀にも超満員のさいたまスーパーアリーナの客を一人一人数え出しました。なんて楽しい演出でしょう! お母さんがたの黄色い悲鳴が鳴り止みません。
これはすごい! まさに割れんばかりの歓声だ!
さすがにテンションが上がっているだろうという希望的観測を胸に地蔵娘のほうを振り向いてみると、まるで熟年の坊主のような佇まいで正座をしておられました。
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なんか気持ちわりいなこいつ…
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確かにアンパンマンやミッキーマウスを観ながら正座をしている姿はよく見かけます。娘は集中力が高まると、正座をしてしまうクセを持っているのかもしれません。正座をした娘はツッついても肩を揺らしても完璧にムシ。最後の期待、娘が一番好きな「ブンバボン!」が始まってもそれは変わりませんでした。
公演後、娘の内面でマグマのように沸き上がっていたテンションは、帰りの電車で爆発。1時間以上も騒ぎ続け、たまごボーロや麦茶を車内にぶちまけながら帰路につきました。
そのとき着ていたTシャツがこちら。
ああ、そういえば、地蔵って“タイガー”(ジッと獲物を見つめるような様子から)とも呼ぶんだっけ。