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【書籍】劇団雌猫『浪費図鑑』を読んだ“夢眠ねむに浪費できない女”

“熱狂”できないことに、うっすらコンプレックスがあるんですよね。いや、世間的に見たら自分も充分大騒ぎしているレベルなのかもしれないけど。

劇団雌猫による書籍『浪費図鑑 ―悪友たちのないしょ話―』を読んで、その辺りのコンプレックスを思い出したという話です。

ねむさんによって世界は祝福されている

私はアイドルグループ・でんぱ組.incの夢眠ねむさんを愛している。ねむさんがツイートすれば花が咲き、ねむさんがブログを更新すれば星が瞬く。握手会で名前を呼ばれた日なんかには、天の国は私のものである。

敬虔なユメミストでいるために、約4年間、前下がりの黒髪ボブを貫いた(最近やめたのは、「己を分析し、セルフプロデュースに励め」というねむさんの教えからすると、「ねむさんが好きだから前下がりボブ」というのは安易な発想では? ユメミストとして守破離の“破”のステージに進まねば……と感じたからです)。

しかし、ドルオタ界は上には上が無数に存在する地獄沼。私はガチ恋をこじらせた結果、情緒が不安定になった。

貯金を諦められない自分の弱さ

週末はイベントをハシゴして当たり前、ツアーに遠征はつきものだよね、という人々がゴロゴロいる世界で、私はどうしても貯金がしたかった。「いつかオタ卒するかもしれないし、グループ解散となったときに自分に何も残らないのは怖い」という不安が拭えなかった。

金額だけが指標だとは言いませんが、さすがにジャンルに100万円ぶっこんでいる人に対して、「この人はこのジャンルに興味関心がない」とは言わないでしょう。愛の重さは金額の高さに表れがちなものなのです。票数は愛です。

それでいくと私は、せいぜい月に3、4回のイベント参加。遠征もずっと行かず、このごろ年に1、2回ポロッと行くようになった程度です。CDも5枚程度しか積みません。

それでも充分すごいと人は言います。しかし、先述した通り、ドルオタ界は上には上が無数に存在する地獄沼。私はねむきゅんに何も返せていない……口だけのねむ推しだ……という気持ちが高まり、愛はときに憎しみへと変わる。

自分は人を愛する才能に乏しいのではないか

ねむさんに対して「おのれ、この女……この女め……」という感情が湧きだしたかと思えば、ねむさんのことを考えているうちに愛があふれ出し、通勤中に突然涙してしまう。要するに情緒が不安定。

それでもやはりアイドル以外にも行きたい場所や食べたいもの、着たい服は多く、すべての収入をアイドルに突っ込むことは私にはできなかった。

収入のほぼすべてをアイドルに費やすオタクは何か尊い宗教者のように見えていた。彼らが愛にあふれた素晴らしい人間である一方、すべてを推しのために投げ出せない自分は、人を愛する才能に乏しい人間だというふうに考えていた。

正気の人からするとマジで何を言っているんだという話でしょうが、もともと他人とのコミュニケーションが苦手でトラブルを起こしがちな私にとっては、「自分は何かおかしい」という気持ちがますます刺激されていった。

そうだ、ビッグになろう

感情のアップダウンが急すぎて、これはよくないと判断した結果、多少距離を置こうと、参加するイベントの数をセーブするようになったら多少元気を取り戻しました。

そして私は考えた。愛の表しかたは浪費だけではないんじゃないかと。ねむさんにとって“自慢のオタク”を目指すことも大事なのではないのかと。考えた結果、思いました。

そうだ、ビッグになろう。

著書『まろやかな狂気』などで語られているねむさんの教えを忠実に守り、ライターとして成功し、最終的にねむさんと一緒に仕事できる身分になって、「ねむさんのおかげでここまで来れましたよ!」と伝えたなら、それはねむさんにとって、なかなか嬉しい出来事、誇れるオタクと認定してもらえるのではないか。

ビッグとまではいかずとも

こうやって書き起こしてみると、発想が素朴すぎて我ながら恥ずかしいのですが、とりあえず「ねむさんに褒めてもらえるようなオタクになろう」という気持ちを胸に日々の仕事を頑張っております。

残念ながらねむさんへのインタビューは実現していないのですが(一度実現しかけてポシャり、そのときの私の落胆具合はすさまじかった)、人に言えばそれなりに驚かれるような仕事を担当することも増えて、自分がやりたいことも少しずつやらせてもらえるようになってきました。ビッグとまではいかずとも、まぁ毎年すくすく身長は伸びていますなという状況です。

劇団雌猫による『浪費図鑑』は、アイドルや俳優、ホスト、コスメなど、なにかに熱い愛を注ぐ女性たちが自分たちの浪費ぶりを赤裸々に明かした本です。数十万円、ときには3ケタ万円の出費エピソードがぽんぽん出てくる本を読んで、数年前の私なら、「彼女たちに比べて自分は……」と具合が悪くなっていたでしょうが、今は「金額では負けていても“推し方”という意味では自分もなかなかいい感じですよ」と穏やかにいられるのでした。

今年1月からライブ活動休止状態にあったでんぱ組ですが、年内に久々のライブが開催されることも発表されました。まだ詳細は発表されていませんが、今から楽しみです。

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