初めて見に行った新日本プロレスがとても楽しかったので、このままDDTプロレスリングを捨てて新日ファンになったらどうしよう……と心配だったのですが、8月20日に東京・両国国技館で行われたDDTのビッグマッチ「両国ピーターパン2017~ピーターパン 二十歳になっても ピーターパン~」、めちゃくちゃ楽しかったですね!
DDTは地下アイドルの現場っぽいところが楽しいのだ……と再確認した次第です。私の中で、新日は宝塚、DDTはアイドル現場に近い存在のようです。
新日、素人にもわかるハイレベル
プロレス界でもっとも有名かつ過酷なシングルリーグ戦、新日が送る真夏の祭典「G1 CLIMAX 27」に、せっかくだし行ってみようと思ったわけです。人をもすなるやつだから。
参戦したのは、8月11日に東京・両国国技館で行われた大会。いよいよAブロックからの決勝進出者が決まるということで、会場は満員御礼、大変な熱気。物販エリアも大変混みあって、販売スタッフが手際よく客をさばいています。
当然、試合のレベルもすごかった! 一瞬たりとも見逃せず、素人の目にも一発でわかる“とても高度なことをしている”感。一応なんとなく予習はしていったものの、選手それぞれの立ち位置などを完全には理解していない状態でしたが、それでも純粋な試合内容だけで十分すぎるほど楽しませてもらいました。
とりあえずザック・セイバーJr.が、いろんなところから関節技に持ち込んですごいなぁと思ったのでした。
観客みんなで平田を油断させよう
新日の試合があまりにも楽しかったため、「両国ピーターパン2017」に行く前は、DDTから新日に“推し変”する事態になったらどうしようと怯えていました。考えてみればDDT以外の団体の試合をそれほど見ているわけではないのです。今DDTが好きなのは、単純に「初めて観戦した団体だから」という以上でも以下でもないのかも……。
しかし、「両国ピーターパン2017」に行ってみたら完全な杞憂でした。普通に選手が物販スペースに立ってグッズを自ら売っているし、そこらで路上プロレスが始まるし。この手作りっぽさ、文化祭っぽさよ……。
そして、試合も観客参加型。第2試合の初代KO-D10人タッグ王座決定戦では、まずはスーパー・ササダンゴ・マシンが登場。お得意の“煽りパワポ(試合の見どころ、自身の勝因などをパワポでプレゼンするネタ)”で、敵である平田一喜を油断させて自分たちが勝利するための作戦をプレゼンしました。
ササダンゴいわく、入場時に観客がスタンディングオベーションで迎えたら、平田は大喜びするはず。さらに平田には、彼が怒って地面に足を叩きつけると、周囲の選手が合わせてジャンプするというお決まりのネタがあるのですが、そこで観客も一斉にジャンプしたら、さらに大喜びするはず。その隙に技をかけるというのです。
この作戦への協力を求められた我々観客は、平田が入場してきたら、ニヤニヤしながら座席を立ち上がり、口笛を吹いたり、黄色い声を上げてみたり……。国技館全体が一体感に包まれた瞬間です。
このとき、私は心の底から「やっぱりDDTは楽しい!」と感じたのでした。もちろんDDTにも手に汗握る緊迫した試合はあります。しかし、とにかく笑えるハッピーな試合も、感動的な試合もある。DDTの看板レスラーである男色ディーノは、「DDTは単行本ではなく漫画雑誌たれ」とよく口にしています。上手いこと言うもんだなと思っています。
たまに奇跡を起こす地下アイドルたち
このDDTの“観客も試合に参加していく”ところ、“笑いや感動、熱さといった感情が混然一体としている”ところは、アイドルのライブ、しかも小~中規模の事務所が運営している、いわゆる地下アイドルのライブに近いように感じます。
ドルヲタでもある私ですが、実は大手事務所所属のグループには、いまいち食指が動かない……。いや、ライブに行ったらとても楽しく、さすが歌もダンスも平均値が高いし、なによりみんな可愛いし、MCで大事故を起こしたりしないね!と感心するのですが、今までがつんとハマるには至らず……。
私がいわゆる地下アイドルにばかりハマるのは、“何が起こるのかわからないけれど、たまに奇跡が起こる”カオス感が大きいのでしょう。
それで例えるならば、新日は大手事務所でしっかり育てられたアイドルグループ……。いや、アイドルを飛び越えて宝塚歌劇かもしれない!
“観客”として見る宝塚、“共犯者”となるアイドル現場
以前「同性を応援するという意味では同じだけれど、宝塚とアイドルを見るときの気持ちはそれぞれ違うものなのか?」という質問に答えたことがあります。
私の場合、宝塚を見るときは(宝塚も好きなのです)、とにかく素晴らしい人たちが素晴らしい芸を見せてくださるのを、粛々と鑑賞するというイメージ。一方、アイドルを見る場合は、自分とそれほど遠くない位置にいる人たちが根性で頑張っているのを、こちらも力の限り励ますというイメージです。
アイドルやDDTのレスラーたちが、私ごときと同じ程度に生きていると思っているわけではなく……。月並みな言いかたですが、“同じ人間”と思わせてくれる泥臭さをこちらは感じ取っているわけです。
まぁ、この辺は、新日のレスラーのことをまだよく知らないから言っている部分も大きいでしょうが。少しずつ知っていくうちに、彼らもまた根性で泥臭くやっていることがわかるようになってくるのでしょう。
でもDDTの、観客も一緒になって文化祭を作り上げているような感覚は、ドルヲタにはとても好ましいものだなぁ……!
とりあえず、いつものDDTに加えて新日のチケットも新たに確保しました。私はドルヲタとしてもDD(誰でも大好き)だから!