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ウルトラ不器用だった“元でんぱ組.inc”最上もが……3年前のイベントを振り返る

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約5分

推しではないものの、一番信頼しているメンバーだったかもしれません。

最上もががいる限り、でんぱ組.incというグループは安泰だと思っていました。それは、メンバーの中で彼女が抜群の知名度を誇っていたからではありません。

私がもがちゃんを信頼するようになったきっかけは、あるアイドルイベントでの彼女の“空気読めない発言”でした。

企画趣旨を根底から揺るがすコメント

あれは2014年春に東京・日比谷公園にて行われたイベント「TOKYOアイドルパークin 日比谷」でのことです。同イベントで行われた、アイドルたちが起震車で強い揺れを体験するという珍妙な企画にでんぱ組が出演しました。

揺れに対するメンバーたちのリアクションをヲタクが見守る図。どういうコンセプトの企画なんだと不思議に思いながらも、アイドルたちの素の反応が見られて嬉しい気持ち半分、なんとなくモヤモヤした気持ち半分……。

もがちゃんも同じモヤモヤを感じていたということでしょうか。壇上で「地震をシャレにしてはいけないんじゃないか?」と企画の趣旨に疑問を投げかけました。その場は一瞬変な空気になり、司会か他のメンバーにより「いろんな人の考えるきっかけになれば~」のようなフォローがされた記憶があります。

なにしろ3年以上前のイベントですので、ふわっとした記憶ですが、最上さんが企画を根本から否定するような発言をしたことは覚えています。

福島県出身のえいたそがハイテンションにリアクションしていたのに比べると、もがちゃんはプロ意識が低いと言えるのかもしれません。しかし、私はそのとき「なんて真面目な人なんだ」と、もがちゃんの言葉に感動したのでした。

芸能人向きの性格じゃないかもしれないけど

たとえ空気が読めていない発言であっても、自分の中の違和感をきちんと表明できる人がこの世の中に、とくに芸能界という場所にどれだけいるでしょうか。

このイベントをきっかけに、私は「もがちゃんがいる限り、でんぱ組はファンをないがしろにするような方向に進まないだろう」と思うようになりました。

なんなら2015年夏に行われたFCツアー「いしがキボンヌ」で急きょメンバー全員とのチェキ撮影が決定したのも、もがちゃんが何か言ったんじゃないかと勝手に思っている。「お客さん10万円以上払ってきているんだから、集合チェキくらい撮ってあげようよ!」と提案してくれたんじゃないかと思っている。

……まぁ、これは完全な私の妄想ですが、それくらい最上もがというアイドルを信頼しているわけです。

社会人ならば当然生きていて「ややこしいこと言わずに、ここは黙っておこう」や「他の段取りを考えると、ここは妥協するしかないか」と思う場面もあるわけですが、もがちゃんは発言することを諦めず、常に人の気持ち重視。

芸能人向きの性格じゃないよなとは正直思いつつも、そんなメンバーがグループに所属している安心感は大きかったのでした。

言葉選びが下手だったもがちゃん

また、もがちゃん関係でもうひとつ感動したのが、昨年の生誕イベント「もが単ぺ! 2016」のことです。

もがちゃんは確かに言葉選びの下手な人ではあったわけです。「W.W.D II」で歌ったとおり、本人にそのつもりはないのに妙にトゲのある聞こえかたになっているときがある。

発言の内容だけが独り歩きしてさまざまな憶測を呼んだり、批判されることは少なくありませんでした。誠実だからこそ本人が付け加えた「今のところは」といった注釈が、逆に「いつかは〇〇ってこと?」と不安をあおってしまうようなことは何度もありました。

これも勝手な妄想ですが、2015年4月より単独トークイベント「もが単」を定期開催するようになったのは、もがちゃん自身の“とっさの言葉選びを鍛えたい”という思いがあったのではないでしょうか。

2015年3月に行われた「もが単ぺ! 2015」では、まだ発言に危なっかしい部分がありました。しかし、1年後、「もが単ぺ! 2016」では、そのような発言が激減していて「これが『もが単』を1年間続けた結果か!」と感動したのを覚えています。

だんだん私ともがちゃんの思い出話のようになってきましたが……。

そんなもがちゃんがグループを脱退することが8月6日、突如発表されました。卒業イベントの予定もなく、あまりに急な発表。本人は「どうしても心と身体のバランスが取れなくなった」と説明しています。

メンバーの脱退・加入を繰り返してきたでんぱ組

兆しはあったわけです。

でんぱ組は、今年1月の東京・日本武道館公演をもってライブ活動が休止状態に。とくに理由は説明されませんでしたが、ファンは漠然と、もがちゃんが関わっているのだろうと感じていました。

最上もが脱退の発表を見たとき、最初に思ったのは、「あー夢眠さんが前日にインスタグラムで『どうしようもない気持ち』とか落ち込んだことを言っていたのは、こういうことだったのかー」ということで、その後は脱退の情報が処理しきれず、とりあえず翌日ライブTシャツを着て出社して、あとは抜け殻のように暮らしている。

愛☆まどんなのイラストの中で、もがちゃんはメンバーたちと笑っている。

「もがちゃんの不調がライブ活動休止に関わっている」というファンの憶測が正しいのなら、もがちゃんが正式に脱退したことで、でんぱ組のライブが再び開催される日は近づいたのかもしれません。

それに最上もが、藤咲彩音加入からの6人体制が長かったというだけで、もともとでんぱ組はメンバーの加入・脱退を繰り返してきたグループです。今後また新メンバーが加入して、その子はもがちゃんに負けず劣らず魅力的な子かもしれない。

ただ新体制でのライブがいくら楽しくても、「W.W.D」と「W.W.D II」はもう聞けないんだろうな。Wikipediaの「でんぱ組.inc」のページでは、最上もががすでに「元メンバー」に修正されていた。悲しい。

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