友人から「上手く使えば無限にタダ飯が食べられる」とLINEでURLを送られたとき、まず思わったのは、「こいつLINEを乗っ取られたのか……?」ということでした。違った。ごめん。
友人にオススメされた「UberEATS(ウーバーイーツ)」とは、16年9月に東京上陸したばかりの、フードのデリバリーサービスのこと。アプリを通じて、気に入ったレストランから料理を注文すると、平均30分ほどで配達されます。
100を超えるレストランの中から選べる、タップで簡単に注文できる(普通のネット注文では、初めての店を使うとなると、だいたい操作・登録が死ぬほど面倒くさい)など、「UberEATS」にはいろんな長所があります。しかし、筆者が気になったのは、「宅配するのは“普通の人”」ということでした。
さまざまな服装・交通手段の配達スタッフ
「UberEATS」で料理を配達してくれるのは、そのお店のスタッフではありません。「UberEATS」の配達パートナーに登録した人が、まずAの店から山田さんに配達、次にBの店から佐藤さんに配達……のような形で配達業務をおこなっているようです。
そのため、配達スタッフに服装規定や、挨拶の仕方などの細かいマニュアルはないそう。交通手段も自家用車、バイク、スクーターとさまざまです。
「UberEATS」は、配達スタッフ業務を「空いている時間を活用して、収入をゲット」できる気軽なバイトとしてアピールしています。しかし、公式サイトの「今すぐ登録」という文言の気軽さに、ユーザー側としてはむしろ不安になってしまう部分も……。もし変な人が自宅まで配達しにきたら嫌だなぁ。
いきなり家に呼ぶ勇気はなかったので、とりあえず会社から注文してみました。どんなもんじゃい、「UberEATS」!
疎ましいメルマガもなし?
会社のある新宿は、幸い「UberEATS」の提供エリアの範囲。昨秋始まったばかりのサービスなので、まだ都内の一部しかカバーできていませんが、提供エリアは拡大中だそうです。
ピザ屋のネット注文と比べて、こんなに楽でいいの? というくらい注文までは簡単。いや、私がピザ屋のサイトに会員登録しないのが悪いんですけど……。
「UberEATS」は1回登録すれば、いろんなお店が選べるようになるし、メールマガジンのようなものも現時点で筆者の元にはほとんど届いていません。6月18日に登録して、29日に1通だけ「参入店舗が増えた」とのニュースが届きました。
屋外での受け取りも可能
さて、注文完了したので、後は商品が到着するのを待つのみ。
なかなか楽しいのは、配達状況を確認できるところ。マップ上でこちらに配達員が近づいてくるのを確認できます。
配達員の名前と顔写真が表示されるので、「これから、この人が来るのか……!」となんだか楽しい。バイクの駐車場所に困っているのか、しばらく会社の近くでウロウロしているのを見て、「頑張れ!」とハラハラしてみたり。
そして、ついに会社のドアがノックされたぞ!
やって来たのは、黒っぽいポロシャツとズボン姿の30代くらいの男性。確かに普段着ではありますが、いかにも普段着! というほどではありません。てっきりタンクトップにサンダルみたいな人が来るのかと。
あまり立ち話はしたくなさそうな感じだったので質問するのは断念。どうも「UberEATS」配達員は時給制ではなく、配達1件につき〇〇円という給与体系をとっているらしく、早く次の配達に行きたかったのでしょう。
もちろん商品は「お待たせしました」と丁寧に受け渡ししてくれましたよ!
「一体どんな人が来るのだろう? 住所を知られるのは……」という不安も少なからずありましたが、思いのほか普通のデリバリーサービスと変わらず。なんだか身構えすぎてしまったのかもなぁと拍子抜けです。
考えてみれば、店の配達スタッフか、サービス全体の配達スタッフかなんて大した違いじゃないかも……。
今はまだおっかなびっくりの注文ですが、そのうち慣れて普通に自宅受け取りで「UberEATS」を使いそう。商品は屋外での受け取りも可能らしいので、とりあえず今度は自宅付近でそちらを試してみたいなぁ。
紹介システムが太っ腹!
そういえば、友人からの「上手く使えば無限にタダ飯が食べられる」というLINEの詳細を説明していませんでした。実は「UberEATS」、紹介システムがめちゃくちゃ太っ腹なんです。
誰かの紹介でアプリに登録した時点で、まず2000円分のクーポンが発行されます。さらに今度は自分が誰かに「UberEATS」を紹介し、相手が初めて注文すれば、加えて1500円分のクーポンが発行されます。友人はすでに6000円分のタダ飯を食べているとか……。
普段デリバリーを実施していないオシャレ店も
「UberEATS」の参入店舗のラインアップとしては、「マクドナルド」や「大戸屋」、「ファーストキッチン」などの大手飲食チェーンのほかに「このお店知っているけど、宅配なんてやっていたっけ?」というのも見られます。
店側で配達スタッフを用意しなくていいから、普段デリバリーをおこなっていないお店も参入しているようです。
中には、東京・表参道の「ワールド・ブレックファスト・オールデイ」など、雑誌で引っ張りだこのお店も! メニューも、数千円のワインやポップコーン、クレープとさまざま。クリームたっぷりのパンケーキなんて、一体どんなふうに配達されてくるんだ。
「配達スタッフを店側が用意する」という負担が消えるだけで、デリバリーの形はこんなにも変わるんだなぁと感心します。そりゃ浜崎あゆみもハマるわけだよ。
自宅やオフィスでの食事を豊かに
なんとなく今まで“出前”となると、「外食や自炊ができないくらい忙しいとき」や「大人数の食事が用意できないとき」といった「ピンチを解決するために使うもの」というイメージがありました。
しかし、「UberEATS」はなんだか「自宅やオフィスでの食事をオシャレで豊かにしたいとき使うもの」という目的があるように感じます。
となると、配送手数料が380円かかるのも受け入れられます。「ササッと食べたい」という目的重視の食事で「UberEATS」を利用する場合は、手数料が高いと感じるかもしれません。
ですが、雑誌に載っているようなオシャレなお店のオシャレな料理を家でゆったり味わいたいということなら、テーブルチャージ程度の金額ということで気持ちよく払えそうです。
なんだか「UberEATS」の使い方がわかってきたかも! とりあえずホームパーティにはうってつけみたい。そういうわけで私は友人を家に招き、互いに紹介クーポンを送り合うことで、大層豪華な「UberEATS」パーティーが開催できないかと計画しております。
「UberEATS」によって、家飲みの概念がちょっと変わるぞ!