世間の関心を集めている謎の暗殺拳「北斗神拳」の継承者をめぐり、肉親の間で骨肉の争いが起きている可能性があると、一部週刊誌が報じている。
14日発売の「週刊瞬春」は「ドロ沼! 名門武道一家が後継者問題で骨肉の争い」と題した特集記事を掲載。各地で頻発している謎の大量死事件に関与しているとして指名手配中の仮面男を北斗神拳の使い手だと紹介した上で、正統な継承者ではない可能性があると指摘した。
古武術研究家の中秋無月氏は「通常、拳法家は仮面を被ったりはしません。たしかに組手などで面やヘッドギアを着ける流派はあります。しかしそれはルール上、禁止されている顔面への誤った打撃から守るためのもので、あくまでも補助です。本革やポリカーボネートなど、軽くて丈夫な素材で作られたものが一般的で、鉄製の仮面を被るというのは聞いたことありません。鉄製では重く、動きにくくなるというデメリットがありますし、何よりも反則です。真っ当な拳法の流派で正式な武具として用いられるとは考えられません。試合前から反則で減点になります」と、仮面男が正統な継承者でない理由について語っている。
また、中秋氏によれば、北斗神拳とは秘伝や奥義を1人にだけ伝えるという“一子相伝”方式のため、仮面男が正統な継承者でなければ、別の継承者がいるはずだという。
臨床心理士のペペロン千野氏は、仮面男が「北斗神拳伝承者のケンシロウ」だと名乗る“なりすまし”の疑いを掛けられていることに言及し、このケンシロウなる人物が継承者である可能性が高いのではないかと指摘。
「なりすまし行為の根幹には変身願望があります。自分以外の何者かになりたい。誰かの持つ名前や経歴、地位、名声、財産、そういったものを手に入れたいという欲求が強まり、なりすますわけです。人は理由もなくなりすましをしません。仮面の男はケンシロウなる人物の持つ何らかのものを欲しかったのだと思われます。あるいは、自分という人間が嫌になってしまったのかもしれません。思春期によく見られるケースですが、もちろん成人にもあり得ます。ストレスが原因である場合が多いですが、最近ではコスプレやハロウィンなど、公の場で仮装を楽しめるイベントも多く、昔に比べてそうしたストレスを解消しやすくなったと言えます」と分析している。