いとわズ

ホラー映画好きが選ぶ“人生で一番怖かったホラー映画”は?〜マニアたちの座談会①〜

199 views
約7分

ホラー映画好きはホラー映画を見ては、いちいち怖がっている。確かに数を見ているぶん、「これはよくあるパターンだな」と先が読めてしまうこともある。しかし、それでも怖い作品はたくさんあるし、怖い作品に遭遇したときは、しっかり夜は眠れなくなる。

では、そんなホラー映画好きたちが選ぶ一番怖い作品とは? 筆者も含めたホラー好き6人が集まり、ただただ楽しく語り合った。盛り上がった。


[box class=”box28″ title=”ホラー好き6人”]
海老さん(♂)→ギャグ系ホラー、スプラッタ映画が好き。そもそもB級映画が好き。

Taroさん(♂)→「何かしら衝撃を受けたい」という意識で映画を求めた結果、ホラーに触れる機会が多くなった。

ALEXさん(♂)→ホラー全般好き。「頭の悪い映画」が好きなので、ヒーローやアクションもよく見るそう。

キタムラさん(♂)→黒沢清信者。殺人鬼モノが好きで、暴力映画ばかり見る。

ミウラさん(♀)→ホラー映画に限らず、怪談や心霊などオカルト全般が好き。アメコミ実写映画も大好き。
[/box]

6人が選ぶ!それぞれの“一番怖かったホラー映画”

――今日はホラー映画好きの皆さんが人生で一番怖かった映画というテーマでお話していきたいと思います。

海老:僕は子どもの頃見た『リング』ですね。貞子がテレビからぬるっと出てくるラストシーンは今でも怖くて見られません

Taro:子どもの頃に見た『四谷怪談』以上に怖いものに出会ったことがありません。1人の人間が虐げられるところをじっくり描写していて、つらくて、怖くて、直視できない部分もありました。ただ、『四谷怪談』っていくつも映画化されているじゃないですか。自分が見たのがどれか思い出せなかったんで、ツタヤでいろいろ借りてみたんですが、自分の記憶にあるものは見つからなかったんですよ。お腹に鎌が刺さったお岩さんが池の中から出てくるシーンがすごく怖かったんですけど……

――Taroさんしか知らない『四谷怪談』だったら逆に怖いですね。

キタムラ:僕は『悪魔のいけにえ』ですね。なんだかわからないけど、不吉な空気が作品全体に漂っている。見た目は人間だけど話がまったく通じないっていうのも、平山夢明(『或るろくでなしの死』などホラー小説で知られる作家)の作品に通じる怖さがありますし

ALEX:お話を伺っていると、子どもの頃にうっかり見てしまったとか、自分が無防備な状態で出会っちゃった作品が一番に挙がりやすいんですかね。僕が小さい頃って、怪獣図鑑みたいな本にホラー映画のモンスターもいっぱい載っていたんですよ。エイリアンとか。だから、なんとなく前情報を知ってしまっていたんです。あと田舎暮らしの自分にとって、映画館は車で行く非日常の場だったから、そこで語られる物語は、自分と遠いものに感じていました。でも中学1年生の夏休みに見た、大林宣彦監督の『HOUSE』は怖かったなぁ……。それまで見てきた映画と全然違って、コミカルなノリの中で気持ち悪い描写をするんですよ。しばらくトラウマになりました

――個人的には、そういう「なんか雰囲気が気持ち悪い」って感じの作品が一番苦手です……。流血描写は平気なんですけどね。ミウラさんはいかがですか?

ミウラ:痛い描写は苦手です。だから精神的に怖がらせてほしい。たとえばゾンビ映画で、人間たちの間でいざこざが起こって殺し合いに発展してしまうとか。人間怖い系が好きですね。そういう意味では、『ジョニーは戦場へ行った』とか『エレファント・マン』のほうが下手なホラー映画よりよっぽど怖い。だから私はホラー映画というジャンルには、純粋な“怖さ”だけを求めているわけじゃないんです。だって、ジグソウもレザーフェイスもちょっとおバカなところもあって可愛いじゃないですか!

“事故”的に出会った作品が一番怖い?

――自分の場合、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』が一番怖いんですよ。とくに何が起こるわけでもないんですけど、ひたすら重苦しい嫌な空気が漂っているので、見ていてキュッとなる……。

Taro:本物っぽく見せかけようとする盛り上げ方がすごかったですよね。『これはたまたま発見された、いわくつきのテープです』っていう

キタムラ:あのときはインターネットもまだそこまでだったから、神秘性が守られていましたよね

ALEX:ただ自分は、ちょっと怖がれなかった外的要因がありまして……。『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』公開前、大鶴義丹さんが出演する特別番組が放送されたんですけど、映画の舞台を訪ねていろいろ調査して、最後に大鶴義丹さんも謎の失踪を遂げるみたいなオチだったんですよ。当時はフェイクドキュメンタリーに対するリテラシーも高くなかったし、『いや、大鶴義丹いなくなってないでしょ!』ってなっちゃった(笑)

――なぜ大鶴義丹だったんだろう。
ALEX:古めのタイトルがいろいろ挙がりましたが、最近見た映画が一番怖かったっていう話をあまり聞いたことがないですよね

Taro:難しいですよね。大体小さい頃に事故的に出会ったものが一番怖いんですよ

ALEX:うっかり『震える舌』を見ちゃったとかね(笑)。昔はテレビでホラー映画が放送されていましたもんね

キタムラ:小学生の頃、夕方家に帰ってテレビをつけたら、たまたま『IT』がやってて、すごく怖かったんですよ。でも去年、映画館でリメイク版を見たら全然怖くなくて、『あれっ?』となっちゃった

Taro:やっぱり原体験的なところが大きいんですね。小さい頃は、役者とかもよくわからないから純粋に怖がれますし

ミウラ:あと“怖いもの”の描写って当時の世界の在り方を反映していますよね。共産主義への恐れが『遊星からの物体X』を生んだし、放射能への恐れが『ゴジラ』を生んだ

――なるほど、リアルタイムで見るからこそ生々しく感じられる恐怖というのもありますね。話は少しズレますが、ホラーは流行に敏感なジャンルなので、『2ちゃんねるの呪い』とか『ツイッターの呪い』とかインターネット周辺の流行り物もすぐにホラー化される(笑)。

Taro:そのうち『Tik Tokの呪い』も出そう(笑)

後編に続く!

座談会①で話題に出た映画はこちら

コメント

*
*
* (公開されません)

Share / Subscribe
Facebook Likes
Tweets
Hatena Bookmarks
Pinterest
Pocket
Evernote
Feedly
Send to LINE