ついこの間までは『どうぶつの森 ポケットキャンプ』(以下、『ポケ森』)で、素敵なキャンプ場を作って、かわいい動物たちに遊びに来てもらうことが生きがいでした。しかし、私は変わってしまった。もう私にとって動物とは、“積み上げるもの”でしかありません。
最近は、『どうぶつタワーバトル』のことばかり考えています。
アップルはシロクマ的な安定感ありそうだよね
動物をつみたい、動物をつみたい。原田氏がそんな気持ちをかかえながら、『ポケ森』を開いてみると、キャンプ場には雪がふっていました。もう、すっかり冬のようです。「クリスマスのだんろ」を置けば、動物たちも少しはあたたかいかしら。原田氏はそう考えつつも、だんろを作るための材料をあつめることが、正直なところめんどうくさくも感じるのでした。
原田氏が最近ひたすら動物をつみあげていることなんてちっとも知らず、キャンプ場の動物たちはたのしげな笑顔をうかべています。しかし、ああ、なんということでしょう。原田氏は、「アップルはつんだとき、しっかり地面に立ちそうだ」とおそろしいことを考えていたのです。
なんという心なしの悪魔でしょう。もはや原田氏にとって、動物とはつみあげるものでしかないのです。
あれだけ大好きだったブーケも、キャラメルも、エレフィン(妙にエロいゾウ)も、もう高い塔をつくるための部品にしか見えません。自分の心のみにくさに、思わずアッとさけびそうになり、原田氏はキャンプ場をあわてて去ったのでした。
ペーターはツノがポイントだよね
まずは、キャンプ場の送電線を切断することが要である。詰襟の学生服、軍用ゲートルに地下足袋、そして頭に締めた鉢巻の左右に結わえた懐中電灯。細い眼をぎらぎらと光らせながら、原田は翌日、己のキャンプ場を再訪した。
朗らかに挨拶してきたブーケに言葉を返すことなく、ただ彼女の柔らかな頭をむんずと掴み2ネコ、アップルを0ハム、驚いて駆け寄ってきたアポロをすかさず2ワシ、土台を築いたところでレイニー4カエル。怯えて立ちすくむリリアンを4ウサギ。重みで全体がやや右に傾くも、レイニーの足とリリアンの耳ががっちり組み合わさっていることに溜息! ちょうど5動物である。
休む暇もなくペーター3シカ。巧みにツノをひっかければ、全体は“タワー”と呼ぶにふさわしい美しい三角形の様相を帯びてくる。キャラメル3イヌ、リッキー2リス、ボルト5ペンギン。そして、上空から落ちてきたるは……巨象、エレフィン。
積み上がってきたところにエレフィンが落ちてきたら嫌だよね
果たしてこれは、天罰か。しかし、上手く0ゾウで落とせたならば、タワーの先端はちょうどゾウの足の間にはまるのではないか? そんな一縷の望みも虚しく、ゾウの着地と共にゆっくりと右に崩れていく、かつて愛した動物たちの塔。
南無三!
実際弱いのにはこりた、今度は強い強いどうぶつタワーバトラーに生まれてこよう、実際僕も不幸な人生だった、今度は幸福に生まれてこよう。
もはや夜明けも近づいた、死にましょう。
※最近は『どうぶつタワーバトル』の熾烈な闘いに疲れたときは、『ポケ森』を開いて癒されています。平和な世界。