過激派組織「KING」の本拠地とされる都市「サザンクロス」から亡命してきたという男性が、23日放送の情報番組「ミヤタ屋」のインタビューに応じ、現地の内情などを明かした。
男性はプライバシー保護のため顔を隠して出演。自身は「ハート」と呼ばれていた幹部メンバーの派閥に属していたと身元を明かした上で、数日前に同都市から脱出してきたと語った。男性いわく、数日前に「ハート」を含む幹部クラスのメンバーらが立て続けに死亡するジケンがあり、その騒動の隙をみて逃げ出したと明かした。
MCの宮田アナからの「なぜ逃げ出したのか?」との問い掛けに対し、男性は「ずっと逃げたいと思っていた。組織内ではパワハラが日常的で、暴力やイジメも横行していた。特にハート氏は凶暴かつ陰湿。死に追いやられた同僚も少なくない。このままここにいたら自分もいつか死ぬと思った」と語った。また、組織ではモヒカン頭や頭部への入れ墨を強要する行為もあったという。
数日前に起きたというジケンについては「持ち場が違ったので直接見たわけではない」と断った上で、「同僚の話では、外部から侵入した何者かがメンバーを次々に殺害したらしい。20代くらいの男性で、素手だったと言っていた」と語った。
宮田アナから「たった1人の、しかも素手の男性に複数のメンバーが殺されるようなことは、常識的に考えられるのか?」と聞かれると、「常識的には考えにくい。なぜなら、組織のメンバーはそれなりに訓練を積んでおり、持っている武器もかなり殺傷能力が高いものばかり。少なくとも私が入団してからこれまでにこういうことはなかった」と答えた。
宮田アナから「組織内でその男性に対し、報復をしようという動きはなかったのか?」と聞かれると、男性は「それはないと思う。現場を見た同僚は、とても怖かったと言っていた。普段はとても強気な男だったが、今までに見たことがないくらいすごく怯えていたし、精神的にかなり参っているようだった。ほかにもこの機会に逃げ出したメンバーがたくさんいた。残った連中がどうしているのかは知らないが、少なくとも報復を考えるようなことはないと思う。基本的に皆、時間外労働には積極的ではないし、幹部が死亡して組織の運営状況が不明では、報酬が正しく支払われるかどうか。また、殺された幹部について良く思っていないメンバーは少なくなかった。ハート氏に関しては陰で嫌っているメンバー同士が愚痴をこぼすこともあったし、恨まれていた。(殺されたのは)自業自得の面もあったのではないか」と語った。
また、同氏は自身が所属していた過激派組織について「何らかの信条や信念を持って活動している者もいたとは思う。しかし多くの同僚はウマい儲け話にのせられて集まっていただけ。初めのうちは報酬もかなりあってそれなりに裕福な暮らしができていたけど、実際にはかなりブラックで、大半は幹部に搾取されていたと思う。割り当てられる住居の環境も劣悪。あと、ほかのメンバーを勧誘して連れてくるノルマがかなり厳しかったし、達成できないとひどい罰を受けた」と内情を説明。
「自分も実態を知らずに参加したとはいえ、非社会的な組織で活動していたことには責任を感じる。ご迷惑をお掛けしてしまった方々には申し訳ないという思いでいっぱい」と、最後は声をつまらせた。