世の中がミレニアムだなんだと騒ぎもてはやしていた西暦2000年前後、僕はとあるモノにどハマりしていた。
それはFlashだ。
当時の僕はまだ学生。過去の行動を振り返ってみると、右も左もわからないところからインターネットの世界に足を踏み入れ、「キーワード検索」という言葉すらいまいち理解していなかったのに、よくそんなところまでたどり着けたものだと思ってしまった。
とにかくぶっとんでいたFlash動画
Flash動画(アニメーション)というものを知り、それに魅了されるまでにさほど時間は必要なかったように記憶している。
とにかくFlash動画はいろいろとぶっとんでいたのだ。支離滅裂、空耳、棒人間、etc…
当時のインターネットはアンダーグラウンド色がまだまだ強かった時代、今であれば即刻削除対象となるであろう著作権を侵害する形の作品も少なくない。
というより、僕が目にしてきた範囲では著作権を侵害していないFlash動画のほうが少なかったかもしれない。当時の僕は法律のことなどまったく理解できていなかったし、する気もなかった。
よくわからんけどこのぶっとびかた、面白いからどんどん見たい。
その思いだけでFlash動画を日々あさり続けた。すごい時代だったと思う。
先日ふと、なんの前触れもなくFlash動画のことを思い出した。虫の知らせというやつか? 思い出したからには記憶の中にあるFlash動画をもう1度見たい!
この機を逃すと次思い出せるとも限らない。そんな焦燥感に近いものを抱いた僕は、10年近い時を経て再びFlash動画というヤツを探しあさってみることにした。
できれば当時のままのFlashで見れるのであれば、きっとそれが最も楽しめる手段だが、なかにはすでにオリジナルは消滅し、YouTubeやニコニコ動画に語り継がれるようにあがっているものもある。これも時代か…などと呟きながら、個人的に特に思い出深いものを淡々と紹介していきたい。
できるだけFlashでと考えこそしたものの、モバイルファーストな今の時代にFlashは最適解ではないことを悟り、YouTube、ニコニコ動画より紹介です。
Flash ピアノの先生(※リンクは佐藤水HPトップページ)ほか、ペリーの肉声など
Flash RaRasaito
何も知らなかった僕に強烈なインパクトを与えたFlash作品は数多くあるが、その中でも特に記憶に残っているのは上にリンクした3つのFlash動画だった。
もちろんこれらのほかにもたくさんある。たとえば「宇宙刑事シリーズ」のFlashといったら? とたずねるとピンとくる人は少なくないはず。「中村屋」(元ネタはグループ魂の大江戸コール&レスポンス)なんかもそうだ。
10数年前とは事情が違うこともあって、内容的にアレなので自力で検索をお願いするしかないが、気になる人は探して見てみると良いだろう。
Flashをきっかけにアーティストの存在を知るなんてこともあった。BUMP OF CHICKENのラフメーカー、天体観測という曲はその代表といっても良いのではないだろうか。
「もすかう」なんて何度繰り返し再生したことか。このほか、1度耳にしたらなかなか忘れられない「ヘーコキましたね」、「巫女みこナース」、「ハゲの歌」、当時社会問題にもなった「恋のマイアヒ」などなど。
あの頃の歌は耳障りが良かったんだなあと懐かしむあたり、月日が経つことのなんと早いことかと驚愕するのだ。
あの時代にFlashを知らずに過ごした人も、Flash黄金期以降に生まれた人も、気になったら「おもしろFlash」で検索してみると良い。動画を見ればきっとほっこりした気持ちになれるはずだ。