「このハゲー!」の豊田真由子議員や、松居一代騒動、さらには上西小百合議員の炎上騒ぎと、なんとも不毛な話題ばかりで心がささくれだつこんなときは、美輪明宏の説法を聞いて心の平安を取り戻すとしましょうかねぇ。
まあ、今誰よりも美輪さんを必要としていたのは、この方なのかもしれませんが……。
「ずっとオファーを出していて、ようやく(出演が)叶ったというステキな方がお見えになっています」
20日放送のNHK「ごごナマ」で船越がそう呼び込んだゲストが美輪さん。なぜ今このタイミングでの出演となったのか事情はわかりませんが、「困ったことがあったら美輪さんに聞いてみたいと思っていらっしゃる人は沢山いると思う。僕も色んなお話をしていだいて、ずいぶん勇気をいただいた」と安堵するような表情を浮かべる船越のすがるような心境を察すると……美輪さんや番組スタッフの心遣いに泣けてきそうです。
しかし今回は船越の件は脇に置いて、美輪さんが語った、人生の道標となる珠玉の言葉の数々を紹介しましょう。
多くの人が様々な問題を抱える現代ですが、美輪さんは問題を解決するためには“悩むより考えろ”と言います。
「悩みっていうのは感情的になって、ため息ついて一杯飲んで……問題は解決していませんわね。ツケが増えるだけでしょ? バカバカしい。だから悩むというよりも、すべての感情を全部チャラにして、ロボットのように理性だけにして、解決する方法を静かに考える、そのほうが問題は解決しやすい。常に冷静沈着、感情を理性でコントロールできる人間に近づくように、日々努力していかなきゃいけないんですよね」
また、これまでにも数多くの人生相談に応えてきた美輪さんですが、番組でも視聴者から相談が寄せられていました。「人間関係が長続きしない」という悩みに、
「何事も人生は腹六分から腹七分、多くて腹八分ですね。人付き合いも腹六分から腹七分。そのためにどうしたらいいかっていうと、『水くさいじゃないの』って言って腹一杯付き合って相手の茶の間に入り込んで、心の中にまで土足で入り込んで、どこの引き出しに薬が入ってるって全部知ってるような、それが親しいっていうと大間違いで、ケンカになりますよ。国境を越えるわけですから戦争になりますね。規律を守る方法は言葉遣いですね。終戦後まではちゃんとした家庭では夫婦でも友だちでも敬語使ってましたよ。『お前』って言葉は言いませんからね。そうすると自分も人間として尊敬されてるっていう意識が芽生えるから、いい距離が保たれるんですね」
波乱万丈の人生を送ってきた美輪さんだからこその含蓄ある人生論ですが、最後にこんな茶目っ気たっぷりの発言もご紹介しておきましょうか。
今やトレードマークの黄色の髪。色を変えるつもりはないそうですが、そもそも黄色にした理由は?
「2〜30年前に大病いたしましてね、髪の毛が真っ白になった。それからいろんな色にしたんですけど、黄色が一番合うようだし、風水からいっても黄色が最高に良い色なんですね。税金も高いですし、お金も欲しいから、お金が貯まるというふうな色だと聞いたんでね、卑しいのが動機です(笑)」――。