殺人や誘拐などの犯罪行為を行っていた「GOLAN」と呼ばれる組織が一夜にして壊滅していたことがわかった。現場に残された複数の遺体の状況から、当局は一連の大量殺害ジケンの重要参考人として行方を追っている旅行者の男が関与した可能性が高いと見て捜査を進めている。
ジケンがあったのは同組織が本拠地としている都市「ゴッドランド」。近辺ではこれまでにも女性が拉致・誘拐されるジケンがひんぱんに起きていた。ゴッドランドから北へ10キロほどの場所にある街で飲食店を営む男性は「ゴランはよくこの街に女性を探しに来ていた。目的は人身売買ではなく、自分たちの子孫を残すためだと言っていた。その割にはさらっていく女性の中には年端もいかない少女もいたので、性的にも倒錯していたと思う。見るからに異常な集団で、自分たちを『神から選ばれた人間』だと信じているようだった。自分たちの街をゴッドランドと呼んでしまうセンスからしても、ちょっと関わり合いになりたくないタイプ。よほど女性にモテなかったんだと思う」などと証言しているという。
また、同組織の最高幹部で「大佐」と呼ばれていた男を取材したことがある軍事ジャーナリストの三郎丸次郎氏は「彼はかなりの軍事マニア。普段から軍服を着て、目には眼帯をしていた。その格好にはかなりこだわりを持っているらしかった。また、自分がレッドベレーという特殊部隊に所属した高潔な軍人だったという妄想を信じ切っており、インタビュー中には『国家』や『忠誠』『民族統一』などの言葉をひんぱんに使っていた。しかもその『国家』の政府高官が自らの利益確保のためにミサイルを発射して国家を滅ぼしてしまったといい、自分は鍛えていたために生き残ったなどとも語っていた。ジョークだと思って愛想笑いしたが、目がかなりヤバかった。ドラッグなどを使っていたのかもしれない」と語った。