早くも第3回を迎えたチャロスのドラマレビュー。実はイラストも描かせてもらっているのですが、ドラマの雰囲気によってペンの勢いがすごい変わるんです。感情が先行してしまうんですね。過去のも含め、僕のレビューをみたらすぐにわかるんじゃないかなあ…。
【ドラマ全部見る】7月2週目後半、3週目ドラマレビュー
火曜日:健康で文化的な最低限度の生活/義母と娘のブルース
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- 『健康で文化的な最低限度の生活』 第1回 (カンテレ/フジテレビ系・21:00〜)
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マンガ誌『週刊ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で連載中の柏木ハルコによる同名マンガが原作。新人公務員の義経えみる(吉岡里帆)が、何らかの事情で生活に困り、生活保護受給者たちの人生に向き合いながら成長していく姿を描いています。
生活保護が題材なので暗い雰囲気のドラマにならないかなあと思っていましたが、ひたむきに頑張るえみるの姿、彼女を取り巻く個性的な面々など、明るい雰囲気を作り出す工夫が随所に見られました。特に、えみるの指導係・半田明伸(井浦新)のキャラ。結構変なリアクションもしているんですよね。真面目で仕事ができるけどどこか抜けているところがある。そんな半田の存在がドラマ全体の雰囲気をポップにしています。ただ、メガネを光らせる演出をやりすぎ(笑)。
また、吉岡が醸し出す“新人感”も良かったです。えみるは公務員としてはおろか大人としての経験も足りない。だからこそ彼女があたふたしながら頑張る姿を見ると親近感が湧くし、素直に彼女の成長を応援したくなる。吉岡の演技じゃなかったらこうは思わなかったかも。吉岡は新人感を出すのが上手ですね。
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- 『義母と娘のブルース』 第2回(TBS系・22:00〜)
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第2回では、宮本家に引っ越してきた岩木亜希子(綾瀬はるか)と、良一(竹野内豊)・宮本みゆき(横溝菜帆)の3人での生活がスタート。今回も亜希子の変人キャラが炸裂していました。
特に印象的だったのはみゆきの嫌いなニンジンを食べさせるシーン。「あっそれ見てみたい! 見てみたい! ニンジン食べるの見てみたい!」と無表情でコールする亜希子の姿に笑いが止まらなかった人もいれば、恐怖を覚えた人もいたのではないでしょうか。僕がみゆきの立場だったら速攻で泣いてるもん…。放送終了後、ネット上では「子どもにする行動じゃないw」「うちでもやろっかな」「イッキコールwwwwひでえwww」といった声があがっていました。一歩間違えれば“ハラスメント”と捉えられてクレームが殺到するんじゃないかと思わせるイッキコール。作品組み込んだ勇気に感服です…!
水曜日:高嶺の花
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- 『高嶺の花』 第2回 (日本テレビ系・22:00~)
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同ドラマは華道の名門「月島流」本家に生まれ、美貌やキャリア、財力などすべてを持ち合わせた月島もも(石原さとみ)と、平凡な自転車店主・風間直人(峯田和伸)の格差恋愛を描いたラブストーリー。今回はもものキャバ嬢姿が特に印象的でしたが、そのほかにもワンピース姿、浴衣姿まで見られたので終始癒されました。ごちそうさまですー!
ただ、ドラマの内容としてはまだちょっと方向性が見えないかなという印象。自転車に乗って旅立った中学生の居場所を直人が把握している点や、宇都宮(千葉雄大)が突然倒れたシーンなど…。「今のはなんで?」って立ち止まってしまうことが多かった。きっと、話が進むにつれてすべての要素がつながってくるんでしょうけど、今の段階ではちょっとモヤモヤしてしまいました。
あと、直人の良さをもっと見てみたいなという気にもなりました。第1話でももに素敵な言葉を送っていただけに、毎週ももをキュンとさせるような言葉や振る舞いが見たい…。石原さとみのPVとしてドラマを楽しむのも良いと思いますが、個人的にはももと直人の恋愛物語として視聴者の心を揺さぶってくれることを期待しています。“爽やかな恋愛モノ”とは毛色が違うと思いますが、このドラマにしか描けない物語が絶対あるはず。
木曜日:ハゲタカ/グッド・ドクター/探偵が早すぎる
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- 『ハゲタカ』 第1回 (テレビ朝日系・21:00~)
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企業買収のスペシャリスト・鷲津政彦(綾野剛)が、“ハゲタカ”とバッシングを受けながらも日本の名門企業を次々と買収し、再生させていく物語。原作は累計240万部を突破した真山仁氏の傑作小説で、2007年には大森南朋主演でドラマ化されています。
第1話の舞台は1997年。日本の金融業界はバブル崩壊後、末期的な危機に陥っており、大手銀行のひとつである三葉銀行は、金融機関などが保有する不良債権や不動産を投資会社に一括でまとめ売りする“バルクセール”を実施。しかし、取引先である外資系投資ファンド「ホライズンジャパン・パートナーズ」の代表・鷲津に衝撃の評価額を提示されてしまい…。
なんといっても綾野の演技に気迫が感じられました。その場を凍り付かせるような眼力も印象的ですが、特に注目すべきなのは話し方。綾野ってこんなに低くてドスの利いた声を出すことができたんですね。
今回はドラマオリジナルストーリーとして、現代を舞台にしたエピソードも展開されるとのこと。現代では鷲津がどんな人間になっているのか、どんな風貌をしているのか期待が高まります。もっと眼力がすごくなっているのだろうか…。
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- 『グッド・ドクター』 第2回 (フジテレビ系・22:00~)
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妊娠中の女子高生・唯菜がある日学校で破水し緊急出産。生まれた赤ん坊は体出生体重児で腸のほとんどが壊死しており、手術をしようにも術中死のリスクが高い状態で…。
非常に深い話でした。赤ちゃんが元気になったとしても、お母さん自身の年齢や環境のせいで「お母さんになる準備」ができず、育てることができない。残酷なことですが誰も責めることなんてできないし、何より生まれてくる赤ちゃんに罪はありません。だからこそ命と向き合うことから逃げちゃいけない。たとえどこかで選択を間違えてしまったとしても、命の重みを忘れてはいけないのです。
今回は、すべてがハッピーエンドという終わり方ではありませんでした。ただ、唯菜に非情ともいえる条件を提示した母親の気持ちも、小さい身体で赤ちゃんと最後まで向き合い続けた唯菜の気持ちも痛いほど理解できるぶん非常に心が痛くなったし、現実味を感じさせる回だったことは確か。命を扱うテーマなだけに、制作側の並々ならぬ気持ちが入り込んでいたと思います。ぜひ、第1話を見逃した人も見てほしい。
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- 『探偵が早すぎる』 第1回 (読売テレビ/日本テレビ系・23:59~)
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第51回メフィスト賞を受賞した井上真偽の同名小説が原作。事件が起こる前に未然に防ぎ、犯人を返り討ちにする“トリック返し”をモットーとしている極めて稀な探偵・千曲川光役を滝藤賢一、他界した父親の遺産5兆円を突如相続することになり、その莫大な遺産を奪おうとする一族から命を狙われることになった女子大生の十川一華役を広瀬アリスが演じます。
ドラマ自体はミステリー要素よりコメディ要素が強いです。深夜にゲラゲラ笑って、さぁ明日も頑張るか! って気になれるんじゃないでしょうか。なにより、広瀬がかなりぶっ飛んでいる。清楚でおしとやかなイメージがあると思いますが、めちゃめちゃでかい声で「いってぇーーーーーーー!!」とか言っちゃいます(笑)。
また、「千曲川が何かと早い」という描写がプッシュされていました。事件の真相を見抜いて防ぐスピードはもちろん、待ち合わせ場所にくるスピード、皿洗いのスピードも早かった。でも、そのことが影を潜めてしまうくらい広瀬のキャラがやばかった。彼女の新たな魅力が見られるので、このドラマを機にファンがどっと増えるんじゃないでしょうか!