各地で頻発している謎の大量死事件の重要参考人とされる男の行方を追っていた当局は24日、過激派組織「KING」の本拠地「サザンクロスタウン」内への立ち入り捜査を行ったと発表。一部映像を公開した。
男が同都市に向かったとの目撃情報から、当局は捜査を進めていた。ドローンにより上空から都市内部の状況を調査していたが、内乱が勃発し、その後多くのメンバーが逃走する姿が目撃されたとした。当局は都市内の警備体制が手薄になったと見て、23日未明に立ち入り捜査を開始。メンバーと見られる複数の変死体を発見したほか、残った複数の武装メンバーの身柄を確保したと明かした。
また、都市内には非武装の一般人もいたという。一般男性の1人は「身体に焼印を押され『家畜』と呼ばれていた。巨大な石臼のようなものをひたすら回すように命ぜられるなど、労働を強制されていた。雇用契約はなく、給与もなかった。石臼のようなものの用途はわからない」などと語っているという。
また、露出の多い服を着用するよう強要されていたと証言する女性もいたとし、当局は奴隷制や性的強要が常態化していた可能性もあるとみて、慎重に捜査を進めている。
さらに当局は、建造物など都市内部の様子を撮影した映像を公開。一級建築士で大学教授の妹歯氏は、「映像だけで断言はできないが、ビルはいずれもかなり老朽化しており、一部が崩落したり、傾いている建物も散見される。築年数はかなり経過していると見ていいと思う。違法建築と思われる建物も数多く見られる。これらが耐震強度などの基準を満たしているかは、はなはだ疑問だ。また、建ぺい率も違反している可能性が高い。かなり密集して建てられており、日照や通風の問題で居住者間にトラブルなどもあったのではないか。もちろん火災や地震など災害時には非常に危険。こうした環境面から見ても、いずれの建造物も不動産価値は低いでしょう」などと話した。
なお、当局は都市内のビル群が建築基準法を満たしていたか、専門機関に調査を依頼する意向だとしている。