届きそうで届かない、このムズ痒さ。
6月10日、サードプラネット横浜で開催された初心者から中級者が集う大会「HADO BEGINNER’S CUP #3」に参加してきた。
今回は2on2形式での初めての大会ということもあり、参加枠いっぱいの12チームによって優勝が争われることとなった。
クセの強いキワモノ揃い。こりゃ荒れそうだ
今大会はすでに馴染み顔となりつつあるマックスファクター、ぱみゅぱみゅぱみゅファクター(マックスファクター)、みにっとーる(華より酒!)、レゼネンス(脳内金の亡者)に加え、2-3回体験してきたという本当の意味でビギナーなチームがほどよく入り混じった大会となった。
※( )内は3on3時の所属チーム
ビギナーから中級者まで、とにかくクセの強そうなヤツらばかりだ…。
2ブロックで構成された予選ラウンドでは第1ブロック初戦、いきなり我らチーム「いとわズ」の一戦が会場をどよめかせてしまった。
女性2人組ユニット「TANOSHI-US」との一戦で9-7といきなり黒星発進となった。
初戦終了後、肩を落とす沢野。するとそこに第2ブロック「あひる組」リッキー氏からこんな一言が。
ー沢野さん、弾出てなくなかったですか?
初戦、沢野はチャージに3を振っており、弾数は23。それに対して僕はチャージ2で弾数33。数字で見てみると少ない気がしないでもない。
確かに試合中、弾が出ないと感じていたという沢野はその一言でデバイストラブルを主張。運営側の判断としてはオーバーアクションの可能性を指摘され結果は覆ることはなかった。
続く第2ブロック、「あひる組」対「WHP」の一戦。終了後、結果としては11-5で「あひる組」が勝利するも
–やっぱり弾が出ない気がする
という一言。
沢野:何発くらいだったの?
–42発っす
沢野:出てるやないかーい!
これが真実、これがHADOだ。
そんなやりとりからふと視線をそらす。その先には、すでにBEGINNER’S CUP#1優勝、そしてすでにSUMMER CUP 2018本戦出場を決めている「ヒュブリス」所属のアンディ氏の姿が…。
今回も「ヒュブリスが関係する〜(略)」と弾出ない気がする問題とヒュブリスの関連性を疑う様子を見せていた。
優勝候補の一角「VREX games」との激戦
すでに1敗してしまった以上、決勝リーグに進出するためにはもはや負けることが許されない状況となってしまった「いとわズ」が次に戦うチームは「VREX games」。噂によると、初出場ながら今大会の優勝候補筆頭と目されているチームだ。
実際、彼らの初戦は14-2と圧倒的大差で勝利している。だが、臆するわけにはいかないのだ。一戦ですべてを把握することは難しいが、前衛せーめー氏は自由にさせると勢いづく選手、後衛ゆうり氏は落ち着いた状況判断のできる選手であることはわかった。
つまり、勝つためにはせーめー氏を勢いづかせてはいけない。そして、すでに得ていた情報としてシールド使いも巧みなゆうり氏のシールドは早めの破壊を心がける。この2点を作戦として試合に臨んだ。
作戦は功を奏し、中盤までリードを保って有利な試合運びができていたものの終盤に逆転されてしまい、粘り及ばず10-8でまたもや黒星を喫してしまった。
混戦2位通過争い!3勝2敗の得失点差ドラマ
スタートから2連敗となった「いとわズ」。決勝トーナメントに進出するためには、もはや全勝かつ得失点差という混戦に持ち込むしか道は残されていない。
顔で笑って心で泣いた「AWH」戦
我々はこの日ほど自分たちがおっさんであることを呪ったことはなかっただろう。3戦目となる「AWH」戦はほぼ未経験の女子2人。そのプリティさに思わず口元が緩む。おっさん2人組は大会MCエン氏にそのことを指摘されるも
沢野:どうやったってデレデレしてしまうから、隠さずニヤニヤすることにした
と苦しい言い訳をした。普段、試合前に握手を交わすことがほとんどだが、この試合だけは握手をしてはいけない気がしていたのか、2人とも前に出ようとする右手を左手が必死に抑えていた。
しかし、いざ勝負が始まってしまえば情けは無用だ。心で涙を流しながら17-5というスコアで白星を手にした。
黄色じゃないほうのマックスファクター
生粋のHADOプレイヤーたちにマックスファクターのイメージカラーを問うたらおそらく、誰もが黄色と答えるだろう。それほどいえもんの存在感はすごい。
嫌がらせのように呼びにくい名前の「ぱみゅぱみゅぱみゅファクター」はマックスファクターからいえもん要素とかみさん要素を抜いた、しょーご氏となかジ氏の2名で構成されたチームだ。
ビギナーズカップ#1、#2では決勝トーナメントで幾度となく我々の前に立ちはだかった相手。いわば黄色の壁。負けられない。特にしょーご氏はシールドに3を割り振るほどの堅守家だ。もちろんシールド対策を念頭にしたチャージ多めの作戦で勝負に挑む。
試合が開始するとやはり固く、3はありそうなシールドを展開するしょーご氏。固いシールドに苦慮しながらも作戦を遂行した結果、6-4で2連勝。勢いそのまま3連勝と、予選ブロックを3勝2敗で終えた僕らが決勝トーナメントに進出できる条件は、「VREX games」が大差をつけての全勝かつ「ぱみゅぱみゅぱみゅファクター」、「TANOSHI-US」が3勝2敗で並び、得失点差で2位になることだ。
僕らが決勝トーナメントに行けるかどうか、その結果は「ぱみゅぱみゅぱみゅファクター」と「TANOSHI-US」戦が終わってようやく決まる。これほど長く緊張感の続く時間を過ごしたことは、おそらく大学受験の試験日から合格発表日ほどの期間くらいなものだろうというほど長い時間に感じた。
第2ブロックも激戦!3勝2敗の混戦ドラマ!
さて、我々の勝敗の前に、第2ブロックも気の抜けない混戦が繰り広げられていた。「あひる組」、「レゼネンス」が若さと飲み込みの速さを武器に経験で優る「マックスファクター」、「みにっとーる」に襲いかかる。
4勝1敗と混戦を1歩リードする形で1位通過した「レゼネンス」の後を、OVERTIME MATCHを制して怒涛の3連勝を飾った「あひる組」、2度に渡ってOVERTIME MACTHを展開した「みにっとーる」、しぶとさNo.1の「マックスファクター」が追いかける。
第1ブロックと同様3勝2敗が3チーム並んだ結果、得失点差で「マックスファクター」が2位通過で決勝トーナメントへ駒を進めた。うーん、本当にしぶとい!
シールド使いしょーご氏、スタイルを捨てる
さて、「ぱみゅぱみゅぱみゅファクター」と「TANOSHI-US」戦の結果次第で2位通過チームが決まる第1ブロック。「いとわズ」はシールド固めが大好きなしょーご氏、堅守家としてシールド固めの試合運びをやってくれることだろうと期待していた。
ここで当時の状況をおさらいしておくと、「ぱみゅぱみゅぱみゅファクター」が勝利かつ、得失点差が7点以内であれば直接対決で勝利している「いとわズ」が、8点差以上であれば「ぱみゅぱみゅぱみゅファクター」が第1ブロック2位となる大事な局面。
試合がスタートし、モニターに表示された「3331」というステータスに「いとわズ」は愕然とする。
沢野:(う…裏切られた!)
いや、決して裏切られてはいないのだ。これは我々がシールドを3、もしくは2にしてくれると勝手に期待していた結果…! ただの妄想…!
彼らも得失点差で8点以上の差をつけなければ敗退してしまう身なのだ。試合は18-3というスコアで「ぱみゅぱみゅぱみゅファクター」が勝利し、3勝2敗と3チームが並んだ。得失点差で8点差以上となってしまった結果、我々は予選ラウンドで姿を消すこととなった。またしても黄色の壁(別チームだけど)に行く手を阻まれてしまった。
決勝トーナメントを制したのは「VREX games」
さて、決勝トーナメントを制したのは、準決勝、決勝ともに終始リードを許さない試合運びを展開した「VREX games」。噂通りの実力を発揮し、全勝で優勝を手にした。
インタビューにて「賞金欲しいです」と若さ全開の模範解答を披露した「レゼネンス」が「ぱみゅぱみゅぱみゅファクター」に競い勝ち、2位を獲得。
チーム内対決となった3位決定戦では黄色いほうの「マックスファクター」が3セット目までもつれ込む接戦を制して入賞した。
若きチームに戦々恐々となったBEGINNER’S CUP#3
今大会、「あひる組」や「レゼネンス」といった若さ溢れるチームの活躍が非常に目立った。また、磨けば光るであろうチームが多数登場してきたことは、HADO界隈にとって喜ばしいことであると同時に既存チームにとっては戦々恐々。
我々も届きそうで届かないあと一歩に次こそ届かせるために、まだまだ精進に励むのです。