2015年のデビュー以来精力的に活動を続けてきたTWICEも、早いもので2022年にデビュー7周年を迎えます。韓国の芸能事務所が契約を見直す“7年目”は、K-POPファンにとって“悪魔の数字”なのではないでしょうか? “魔の7年ジンクス”という言葉まであるほど、デビュー7年目のタイミングでメンバーの脱退や解散が多い韓国芸能界。TWICEも例外ではなく、事務所との契約更新のタイミングがジリジリと迫っています。
じつは私も「あのメンバーは契約更新しないかもな……」と考えてしまうときがあります。もしもそれが現実になったら、と考えると怖くてたまりません。そこで、ざわつく心を落ち着けるため、過去のTWICEを見て現実逃避することにしました。推しの思い出にひたるなら、原点について語りたい。そんな思いから、TWICEを生み出したオーディション番組「SIXTEEN」でのメンバーの活躍を振り返ります。今回は、世話焼きな“TWICEのオンマ(お母さん)”ジョンヨンについて語り尽くします。
何を隠そうジョンヨンは、「SIXTEEN」開始時と終了時で印象が1番変わったメンバーです。物事をハッキリと伝える彼女のことを、最初は「良くも悪くも我が強いタイプかな?」と思っていました。でも、ミッションが進む中で、仲間を思って涙を流したり、ライバルに優しく接したりする姿を見て、その印象が間違っていたことを痛感しました。そして、ボーイッシュな見た目に反して、繊細で優しい彼女のことが大好きになったんです。
「SIXTEEN」でのジョンヨンの名シーンといえば、第3ミッション“お前出てこい”のパフォーマンスでしょう。同ミッションで彼女は、レディー・ガガの『Applause』にのせて独特の振り付けを披露しました。目を見開いて同楽曲を歌う姿からは、大物感が漂っていました。怖いくらいの気迫が感じられたこのパフォーマンスは、今でもふと思い出すほど印象に残っています。
けれど、私の激推しステージは、第4ミッション“チームパフォーマンス公演”です。同ミッションで彼女は、チームを組んでステージに立つも、マイナーBチームに敗北。最下位を回避するために披露したのが、イ・ヒョリの「U-Go-Girl」でした。ここでジョンヨンは、原曲で男性ラッパーが歌うラップパートを担当しました。
前奏で彼女がラップを歌い始めた途端、ハートを鷲掴みにされました。技術は低いものの、彼女のパワフルな歌声はラップパートにぴったりとハマっていました。始まる前にチームメイトのナヨンが「完成度が低いんです」と本音を吐露していましたが、そんな不安を感じさせないほど完成度が高かった。表情管理も完璧で、何度でも見たくなるステージでした。
余談ですが、TWICEのラップ担当といえばチェヨンとダヒョンですよね。でも、ジョンヨンの歌声が大好きな私は、密かに「またジョンヨンのラップが聞きたい」と願っていました。そんな願いが届いたのか、11月12日に発売された3rdフルアルバム『Formula of Love: O+T=<3』の収録曲「1,3,2」で、ついにジョンヨンがラップを担当! 当たり前ですが、「SIXTEEN」の頃からずっと進化したラップが聞けて大満足です。イントロで最推しのミナの高音が聞けるし、パート割りした神に足向けて寝られません。
最後のミッションでは、キュートな楽曲「Do It Again」に挑戦。正直、これまで力強い曲やダンスを披露することが多かったので、「この曲、ジョンヨンにハマるのか?」と失礼なことを考えていました。でも、ジョンヨンは同楽曲でも完璧な表情管理と感情表現で、クールビューティーのイメージをぶち破りました。ミッション終了後、審査員で音楽プロデューサーのJ.Y.Parkも「本当に良かった」と声をかけていました。これ以上ない褒め言葉ではないでしょうか。私も同感。ジョンヨンの魅力が発揮された、本当に良いステージだった。
グループ結成時、J.Y.Parkは「潜在的な魅力である独特の雰囲気を感じていた」とジョンヨンを選んだ理由を語っていました。「SIXTEEN」を見返して、クールビューティーなジョンヨンは、グループ全体を引き締める存在だとあらためて感じました。2度の活動休止を乗り越え、TWICEに戻ってきてくれた彼女には尊敬と感謝の気持ちでいっぱいです。
12月25日と26日に開催されたワールドツアーのソウル公演には、健康上の理由により不参加となってしまいましたが、焦らずゆっくり休んで、また元気な笑顔を見せてくれることを心から祈っています。