26歳女、2017年1月からプロレスを見始めました。
まだ何もよくわかっていないところから、よちよちと学んでいく記録です。
とりあえずオタクの女は騙されたと思って、この動画の10分からを見てほしい。
会話に出てくる「ドロップキック」とは、DDTプロレスリングが経営する居酒屋のことで、右端に座る彰人が現在店長を務めています。
<2017年6月6日 DDTプロレスリング記者会見>
今回は、オタクの女はプロレスを見てくれという話です。
ワルさを演出するネクラ
先の動画は何かというと、DDTによるトーナメント「KING OF DDT 2017」準決勝戦で闘う遠藤哲哉と彰人の会見の動画でした(6月25日に東京・後楽園ホールで試合が行われて、遠藤が勝利)。
このプロレス観戦記初回で告白した通り、私は中高6年間を『銀魂』の二次創作に費やした女です。そんな自分がこの動画を見たとき、こんな同人誌みたいなやり取りが実写で行われている!? と衝撃を受けたものです。
彰人に終始翻弄されていた遠藤は、昨年7月にヒールユニット・ダムネーションに加入。ユニットを率いる“カリスマ”佐々木大輔に影響されて、ワルい自分を演出しようとしていますが、もともとはペットの亀を妹がうっかり逃がしたことが許せず家族と絶縁したというネクラ人間です。
かつて生姜焼きを振る舞った後輩と…
そんな暗い彼が、後輩である竹下幸之介のデビュー戦の朝、「朝ごはんできたよ。食べる?」と竹下を起こし、生姜焼きを振る舞うという素朴な優しさを発揮したエピソードは、大変心温まるものでしょう。かつてはタッグパートナーだった遠藤と竹下ですが、現在はライバル関係にあり、今年4月には60分フルタイムドローの壮絶な試合を見せました。
……オタクの女にとって、プロレスという沼のお湯加減はちょうどいい。初めて浸かっても、「あったけ~」とニッコリできます。
理解されなかった『おそ松さん』人気
要するにオタクの女というのは、関係性を食べる生き物です。人間が2人以上いることで発生する何らかの感情にあれこれ言うのが楽しい生き物です。
だからインターネットでよく「腐女子が絶対に食いつかない漫画は何だ?」みたいなテーマが議論されていますが、『刃牙』のようなクセのある絵柄の作品よりも、登場人物が1人だけの作品の方が“腐女子が絶対に食いつかない”可能性は遥かに高いと思います。
しかし、関係性萌えってピンとこない人には本当にピンとこない楽しみ方なのかしら。
アニメ『おそ松さん』が大ヒットしたとき、2ちゃんねるなどでは、「なんでイケメンが出てこない作品に腐女子が大騒ぎしているんだ?」と首をひねる男性オタクが多く見受けられました。そして、「声優が豪華だから」と結論づけられていた。人気声優を集めたのに爆死した無数の作品に謝れ。
どうも同じ漫画・アニメ好きでも、人間同士の関係性にときめく感情がわからない人は結構多いみたいです。しかし、このオタク女の“関係性萌え”、プロレス好きなら100%理解できる感情なのでは……!?
イケメンマッチョが好きっていうか
プロレスの面白いところは、強い選手同士をぶつけたからといって、名試合が生まれるわけではないところでしょう。むしろ正直そこまで強くないレスラーでも、相手との関係性次第で、観客みんなの心を動かす試合を生むことはままあります。
テレビなんかで「プ女子はイケメンマッチョにキュンとしている」と扱われがちですが、実際はレスラー同士の関係性に魅力を感じている人が多いのではないでしょうか。
「プ女子はレスラー同士の関係性にときめいている」と報じてもいいんじゃないかとは思いますが、やっぱり関係性萌えってわからない人にはわからない楽しみ方だし、テレビ的には扱いづらいのかなー。
というわけで、「プ女子が話題になっているけれど、私は別にマッチョに興味ないし……」と思っているオタクの女がいたら、騙されたと思ってプロレスを見てほしい。もしあなたが数時間かけて、自分で勝手に考えたキャラクター同士の相関図を作るのが好きなタイプのオタクなら、プロレスは絶対楽しい。
ギャグセンスが同人誌っぽいDDT
私が他団体をよく知らないという部分は大きいですが、DDTのギャグセンスはオールキャラギャグ同人誌っぽいので、2次元から流れてきたオタクの女にも馴染みやすいのではないかと思います。
私が過去に「これ同人誌じゃん!」と思ったシーン上位は、amazonプライムビデオで独占配信されているDDTによる街ぶらバラエティ「ぶらり路上プロレス」第7回。箱根で湯けむり旅を楽しむレスラーたちの前に、浴衣姿で流しそうめんを楽しむダムネーションが唐突に現れるところです。こんなん温泉ギャグ同人誌でよく見るやつじゃん!
「じゃあハグならいいんですね!」
また、ダムネーションのメンバーである“進撃の大巨人”石川修司は、ヒールユニットに所属しているにもかかわらず真面目な人柄であるため、優等生的なマイクアピールをおこなってはリーダーの佐々木に蹴られています。
そんな石川が今年5月、全日本プロレスの象徴ともいえる「三冠ヘビー級王座」の第56代王者に輝きました。同月開催されたDDT後楽園大会で、やはり石川は試合後、観客に向けて丁寧な感謝の言葉を述べたのですが、佐々木は「俺は三冠王者を蹴るほど無礼じゃない」と普段なら絶対蹴るところを我慢。すると、石川は「じゃあハグならいいんですね!」と佐々木を抱きしめたのでした。
……なんだかダムネの話ばかりになりましたが、私がダムネ推しなのだから仕方ない。男子校的なワチャワチャ感が魅力のダムネのモットーは、ずばり「群れない、媚びない、結婚しない」。「群れない」と言っているわりに、こいつら仲良いな……というのがツッコミどころです。きゅん……。