横浜ファンは何も言われなくても「嬉しいなあでも14.5ゲーム差あったのに申し訳ないなあでもルールだからなあ」と喜びながら肩身狭い思いをしているのに、わざわざ「ペナントの価値が下がる」とか言われると反論したくなるよ。
今回、レギュラーシーズンでぶっちぎり1位だった広島が、日本シリーズ出場をかけたトーナメントで敗退しちゃったからみんなざわざわしてるけど、もともと「独走」なんてのはリーグ優勝の客観的指標にはなっておらず、リーグ自体がゲーム差を評価対象にしていない。1ゲーム差だろうが5ゲーム差だろうが10ゲーム差だろうが「同じ1位」だとリーグが決めてるんだから、気持ちはわかるけどゲーム差うんぬんの議論は的外れな気がするんですよ。
そもそも、激しいデッドヒートの末に僅差で優勝を勝ち取ったチームと、2位以下に大差をつけて比較的余裕をもって優勝したチームを比べても、後者のほうが格上とはいえないと思うんだけどなあ。なんで後者を優遇しようって話が出るのか。
プレーオフトーナメントは、下克上が起こり得るのが前提。つか、その可能性こそが存在意義であり、下克上が起こり得ないならやる意味がない。他方で、消化試合が少なくなり今年のように最後の最後までレギュラーシーズンが楽しめるというメリットがある。プレーオフがなかったら、今までは1位があまりに独走すると「ペナントがつまらなくなった」なんて理不尽な叩かれ方をされてたけど、それもなくなったし。
だいたい、順位によるアドバンテージを導入してからの9年間で、1位チームがそのまま勝ち上がったのが8回。2位チームが勝ち上がったのが1回という、2位・3位チームにしてみたら「まあまあ無理ゲーだけど可能性ゼロではない」という絶妙な制度だと思うんだけど。そういう制度を導入している以上、導入10年目に奇跡的な下克上が起こったからといって、「そんな制度自体変えるべし!」ってならなくてもいいんじゃないでしょうか。