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メンバー唯一の格闘技経験者・ヒナノ、「自分は必要なのか」と悩んでいた【アップアップガールズ(プロレス)連続インタビュー③】

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約7分

「歌って、踊って、闘える」最強のアイドルを目指す異色のグループ、アップアップガールズ(プロレス)のパープル担当・ヒナノは、柔道とサンボの経験者。格闘技経験のある唯一のメンバーということで注目されてきたが、意外にもシングルマッチが組まれるのはグループで一番遅かった。一時は「自分は必要なのだろうか」とまで悩んだヒナノが、今目指す先は–。

父親の柔道熱がすごすぎる!

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サンボの経験があるとは珍しいですね。始めに柔道をやって、そこからサンボも始めたんですか?

実はサンボが先なんですよ。幼稚園のとき、お父さんにちびっこサンボスクールの見学に誘われて行ってみたら、なんとなく楽しそうに見えたので、「私もやる!」って言っちゃって、そこからすべてが始まりました(笑)。

小学校低学年から柔道をメインにやるようになったんですが、サンボとあわせて格闘技歴は9年くらいですかね

すごい、よっぽど格闘技が楽しかったんですね

いえ、柔道もサンボも大嫌いでした(笑)。アイドルに憧れていたんで、筋肉つけたくなくて……。

なのにずっと続けていたんですか!?

辞めたいって伝えても、父親が「辞める理由は何? 一度始めたからには、ちゃんとやりきれ」って言ってくるんです。そう聞かれてしまうと、確かにはっきりと辞める理由はないっちゃない……。だから理由なく続けて、理由なく辞めもしなかった感じですね。

学校から帰ったら公園に行って筋トレして、それから自転車で片道10kmこいで柔道の練習に行って、日付が変わった頃に家に帰る生活を高校入学まで毎日続けていました

失礼ですが、父親は何者なんでしょうか……?

昔は自分も柔道やっていたらしくて、今は柔道の指導者をしています

漫画みたいな父娘関係だ……。アイドルに憧れるようになったきっかけはなんでしょうか?

モーニング娘。さんが大好きな親戚の影響で、物心つく前からハロー!プロジェクトが好きでした。顔が可愛くてスタイルが良くて、歌もダンスも上手くて……って、あくまで「自分にはないものを持っているから憧れる」っていう感じだったんですけど、小学5年生のときに原宿を歩いていたら、たまたまスカウトされたんです。

それで、「私でもなれるんじゃん!」と思っちゃって(笑)。それからオーディションを受けるようになったんですけど、なかなか合格できないので現実って厳しいなって思っていました。

アプガプロレスを受ける前、アップアップガールズ(2)のオーディションも受けて落選しているんですよね。そんなタイミングだったら、アプガプロレスの募集を見つけたときは、「これだ!」と思ったんじゃないですか?

ただプロレスを全然知らなかったんで、親に一度相談したんです。そしたら、お父さんも「俺もプロレスラーにはなりたかった。やるだけやってみな」と応援してくれました

さすが話が早い! そんな父親だったら、ヒナノさんがプロレスラーになって大喜びなんじゃないですか?

毎日、「やっぱり柔道やって良かっただろ?」って言ってきます(笑)

シングルマッチは不安で孤独

格闘技経験があるだけに、「自分はいけるんじゃないか」という自信はあったんでしょうか?

正直そう思っていました(笑)。でも柔道とプロレスって全然違うんですよ。技は共通する部分があっても、受け身のやり方も違うし、そもそも柔道だとリングみたいに下が跳ねない……。だから、リングデビューもめっちゃ緊張しました……!

柔道は低いところで試合するけど、リングは高い。それに柔道だと決勝じゃない限り、ひとつの会場で6つくらいの試合を並行してやるので、たくさんの人たちが自分の試合だけをじっと見ているという経験は初めてでした

今年6月27日に開催された新宿FACE大会での坂崎ユカ選手との試合が、ヒナノさんにとって初めてのシングルマッチでした。今年1月4日にアプガプロレスがリングデビューしてから、シングルマッチが組まれるのはメンバーの中で一番遅かったですね

こんなことを言ったら失礼ですけど、ずっと第1試合に出場していたのが悩みでした。「私って本当に必要なのかな」って……。もっと技数を増やして、できることが増えればいいのかなって考えていました。でも実際シングルをやってみると、めちゃくちゃ不安! 楽しみなのと不安とで、毎日あまり眠れませんでした(笑)。

あとシングルの孤独さを知りました。タッグだと試合後に先輩がアドバイスをくれるんですけど、1人だと基本的に自分1人で反省しないといけません。

8月25日の東京・後楽園ホール大会では、デビュー試合と同じミウ&ヒナノ対ヒカリ&ラクのタッグ試合が組まれて、ヒナノさんはヒカリさんに負けてしまいました

試合後はしばらく放心状態でした。試合後の会見でも頭真っ白になってしゃべれなくて、ずっと悔しくて……。でも次の日は普通にアイドルとして顔を合わせるじゃないですか。悔しい気持ちはあるのに、またいつも通りの日常が始まっていく。アイドルとプロレスの活動を一緒にやっていくって、こういうことなんだと感じました

試合前のミニステージもですが、試合直後、勝ったメンバーと負けたメンバーで一緒に歌って踊るのもどんな気持ちなんだろうと不思議に感じています

メンバー同士でも「不思議だね」って言い合っています。試合直後のステージだと、「ヤバい。今上手く笑えていたかな」って瞬間があるんですよ

同じ「アッパーキック!」でも、試合の結果によってメンバーたちの表情が少し違ってくるかもしれない。そう聞くと、またステージをじっくり見たくなります

そう言っていただけると嬉しいです!

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次に挑戦する技は“拝み渡り”?

ヒナノさんのSNSを見ていると、多趣味で驚かされます。一体どれだけの趣味があるんですか?

確かに趣味はめっちゃあります。ジャッキー・チェンさまと『プリキュア』シリーズが大好きです。あとはウイッシュミーメル(サンリオのキャラクター)も好きだし、乙女ゲームも好きだし、アニソンも好きだし、2.5次元も好きだし、ファッションも好きだし……。

柔道を辞めた後に反動が来て、やりたいこと全部やるようにしたんです

柔道は高校入学のタイミングで辞めたそうですが、なぜ辞めたんですか?

あの、私、頭が本当に悪いんですよ

はい……?

柔道でいくつか高校入試の推薦枠をもらったんです。でも「一応テスト受けてください」と言われて受けてみたら、0点とか2点とかで、ごめんなさいってなっちゃって……。

結局柔道と関係なく高校選びをすることになって、やっと入れた高校のテストは、「カエルのイラストを描いてください」とかそんなレベルでした

入試でカエルのイラストを……。でもそれだけ趣味という引き出しが多ければ、プロレスに活かせそうですね。ジャッキー・チェンへのリスペクトとして、最近ヒナノさんは“水酔拳(なぜか水を飲んで酔っぱらったヒナノが酔拳を始める)”を編み出しました

でも水酔拳は最近やってないんですよ。水が手元になくて…

それは用意しておきましょうよ!(笑)

水持ったまま入場していいのか、わからなかったから(笑)。じゃあ次から持って入場します!

他に何か技のアイデアはありますか?

拝み渡りに挑戦したいです! だって、ちょっとジャッキーっぽい動きですよね? プロレスのコーチには「これから半年後にちゃんと成長していたら、やってもいい」と言われているので、私が試合で拝み渡りを披露したときは、「認めてもらえたんだな」と思ってください(笑)。

あと、いつかはルチャ・リブレみたいな動きもしてみたいですね。プロレスって、超バチバチの試合もあれば笑える試合もあるし、いろんなパフォーマンスができるのが楽しいです。柔道だと水酔拳なんて絶対できないじゃないですか(笑)

今後の目標は何でしょうか?

アプガプロレス全体としては、後楽園ホールでワンマンライブをするのが目標です。私個人としては、タイアップ曲を歌ったり、声優に挑戦したり、アニメと関わる仕事をしたいです。……シングルマッチが組まれなくて悩んでいたとき、身近な人に相談したら、「それは、まだ出番じゃないってことだ。だから自分の出番が回ってきたときのために今準備しておこう」と言ってもらえて、その言葉がすごく響きました。

いつかお客さんたちに「ヒナノはこのために温存されていたんだ」と思ってもらえる瞬間が来るように頑張りたいです。いろんな目標に向かって、「私はやれる。やろう!」って。今はそんな気持ちです

[box class=”box28″ title=”ヒナノ”]
1998年2月21日生まれ、東京都出身。身長153cm。得意技はジャッキースペシャル(仮)。試合中にうそ泣きを始めたり、水酔拳を編み出すなど、独自のパフォーマンスで存在感を発揮しつつある。今夏、『週刊ヤングジャンプ』(集英社)による読者投票企画「サキドル エース SURVIVAL SEASON9」に出場して話題を呼ぶ。
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東京女子プロレスは、9月22日(土)12時より東京・新木場1stRING大会を開催。チケット情報などは公式サイトをチェック!
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