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	<title>レビュー  タグが付けられた記事一覧を表示しています。  | いとわズ</title>
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	<description>有象と無象が手を組んだヒューマンメディア</description>
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	<title>レビュー  タグが付けられた記事一覧を表示しています。  | いとわズ</title>
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		<title>僕と京都とFebbと谷崎（下）</title>
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		<dc:creator><![CDATA[チョウ ウヒョン]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 27 Dec 2018 02:55:01 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[書評]]></category>
		<category><![CDATA[レビュー]]></category>
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					<description><![CDATA[
	<div>
	<a href="https://itwas.media/before-renewal/book-review/kyoto3"><img title="181227-cho-1" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/12/181227-cho-1-300x225.jpg" alt="僕と京都とFebbと谷崎（下）" width="300" height="225" /></a>
	</div>
	哲学の道を南端から北端まで歩いたが、特に哲学的な気持ちにはならなかった。Febbの死。谷崎の墓。2018年の2月16日はまだ続いている。 2月16日（金） 平日だというのに銀閣寺は観光客で賑わっていた。僕も含めて、半分以上がストレンジャーだった。銀閣寺はこれで3度目だが、びっくりするくらいなんの感慨も催さない。金閣寺には行ったことがない。68年前のどこかの見習い僧侶みたいに重大な用件でもない限り、死ぬまで足を運ぶことはないだろう。 抹茶味のソフトクリームを舐めながら、銀閣寺の近所にある京都朝鮮中高級学校まで歩いた。校門の前でくたびれた古い校舎とグラウンドを眺めていると、冗談抜きで、自分があらゆる誤謬ごびゅうの集積の前に立ち尽くしてい&#8230;]]></description>
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	<a href="https://itwas.media/before-renewal/book-review/kyoto3"><img title="181227-cho-1" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/12/181227-cho-1-300x225.jpg" alt="僕と京都とFebbと谷崎（下）" width="300" height="225" /></a>
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	<div class="theContentWrap-ccc"><p>哲学の道を南端から北端まで歩いたが、特に哲学的な気持ちにはならなかった。Febbの死。谷崎の墓。2018年の2月16日はまだ続いている。</p>
<p><span id="more-6267"></span></p>
<div class="dp_toc_container pos-before_first_h allow-toggle" role="navigation" data-margin="30"><p class="toc_title_block"><span class="toc_title icon-list">INDEX</span><span class="toc_toggle icon-up-open" role="button"></span></p><ul class="dp_toc_ul has_title"><li><a href="#2e69c8816e697a5efbc88e98791efbc89-1">2月16日（金）</a></li><li><a href="#12e69c8820e697a5efbc88e69ca8efbc89-2">12月20日（木）</a></li></ul></div><h2 id="2e69c8816e697a5efbc88e98791efbc89-1">2月16日（金）</h2>
<p>平日だというのに銀閣寺は観光客で賑わっていた。僕も含めて、半分以上がストレンジャーだった。銀閣寺はこれで3度目だが、びっくりするくらいなんの感慨も催さない。金閣寺には行ったことがない。68年前のどこかの見習い僧侶みたいに重大な用件でもない限り、死ぬまで足を運ぶことはないだろう。</p>
<p>抹茶味のソフトクリームを舐めながら、銀閣寺の近所にある京都朝鮮中高級学校まで歩いた。校門の前でくたびれた古い校舎とグラウンドを眺めていると、冗談抜きで、自分があらゆる<ruby>誤謬<rt>ごびゅう</rt></ruby>の集積の前に立ち尽くしているような気分になった。僕はいろいろなことを考え、そして忘れた。</p>
<p>タクシーで出町柳駅へ向かった。特になんの考えもなしに、外国人観光客に人気だという伏見稲荷大社へ行ってみようと思った。京阪電鉄の伏見稲荷駅で降りて、駅前のうどん屋できつねうどんをすすった。悪くはなかったが、期待を少しだけ下回る味だった。</p>
<p>日が傾いてきていた。勝手がよくわからないまま、おびただしい数の鳥居に覆われた稲荷山の階段を登りはじめた。結論から言うと、僕は稲荷山を舐めていた。汗だくでたどり着いた中腹あたりの休憩所で心が折れかけたが、ここまできたらもうやめられない。ダウンを脱いでがむしゃらに階段を登った。すれ違った和装のカップルが、ノートパソコンと書類と2週間分の着替えが詰まった僕の巨大なバッグパックを見て「ガチの登山の人じゃん」と笑った。だってガチの登山じゃん、と僕は心の中で反論した。</p>
<p>山頂に着いたころには完全に日が暮れていた。標高が高くなるにつれて、自販機の飲みものの値段も高くなるのが面白かった。山頂で大柄な白人女性に写真を頼まれた。あまり上手に撮ることができず、僕は2回「ワンモアタイム」と言った。ワンモアタイム。あっ、ソーリー、ワンモアタイム。オーケーオーケー、ソー・グッド。写真を確認した彼女の曖昧なリアクションで、なにもグッドではなかったことを理解した。</p>
<p>下りはとても楽だった。さきほどの休憩所で、京都の夜景を眺めていい感じになっている恋人たちの「めっちゃええやん」「じゃあ月イチで登るか？」「月イチは多いわ」という会話を聞いた。たしかに月イチは多い。完全に余計なお世話だが、年イチでも多いくらいだと思った。</p>
<p>JRの稲荷駅から京都駅へ向かった。できることならサンダーバードに乗って金沢に行きたかった。しかし大寒波の影響で日本海側は大雪だという。悩んだ結果、新幹線に乗って東京に帰ることにした。土産にすぐきの漬物を買った。帰りの新幹線の中で、Febbを追悼するjjjのつぶやきを読んだ。少し泣きそうになったが、涙は出なかった。そのかわり、jjjの2ndアルバム<strong>『<a href="https://amzn.to/2RnVEFw" target="_blank" rel="noopener">HIKARI</a>』</strong>に収録された「2024 feat.Fla$hBackS」は永遠のクラシックになった。</p>
<h2 id="12e69c8820e697a5efbc88e69ca8efbc89-2">12月20日（木）</h2>
<p>この日、jjjと盟友のSTUTSが作った2018年のアンセム、「Changes feat.JJJ」のミュージック・ビデオが公開された。僕はまたしても少し泣きそうになったが、やっぱり涙は出なかった。そういうものだ。</p>
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		<title>僕と京都とFebbと谷崎（中）</title>
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		<dc:creator><![CDATA[チョウ ウヒョン]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 19 Dec 2018 10:30:56 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[書評]]></category>
		<category><![CDATA[レビュー]]></category>
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					<description><![CDATA[
	<div>
	<a href="https://itwas.media/before-renewal/book-review/kyoto2"><img title="181219-cho-1" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/12/181219-cho-1-300x225.jpg" alt="僕と京都とFebbと谷崎（中）" width="300" height="225" /></a>
	</div>
	2018年2月15日、Febbは亡くなった。24歳だった。 Febbの『The Season』は本当に素晴らしいアルバムだった。僕は故D.Lが絶賛している記事を目にしてから買ったはず（2014年の末くらいだった気がする）だから、決して耳が早かったわけではない。それでも、アルバムを3〜4回通しで聞いてからは、Febbの作る音楽をずっと追っていこうと決めていた。 遡って彼が所属するユニット・Fla$hBackSの『FL$8KS』、KID FRESINOの『HORSEMAN'S SCHEME』、さらにjjjの『Yacht Club』もチェックした。噂に違わず、Fla$hBackSの3人は全員が天才だった。 しかしそれぞれの1枚目のソロアル&#8230;]]></description>
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	<div>
	<a href="https://itwas.media/before-renewal/book-review/kyoto2"><img title="181219-cho-1" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/12/181219-cho-1-300x225.jpg" alt="僕と京都とFebbと谷崎（中）" width="300" height="225" /></a>
	</div>
	<div class="theContentWrap-ccc"><p>2018年2月15日、Febbは亡くなった。24歳だった。</p>
<p>Febbの<strong>『<a href="https://amzn.to/2BsCLaA" target="_blank" rel="noopener">The Season</a>』</strong>は本当に素晴らしいアルバムだった。僕は故D.Lが絶賛している記事を目にしてから買ったはず（2014年の末くらいだった気がする）だから、決して耳が早かったわけではない。それでも、アルバムを3〜4回通しで聞いてからは、Febbの作る音楽をずっと追っていこうと決めていた。</p>
<p>遡って彼が所属するユニット・Fla$hBackSの『<a href="https://amzn.to/2BrUHCh" target="_blank" rel="noopener">FL$8KS</a>』、KID FRESINOの『<a href="https://amzn.to/2R1ZmEV" target="_blank" rel="noopener">HORSEMAN&#8217;S SCHEME</a>』、さらにjjjの『<a href="https://amzn.to/2ClUHVX" target="_blank" rel="noopener">Yacht Club</a>』もチェックした。噂に違わず、Fla$hBackSの3人は全員が天才だった。</p>
<p>しかしそれぞれの1枚目のソロアルバムの時点では、やはり『The Season』の骨の太さが群を抜いていたように思う。どんな魔法によるものかわからないが、Febbは19歳にして不穏さを結晶化したような異形の音楽を作り出していた。</p>
<p>僕はイベントにもめったに行かないし、音源もよっぽど話題になるか人に教えてもらうまでロクにチェックしない不真面目なHIP HOPリスナーだが、Febbはそんな人間にも一発で「ヤバい」と思わせる才能を持っていた。つまるところ、天才の中の天才だった。</p>
<p><span id="more-6211"></span></p>
<div class="dp_toc_container pos-before_first_h allow-toggle" role="navigation" data-margin="30"><p class="toc_title_block"><span class="toc_title icon-list">INDEX</span><span class="toc_toggle icon-up-open" role="button"></span></p><ul class="dp_toc_ul has_title"><li><a href="#2e69c8816e697a5efbc88e98791efbc89-1">2月16日（金）</a></li><li><a href="#12e69c8820e697a5efbc88e69ca8efbc89-2">12月20日（木）</a></li></ul></div><h2>2018年2月16日（金）</h2>
<p>京都リッチホテルをチェックアウトし、大荷物を背負って近くのバス停に向かった。まず南禅寺と禅林寺（永観堂）に行き、哲学の道を銀閣寺まで歩くつもりだった。途中、法然院の谷崎潤一郎の墓にも寄ろうと思っていた。</p>
<p>昔から寺社仏閣にはまったく興味がない。僕は「平等院鳳凰堂をつぶして駐車場を作ればいい」と書いた坂口安吾をリスペクトしているタイプの人間だ。神も仏も、幽霊も死後の世界も信じていない。だから寺めぐりも墓参りも本当はバカバカしいのだが、結局、京都でやることなんてそれくらいしかない。他になにかあるならぜひ教えてほしい。</p>
<p>南禅寺は3回目だった。時間はいくらでもあるのでゆっくりと見て回ったが、南禅寺は南禅寺でしかない。Febbの別名義「Young Mason」の名付け親であるNIPPSが言っていたように、言葉は言葉だし、神は神だ。だから南禅寺は南禅寺である。ただ、琵琶湖疏水の水路閣はロマンティックで悪くなかった。スマートフォンで何枚も風景の写真を撮った。平昌ではフィギュアスケート男子シングルのショートプログラムが行われていた。羽生結弦が1位になったことを禅林寺への移動中に知った。</p>
<p>禅林寺では寺そのものよりも、隣接した永観堂幼稚園の子どもたちがはしゃぐ声に癒された。2010年の秋に1人で京都に行ったとき、二条御所の近くで天理教のハッピを着た少年が絶叫しながら自転車を漕ぐ姿を見たことを思い出した。あの少年はもう成人しているのだろうか。幸せにはなれたのだろうか。ほとんど関係のない、でも少しだけ関係があるようなできごとを、どうしてこのタイミングで思い出すのか不思議だった。</p>
<p>哲学の道を歩きながら『The Season』を聞いた。煙たいトラックと剣呑かつ断片的なリリックが、意外なことに穏やかな風景とマッチした。何度聞いてもFebbのラップはべらぼうにいい。HIP HOPのど真ん中、正中線五段突きだ。</p>
<p>法然院の墓地には掃除のおじさんと僕のほかに誰もいなかった。生きている人間よりも、土に埋まった死人の方が圧倒的に多かった。まず九鬼周造の墓を見つけた。風雨に晒されてボロボロになった岩波文庫の『<a href="https://amzn.to/2CmN6qc" target="_blank" rel="noopener">「いき」の構造</a>』が置いてあった。九鬼周造の墓に九鬼周造の本を飾ってどうするのだろう。シュールなことをする人もいるものだ、と思った。</p>
<p>小さな蕾をつけた枝垂れ桜の下に「寂」と掘られた立派な墓石があった。谷崎の墓だ。僕は10代のころから谷崎が好きだった。山田風太郎の『<a href="https://amzn.to/2CnpeCY" target="_blank" rel="noopener">同日同刻</a>』によると、谷崎は太平洋戦争の開戦時に「マグロのトロのすごいやつ」を炙ったものを食べており、終戦前夜には永井荷風と2人ですき焼きをつついていたらしい。そのエピソードだけで信用に値すると思った。うろ覚えだが、谷崎は死の前夜も好物の鱧を食べていい気分になっていたそうだ。そんな谷崎のどのあたりが「寂」なのか、僕にはまったくわからない。</p>
<p>とにもかくにも『<a href="https://amzn.to/2Eu2cf6" target="_blank" rel="noopener">細雪</a>』は永遠のクラシックだ。『<a href="https://amzn.to/2EvRYuG" target="_blank" rel="noopener">少将滋幹の母</a>』も『<a href="https://amzn.to/2CnQGAF" target="_blank" rel="noopener">瘋癲老人日記</a>』も、短編なら「<a href="https://amzn.to/2A5Chrb" target="_blank" rel="noopener">過酸化マンガン水の夢</a>」も素晴らしい。初期と後期で谷崎の作風は大きく変わっており、僕は晩年の作品が好きだが、どこか不衛生で下品なところだけは一貫している。Febbはラリー・クラークとハーモニー・コリンの『<a href="https://amzn.to/2BsvkAi" target="_blank" rel="noopener">KIDS</a>』が好きだったそうだが、雑に考えれば谷崎も似たようなものだと思う。いや、いくらなんでも雑すぎるかもしれない。</p>
<p>墓地で休憩しながら、昨晩LINEでFebbの死を教えてくれた友人と電話をした。月並みな言葉しか出てこなかったが、僕たちは僕たちなりの方法で天才の死を悼んだ。人間は死ぬ。必ず死ぬ。谷崎も九鬼周造も河上肇も死んで、このあたりの土の下に骨が埋まっている。早いか遅いかの違いだけだ。ただ、早いか遅いかの違いだけだからこそ早逝は悲しい。わかりきったことだが、僕たちにはそれを再確認する時間が必要だった。</p>
<p>（下）に続く。</p>
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<div class="booklink-box">
<div class="booklink-image"></div>
<div class="booklink-info">
<div class="booklink-name"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/4101005133/itwas0d-22/" target="_blank" rel="noopener">細雪 (中) (新潮文庫)</a></p>
<div class="booklink-powered-date">posted with <a href="https://yomereba.com" target="_blank" rel="nofollow noopener">ヨメレバ</a></div>
</div>
<div class="booklink-detail">谷崎 潤一郎 新潮社 1955-11-01</div>
<div class="booklink-link2">
<div class="shoplinkamazon"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/4101005133/itwas0d-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div>
<div class="shoplinkkindle"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01IOFNLLC/itwas0d-22/" target="_blank" rel="noopener">Kindle</a></div>
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		<title>僕と京都とFebbと谷崎（上）</title>
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		<dc:creator><![CDATA[チョウ ウヒョン]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 12 Dec 2018 09:30:42 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[書評]]></category>
		<category><![CDATA[レビュー]]></category>
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					<description><![CDATA[
	<div>
	<a href="https://itwas.media/before-renewal/book-review/kyoto"><img title="181212-cho-1" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/12/181212-cho-1-300x225.jpg" alt="僕と京都とFebbと谷崎（上）" width="300" height="225" /></a>
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	長堀橋駅から阪急電車で京都に向かった。2月だった。バレンタインデーでもあった。大阪・ミナミでの最後の仕事を終えて、僕は無職になろうとしていた。とても気分がよかった。1泊4500円の、京都リッチホテルというホテルを予約していた。価格帯からして、リッチな人間はまず使わないホテルだと思った。 河原町駅に着いたのは20時ごろだった。仕事道具のパソコンやら、大阪で過ごした2週間分の着替えやら、そこそこの大荷物を背負って、高瀬川沿いに木屋町通りを南下した。空腹だった。しかしなにを食べればいいのか、まったく見当がつかなかった。 2018年2月14日（水） ホテルはすぐに見つかったし、チェックインの手続きもスムーズだった。ただ、部屋のカギの開け方が&#8230;]]></description>
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	<div>
	<a href="https://itwas.media/before-renewal/book-review/kyoto"><img title="181212-cho-1" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/12/181212-cho-1-300x225.jpg" alt="僕と京都とFebbと谷崎（上）" width="300" height="225" /></a>
	</div>
	<div class="theContentWrap-ccc"><p>長堀橋駅から阪急電車で京都に向かった。2月だった。バレンタインデーでもあった。大阪・ミナミでの最後の仕事を終えて、僕は無職になろうとしていた。とても気分がよかった。1泊4500円の、京都リッチホテルというホテルを予約していた。価格帯からして、リッチな人間はまず使わないホテルだと思った。</p>
<p>河原町駅に着いたのは20時ごろだった。仕事道具のパソコンやら、大阪で過ごした2週間分の着替えやら、そこそこの大荷物を背負って、高瀬川沿いに木屋町通りを南下した。空腹だった。しかしなにを食べればいいのか、まったく見当がつかなかった。</p>
<p><span id="more-6182"></span></p>
<div class="dp_toc_container pos-before_first_h allow-toggle" role="navigation" data-margin="30"><p class="toc_title_block"><span class="toc_title icon-list">INDEX</span><span class="toc_toggle icon-up-open" role="button"></span></p><ul class="dp_toc_ul has_title"><li><a href="#2018e5b9b42e69c8814e697a5efbc88e6b0b4efbc89-1">2018年2月14日（水）</a></li><li><a href="#2018e5b9b42e69c8815e697a5efbc88e69ca8efbc89-2">2018年2月15日（木）</a></li></ul></div><h2 id="2018e5b9b42e69c8814e697a5efbc88e6b0b4efbc89-1">2018年2月14日（水）</h2>
<p>ホテルはすぐに見つかったし、チェックインの手続きもスムーズだった。ただ、部屋のカギの開け方がよくわからず、ドアの前でしばし苦戦した。なんとか開くことは開いたが、正しい開け方は今もよくわかっていない。</p>
<p>荷物を置いてお茶と煙草で一息ついていたら、とてつもなく巨大な睡魔に襲われた。窓を開けて冷気を部屋に取り込むと、少しだけ目が覚めた。せっかく京都に来たんだから、なにかうまいものを食いたいと思った。しかし僕は京都のグルメ情報なんてひとつも知らない。とりあえず、現在地から半径500メートル以内の店を食べログでリサーチした。</p>
<p>ホテルから徒歩3分のお好み焼き屋で食事をとった。予想以上においしい店で、妙な意地を張らず素直に食べログを参考にした自分を褒めたいと思った。テレビでは平昌オリンピックのニュースがかかっていた。ショーン・ホワイトと平野歩夢の激闘。その日の午前中、大阪・日本橋のイルな喫茶店で、イルな店主と交わした会話を思い出した。平野が2本目のトリックを見事に成功させてトップに立った場面を、僕はその喫茶店で見ていたのだった。</p>
<p>「平野、ショーンに勝ちますよ。これは流石に金でしょう」</p>
<p>「兄ちゃん、わかってへんな。ショーン・ホワイト、あいつは天才や」</p>
<p>僕は「お前は誰やねん」と思ったが、特に反論はしなかった。するとホワイトは最終滑走で平野を逆転して、本当に金メダルをかっさらっていった。あの店主、いったい何者だったのだろう。とにもかくにも、僕はなにもわかっていなかった。もちろん今もなにもわかっていない。</p>
<p>食事を終えてコンビニで酒を買い、ホテルに戻った。ひとまず京都には2泊する予定だったが、その先のことはなにも決まっていない。なにせ無職だ。時間は腐るほどある。金は有限だが、行こうと思えばどこにでも行ける。ベッドに腰かけて発泡酒を飲みながら、あらためて自分が昂ぶっていることに気がついた。</p>
<h2 id="2018e5b9b42e69c8815e697a5efbc88e69ca8efbc89-2">2018年2月15日（木）</h2>
<p>翌朝は京阪電車の清水五条駅から出町柳駅に行った。叡山電車とケーブルカーとロープウェイを乗り継いで、比叡山に登るつもりだった。完全に『タモリ倶楽部』の影響だが、悪くない選択だと自分では思っていた。京都の北の方は行ったことがなかったし、ローカルな電車というのは乗っているだけで少しどきどきするものだ。</p>
<p>宝ヶ池駅を過ぎたころ、乗客がとても少なくなっていることに気がついた。少ないというか、僕1人しかいない。比叡山って人気がないんだな、とのんきに考えていたが、社内の張り紙を見て納得した。終点の八瀬比叡山口駅と山頂を結ぶ叡山ケーブルおよび叡山ロープウェイが、春まで休みなのだという。つまり自力で山登りでもするのでなければ、まったくの無駄足ということになる。とはいえ、比叡山の麓の空気は清らかでうまかった。高野川がさらさらと流れていて、これはこれで悪くないと思った。</p>
<p>寄り道もせずに出町柳に戻るのも癪なので、一乗寺で降りて有名らしい「恵文社」という本屋に行った。店員さんが真面目に働いているのが伝わってくる、とてもいい本屋だと思った。しかし僕には合わなかった（無職だからかもしれない）。ちなみに、「恵文社」にはヘイト本も愛国本も一切置いていなかった。結局、近所の他の古本屋に足を伸ばして金井美恵子の<strong>『<a href="https://amzn.to/2C5kCkP" target="_blank" rel="noopener">文章教室</a>』</strong>を買った。学生時代に一度読んだことのある本だが、発作的に再読してみたくなったのだ。</p>
<p>出町柳でパンを買い、鴨川デルタを眺めながらまったりしようとしたら、青豆とチーズのパンをトンビに強奪されるという事件が発生した。すぐ近くに座っていたカップルは恋愛に熱中していて、1人の無職がパンを失ったことになどまったく無関心だった。飛び石を眺めながら<strong>『<a href="https://amzn.to/2C6KVqw" target="_blank" rel="noopener">たまこラブストーリー</a>』</strong>のことを思い出して、ほんのりと苦い気持ちになった。そして夕暮れどきの鴨川沿いを四条まで歩いた。</p>
<p>京都にはお洒落な喫茶店がたくさんあるが、煙草を吸える店は少ない。京都という街に対するちょっとした憎悪を紛らわすようにコメダ珈琲に入って、さきほど買った『文章教室』を読み進めた。辛辣でバカバカしい、素晴らしい文章だと思った。そしてコメダ珈琲が無料で提供する地球上で一番うまい豆菓子をかじった。</p>
<p>夕食は前の晩と同じお好み焼き屋にした。多くの選択肢があったが、どれもあまり魅力的に思えず、同じ店で前日に食べなかったものを食べることを選んだ。せっかくの旅行先で2日続けて同じ店なんて愚かな行為かもしれないが、当時の僕には馬鹿げた行為によるチルアウトこそが必要だったのだ。店員さんはこちらのことを覚えていたが、一定の距離を保って接してくれた。もしまた京都に行くことがあったら、きっと同じように京都リッチホテルに泊まって、同じようにカギの開け方で苦戦し、同じようにあのお好み焼き屋に行くだろう。</p>
<p>前日同様、満足のいく食事を終えてホテルの部屋に戻ったとき、友人からLINEが送られてきていたことに気がついた。「Febbくん死んだ説が関係者間で流布されてる……」。「マジで……マジで？」。急いでTwitterを開いて検索をかけると、該当のつぶやきはすぐに見つかった。</p>
<blockquote class="twitter-tweet" data-lang="ja">
<p dir="ltr" lang="ja">Febbが死にました。御冥福をお祈りします。</p>
<p>— 18PRODUCTION Co.,Ltd (@18_PRODUCTION) <a href="https://twitter.com/18_PRODUCTION/status/964096575193542656?ref_src=twsrc%5Etfw">2018年2月15日</a></p></blockquote>
<p><script src="https://platform.twitter.com/widgets.js" async="" charset="utf-8"></script></p>
<p>僕はベッドに横たわって、そのつぶやきを反芻した。Febbが死にました。御冥福をお祈りします。それはつまり、どういうことだ？</p>
<p>（中）に続く。</p>
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<div class="booklink-name"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/4309405754/itwas0d-22/" target="_blank" rel="noopener">文章教室 (河出文庫―文芸コレクション)</a></p>
<div class="booklink-powered-date">posted with <a href="https://yomereba.com" target="_blank" rel="nofollow noopener">ヨメレバ</a></div>
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<div class="booklink-detail">金井 美恵子 河出書房新社 1999-05</div>
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		<title>全人類が読むべき天才の漫画――黒田硫黄『きょうのカプセル』</title>
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		<dc:creator><![CDATA[チョウ ウヒョン]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 06 Dec 2018 02:55:55 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[漫画]]></category>
		<category><![CDATA[マンガ]]></category>
		<category><![CDATA[レビュー]]></category>
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					<description><![CDATA[
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	<a href="https://itwas.media/before-renewal/amusing-manga-people-introduction/todays-capsule"><img title="181206-cho-1" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/12/181206-cho-1-300x225.jpg" alt="全人類が読むべき天才の漫画――黒田硫黄『きょうのカプセル』" width="300" height="225" /></a>
	</div>
	黒田硫黄という漫画家のなにが、どこが特別なのか、あらためて言葉にするのは難しい。読めばわかる。読んでわからないのなら仕方がない。なにごとにも相性があるし、そもそも僕だってよくわかっていないのかもしれない。権威ある人々の権威ある言葉に誘導されて、ただなんとなく、すぐれた作家だと思い込んでいるだけなのかも……。 でも、『大日本天狗党絵詞』や『茄子』、あるいは『ネオデビルマン』の3巻に収録された「ゼノンの立つ日」などの傑作を読み返すと、僕のつまらない不安は空の彼方に吹き飛んでしまう。権威や感傷とは別の次元で、裏も表もなく「豊かな時間、豊かな読書体験だった」と言い切ることができる。 言葉では到底言い尽くせない、べらぼうに素晴らしいサムシング&#8230;]]></description>
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	<a href="https://itwas.media/before-renewal/amusing-manga-people-introduction/todays-capsule"><img title="181206-cho-1" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/12/181206-cho-1-300x225.jpg" alt="全人類が読むべき天才の漫画――黒田硫黄『きょうのカプセル』" width="300" height="225" /></a>
	</div>
	<div class="theContentWrap-ccc"><p>黒田硫黄という漫画家のなにが、どこが特別なのか、あらためて言葉にするのは難しい。読めばわかる。読んでわからないのなら仕方がない。なにごとにも相性があるし、そもそも僕だってよくわかっていないのかもしれない。権威ある人々の権威ある言葉に誘導されて、ただなんとなく、すぐれた作家だと思い込んでいるだけなのかも……。</p>
<p>でも、『<a href="https://amzn.to/2FZYjRw" target="_blank" rel="noopener">大日本天狗党絵詞</a>』や『<a href="https://amzn.to/2Qgk7x1" target="_blank" rel="noopener">茄子</a>』、あるいは『<a href="https://amzn.to/2zHg6Hs" target="_blank" rel="noopener">ネオデビルマン</a>』の3巻に収録された「ゼノンの立つ日」などの傑作を読み返すと、僕のつまらない不安は空の彼方に吹き飛んでしまう。権威や感傷とは別の次元で、裏も表もなく「豊かな時間、豊かな読書体験だった」と言い切ることができる。</p>
<p>言葉では到底言い尽くせない、べらぼうに素晴らしいサムシングがそこにはあるのです。風が吹いています。人や人ではないものたちがグダグダしています。黒田硫黄の漫画にはたくさんの美点があるけれど、ナードなノリで</p>
<p><em>「いいよね」<br />
「天才だよね」<br />
「ここ、このコマさあ」<br />
「若隠居してえ」<br />
「松浦かわいそう」<br />
「中華食いたくね？」<br />
「ミシ怖い」</em></p>
<p>などと話をしたくなるのが最高だと僕は思うわけです。</p>
<p><span id="more-6149"></span></p>
<div class="dp_toc_container pos-before_first_h allow-toggle" role="navigation" data-margin="30"><p class="toc_title_block"><span class="toc_title icon-list">INDEX</span><span class="toc_toggle icon-up-open" role="button"></span></p><ul class="dp_toc_ul has_title"><li><a href="#e9bb92e794b0e7a1abe9bb84e3818ce9bb92e794b0e7a1abe9bb84e381a7e38182e3828ce381b0e38184e38184-1">黒田硫黄が黒田硫黄であればいい</a></li><li><a href="#e3808ce381afe38293e381a0efbc88e694b9e8a18cefbc89e3819ae38191e381a8efbc88e694b9e8a18cefbc89e3818fe38184efbc9fe3808d-2">「はんだ（改行）ずけと（改行）くい？」</a></li></ul></div><h2 id="e9bb92e794b0e7a1abe9bb84e3818ce9bb92e794b0e7a1abe9bb84e381a7e38182e3828ce381b0e38184e38184-1">黒田硫黄が黒田硫黄であればいい</h2>
<p>つい最近発売された、黒田硫黄の4作目の短編集<strong>『<a href="https://amzn.to/2Qav42U" target="_blank" rel="noopener">きょうのカプセル</a>』</strong>を読んだ。そして案の定、しみじみと感動してしまった。「男と女」や「タイムカプセル」といった作品の秀逸さに？ 「特品ビーム課長」が激務の狭間で見るピュアな愛の夢に？ オナニーが趣味のおじさんの迫真の表情に？ ギークなウンチクに？ 失われていない才能に？ それらすべてに？ それらすべてに！</p>
<p>黒田硫黄のファンの大半は作者が諸々の理由によって寡作であることを知っているだろうし、今年になってファッションブランド「niko and…」のCMで突然、小松菜奈に憑依したことも知っている。正直とても奇妙なCMだったけれど、それがこの短編集のための布石だったとしたら全然許せる。全然許せるどころか、いくらかなりとも作者の収入になるんなら万々歳だ。</p>
<p>もういいんですよ。板垣恵介版の『<a href="https://amzn.to/2rlGAcX" target="_blank" rel="noopener">餓狼伝</a>』で、北辰館のトーナメントに乱入した藤巻十三に対して、師匠の泉宗一郎が「藤巻十三が藤巻十三のままでいてくれたならそれでいい」みたいなことを言って、竹宮流の道着を貸し与えるじゃないですか。ちょうどあんな感じですよ。もちろん我々は泉先生ほどエラくはないし竹宮流の道着も持っていないんですが、黒田硫黄は黒田硫黄であればいいんです。僕たちはたった数百円で天才の漫画を買い、読むことができる。これが僥倖でなくてなんだと言うのですか？</p>
<h2 id="e3808ce381afe38293e381a0efbc88e694b9e8a18cefbc89e3819ae38191e381a8efbc88e694b9e8a18cefbc89e3818fe38184efbc9fe3808d-2">「はんだ（改行）ずけと（改行）くい？」</h2>
<p>おまけ程度に表現の話を。黒田硫黄の特徴のひとつとして、大胆なアングルを多用するという点が挙げられる。「男と女」にも開始早々に印象的な仰角のコマがあるが、俯瞰・仰角のダイナミズムを最大限に味わえるのは「空気の娘」だろう。寄り引きの妙味で言うなら、猫の誕生秘話（？）を描いた「やつらの足音のバラード」だ。大胆でプリミティブで、しかし洗練されていて、なおかつ適切。とにかくイヤミなくらい漫画がうまい。それでいて技術に溺れているような印象をほとんど与えないのが天才の天才たる所以だ。</p>
<p>パンチラインを吐きまくることでおなじみの黒田硫黄の漫画の登場人物だが、その内容はもちろん、吹き出しの使い方ひとつとっても「これしかない！」という絶妙なバランスに調整されている。たとえば「男と女」から、20頁目から21頁目にかけての「なぜというのはないんでは？」「なぜというのはない…」というやりとり。まず女の「なぜというのは」という瓢箪のような吹き出しが顔の右に来て、顔の左に「ないんでは？」、それに対して男は重なりながらもそれぞれが線で区切られた2つの吹き出しで「なぜ」「というのはない」と応じる。この間の作り方、抑揚の付け方が完璧なのだ。僕の拙い文章で説明してもまるで伝わらないだろうが、マジで完璧なんです。読んでください。</p>
<p>さらに例を出すなら「特品ビーム課長」。「鬼切さんハンダ付け得意？」という課長の問いかけに対して、鬼切さんが丸い吹き出しで「はんだ（改行）ずけと（改行）くい？」と聞き返す場面。言葉の意味を解釈するのに時間がかかっているということなのだが、なんなら縦長の吹き出しにカタカナで「ハンダヅケトクイ？」と聞き返してもよかったはずなのだ。でも絶対に丸い吹き出しで「はんだ（改行）ずけと（改行）くい？」の方がいいじゃないですか！ てかそれしかないじゃないですか！ わかります？ まあたぶん実際に読まないとわからないんですけど……。</p>
<p>こういう話を地球上のすべての人類と永遠にしていたい。なのですべての人類は黒田硫黄を読みましょう。今週は以上です。</p>
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<div class="booklink-name"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/B07KK9N1QZ/itwas0d-22/" target="_blank" rel="noopener">きょうのカプセル (モーニングコミックス)[Kindle版]</a></p>
<div class="booklink-powered-date">posted with <a href="https://yomereba.com" target="_blank" rel="nofollow noopener">ヨメレバ</a></div>
</div>
<div class="booklink-detail">黒田硫黄 講談社 2018-11-22</div>
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<div class="shoplinkkindle"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07KK9N1QZ/itwas0d-22/" target="_blank" rel="noopener">Kindle</a></div>
<div class="shoplinkamazon"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4065140609/itwas0d-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon[書籍版]</a></div>
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<div class="booklink-footer"></div>
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		<item>
		<title>グッド・フィーリング、バッド・エンディング――ホアン・シー『台北暮色』</title>
		<link>https://itwas.media/before-renewal/movie/taipeiboshoku?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=taipeiboshoku</link>
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		<dc:creator><![CDATA[チョウ ウヒョン]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 29 Nov 2018 03:30:59 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[映画]]></category>
		<category><![CDATA[レビュー]]></category>
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					<description><![CDATA[
	<div>
	<a href="https://itwas.media/before-renewal/movie/taipeiboshoku"><img title="181129-cho-1" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/11/181129-cho-1-300x240.jpg" alt="グッド・フィーリング、バッド・エンディング――ホアン・シー『台北暮色』" width="300" height="240" /></a>
	</div>
	2、3年ほど前から、日本の映画ファンの間で台湾ニューシネマがじんわりと流行っている。というよりも、エドワード・ヤンの映画が流行っている。彼の監督作品の素晴らしさについては、いまさら強調するまでもない。リバイバル上映＆ソフト化された『牯嶺街少年殺人事件』について、蓮實重彦御大がいみじくもこんなコメントを寄稿している。 “問答は無用だ。だまって映画館にかけつけ、この真の傑作に打ちのめされるがよい。” 『台北暮色』（原題『ジョニーは行方不明』）の日本での公開にあたっては、そういった状況的な力がいくらか作用したのではないか、と考えられる。巨匠ホウ・シャオシェンの弟子筋にあたるホアン・シーの初監督作品で、しかも「現代の台北を描いたのは、エドワ&#8230;]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
	<div>
	<a href="https://itwas.media/before-renewal/movie/taipeiboshoku"><img title="181129-cho-1" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/11/181129-cho-1-300x240.jpg" alt="グッド・フィーリング、バッド・エンディング――ホアン・シー『台北暮色』" width="300" height="240" /></a>
	</div>
	<div class="theContentWrap-ccc"><p>2、3年ほど前から、日本の映画ファンの間で台湾ニューシネマがじんわりと流行っている。というよりも、エドワード・ヤンの映画が流行っている。彼の監督作品の素晴らしさについては、いまさら強調するまでもない。リバイバル上映＆ソフト化された『牯嶺街少年殺人事件』について、蓮實重彦御大がいみじくもこんなコメントを寄稿している。</p>
<p><strong>“問答は無用だ。だまって映画館にかけつけ、この真の傑作に打ちのめされるがよい。”</strong></p>
<p>『台北暮色』（原題『ジョニーは行方不明』）の日本での公開にあたっては、そういった状況的な力がいくらか作用したのではないか、と考えられる。巨匠ホウ・シャオシェンの弟子筋にあたるホアン・シーの初監督作品で、しかも「現代の台北を描いたのは、エドワード・ヤン以来だ」という師匠のお墨付き。僕は「期待の地平」という懐かしい文学理論を思い出す。この映画を見る観客の多くは、エドワード・ヤンやホウ・シャオシェンの痕跡をスクリーンの中に認めようとするに違いない。</p>
<p>とはいえ「現代的にリブートされた台湾ニューシネマ」という意気込みで『台北暮色』を鑑賞すると、やや肩すかしを食うかもしれない。「海の向こうの、有望な若手監督の映画がたまたま日本にやってきた」くらいのスタンスがちょうどいいのではないだろうか。20世紀の映画史に残る『牯嶺街少年殺人事件』や『悲情城市』のような質量をデビュー作に求めること自体、そもそも無理があるのだから。</p>
<p><span id="more-6105"></span></p>
<div class="dp_toc_container pos-before_first_h allow-toggle" role="navigation" data-margin="30"><p class="toc_title_block"><span class="toc_title icon-list">INDEX</span><span class="toc_toggle icon-up-open" role="button"></span></p><ul class="dp_toc_ul has_title"><li><a href="#e382b0e38383e38389e383bbe38395e382a3e383bce383aae383b3e382b0-1">グッド・フィーリング</a></li><li><a href="#e381a9e381a3e381a1e381a4e3818be3819ae381aee38081e381b5e3828fe381b5e3828fe38197e3819fe382b9e38388e383bce383aae383bc-2">どっちつかずの、ふわふわしたストーリー</a></li><li><a href="#e38390e38383e38389e383bbe382a8e383b3e38387e382a3e383b3e382b0-3">バッド・エンディング</a></li></ul></div><h2 id="e382b0e38383e38389e383bbe38395e382a3e383bce383aae383b3e382b0-1">グッド・フィーリング</h2>
<p>主役の1人、シューを演じるリマ・ジタンの健康的な美貌が目を引く。顔立ちからスタイル、服の趣味に至るまで、過去の台湾ニューシネマのヒロイン像とはかけ離れた、いかにも現代的な美人だ。本格的な演技経験はほとんどないとのことだが、当て書きとメソッド的な取り組みの成果によるものか、台北の気候のような熱と湿気を帯びたナチュラルな芝居で観客を魅了する。</p>
<p>フォン役のクー・ユールンの、とぼけたニュアンスと誠実さを併せ持つ2枚目半な佇まいにも好感を抱いた。脇役にもホウ・シャオシェンやエドワード・ヤンの監督作品に出演してきたチャン・クォチュー、トゥアン・ジュンハオといった名優たちを配置しており、彼らの老練な芝居と過不足ない存在感が、物憂げな表情とちょっとした重力を映画全体に補足している。</p>
<p>また、古さと新しさの同居した台北の街を風景画のように切り取った画作りも素晴らしい。とみに引きで捉えた橋や高架の画は、建造物に対するフェティッシュな愛情をも感じさせる。ある都市を美しいと錯視させることに成功しているだけでも、『台北暮色』はひとまず一見の価値のある映画に仕上がっている、と言うことができるのではないだろうか。</p>
<h2 id="e381a9e381a3e381a1e381a4e3818be3819ae381aee38081e381b5e3828fe381b5e3828fe38197e3819fe382b9e38388e383bce383aae383bc-2">どっちつかずの、ふわふわしたストーリー</h2>
<p>俳優はいい。画作りも素晴らしい。充分に佳作の域に達しているこの映画にあえて不満を述べるなら、充実した画面の力に対して脚本がやや弱い、という部分だろう。</p>
<p>『台北暮色』について、「都市生活者の孤独」とか「あらかじめ失われた物語」とか、それらしいことを言うのはたやすい。「たやすい」とはつまり、決して間違っているわけではないが、同時にほとんどなにも言っていないのと変わらない、ということでもある。1本の映画を見て「都市生活者の孤独が見事に表現されていますね」と評価するだけなら、ペッパーくんにも同じくらいのことはできる（できないかもしれない）。</p>
<p>『台北暮色』の物語は、エモーショナルなわかりやすさを入念に回避しながら進んでいく。3人の登場人物に振り分けられ、断片化された挿話のひとつひとつ――年季もののマイルドセブンを拾ったり、逃げた鳥を追いかけたり、水たまりを自転車でなぞったり……――は、一見して意味の希薄な、どこかポエティックなものばかりだ。このままなにも起こらずに終わるんじゃないか（だとしたら相当面白いな）、という予感がピークに達した中盤から終盤にかけて、映画はやや性急に転がりはじめる。それまでのゆったりとしたテンポを否定する早回しまで使って、唐突になにかを思い出したかのように。</p>
<p>ここで語られる登場人物の秘密が妙にあっけなく通俗的で、正直少し面食らった。なるほど、と腑に落ちるものではあるのだが、しかしそれ以上に安直な印象は拭えない。シューにしてもフォンにしても、あそこまで引っ張って、深刻めかした調子で過去を打ち明ける必要はなかったのではないか。セブンイレブンの前で2人が語り合うカットが際立って美しいものだけに、余計にそう感じてしまったのかもしれない。</p>
<p>シューとフォンの人物像が説明される一方で、注意欠陥的な症状を抱えて生きる青年・リー（ホアン・ユエン）の挿話は、最後まで断片的な情報の提示にとどまっている。彼の孤独は謎めいたまま閉じ切っており、ごくささやかな隘路すら用意されていない。この酷薄な不均衡を好ましいと思うか否かは人それぞれだろうが、個人的にはあまり感心するものではなかった。</p>
<p>象徴的に繰り返されるフォンの車のエンスト、あるいは「ジョニーへの間違い電話」についても、フックとして十全に機能しているとは言いがたい。それでいて、胸に迫るほど圧倒的なリアルさや不気味さがあるでもない。もちろん、このどっちつかずのシュールな浮遊感を愛おしいと思う向きもいるだろう。僕も映画の最後のカットが暗転する瞬間までは、わりあい好意的に見ることができていた。この映画の、正確にはこの映画の日本公開版の最大の瑕疵は、本編終了後のエンディングにある。</p>
<h2 id="e38390e38383e38389e383bbe382a8e383b3e38387e382a3e383b3e382b0-3">バッド・エンディング</h2>
<p>日本公開版のために新たに用意された、Nulbarichの「Silent Wonderland」というエンディング曲。本当に心苦しいのだが、この曲があまりにも『台北暮色』に合っていない。なぜエンディングとして採用したのか、まったくもって意味不明だ。いや、日本でのマーケティングに向けて用意されたものということくらいはわかるのだが、映画にとってもミュージシャンにとっても、完全に不幸な結果をもたらしていると断言できる。</p>
<p>Nulbarichに対しては恨みも憎しみもネガティブな印象も持っていないし、曲が悪いというつもりも毛頭ないが、エンドロールで「Silent Wonderland」が流れたときは心底うんざりした。ひとつの映画の余韻を破壊するということにかけて、ここまでひどい例を近年味わったことがない。どのセクションの人間がこのエンディングを提案し、どんな経緯で実現したのかわからないが、いくらなんでも、かなりおざなりで余計なサービスだと指摘せずにはいられない。</p>
<p>もし『台北暮色』が「Silent Wonderland」によってエンディングを迎えるような映画だったとしたら、禁欲的に構築されてきた劇中のドラマはいったいなんだったのか……。とにかく、わりに作家性が強いカチっとしたタイプの作品に、資本のスメル漂うデコレーションをまぶすのはやめてほしい。お金儲けをするにしても、もう少しマシなやり方があると思いますよ。</p>
</div>]]></content:encoded>
					
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		<title>【食戟のソーマ最新話レビュー】朝陽と城一郎は親子ではないのか？重要キャラ登場の予感！289話「俺はお前になりたい」</title>
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		<dc:creator><![CDATA[沢野 奈津夫]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 26 Nov 2018 09:55:06 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[食戟のソーマ]]></category>
		<category><![CDATA[マンガ]]></category>
		<category><![CDATA[レビュー]]></category>
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	<a href="https://itwas.media/before-renewal/shokugekinosoma/review289"><img title="181126-sawano-1" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/11/181126-sawano-1-300x225.jpg" alt="【食戟のソーマ最新話レビュー】朝陽と城一郎は親子ではないのか？重要キャラ登場の予感！289話「俺はお前になりたい」" width="300" height="225" /></a>
	</div>
	司瑛士と創真のコンビニ食材対決の結果は、審査員のランタービのポケットマネー不足で持ち越しに。“皿の値段”という青天井インフレ地獄が一旦収まったのはすごくいいが、またしても決着はうやむやになってしまった。よく考えたら、最初のライバルであるタクミ・アルディーニとの勝負もうやむやのままなので、仕方ないっちゃ仕方ない。これからも一生切磋琢磨、研鑽の日々を送っていくのでしょう。 あっさり素性を吐く朝陽 誘拐されていた薙切えりなが久々に登場。創真たち同様「THE BLUE」に元気に参戦する。誘拐した張本人の朝陽は、新婚旅行先をえりなにぬけぬけと相談しており、結婚はするつもりらしい。そんな朝陽は、自分の生い立ちを急に語り出す。 なんでも幼少時代の&#8230;]]></description>
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	<a href="https://itwas.media/before-renewal/shokugekinosoma/review289"><img title="181126-sawano-1" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/11/181126-sawano-1-300x225.jpg" alt="【食戟のソーマ最新話レビュー】朝陽と城一郎は親子ではないのか？重要キャラ登場の予感！289話「俺はお前になりたい」" width="300" height="225" /></a>
	</div>
	<div class="theContentWrap-ccc"><p>司瑛士と創真のコンビニ食材対決の結果は、審査員のランタービのポケットマネー不足で持ち越しに。“皿の値段”という青天井インフレ地獄が一旦収まったのはすごくいいが、またしても決着はうやむやになってしまった。よく考えたら、最初のライバルであるタクミ・アルディーニとの勝負もうやむやのままなので、仕方ないっちゃ仕方ない。これからも一生切磋琢磨、研鑽の日々を送っていくのでしょう。</p>
<p><span id="more-6087"></span></p>
<h2 id="e38182e381a3e38195e3828ae7b4a0e680a7e38292e59090e3818fe69c9de999bd-1">あっさり素性を吐く朝陽</h2>
<p>誘拐されていた薙切えりなが久々に登場。創真たち同様「THE BLUE」に元気に参戦する。誘拐した張本人の朝陽は、新婚旅行先をえりなにぬけぬけと相談しており、結婚はするつもりらしい。そんな朝陽は、自分の生い立ちを急に語り出す。</p>
<p>なんでも幼少時代の朝陽は、自堕落な母親に育てられ過酷な生活を強いられていたそう。7歳でその母親と死別し、拾ってもらった施設で慈善事業の一環として来ていた城一郎に出会う。そこで料理や生き様などを学び、口にこそ出していないが、「俺の父親はあんただ」と感じる。</p>
<p>しかし、城一郎は妻の死により創真の元へと帰ることを決断する。これで朝陽は、今話のタイトル「俺はお前になりたい」の通り、創真にクソほど嫉妬する。すべてを話し終えた朝陽は、「な〜んてねっ！」と言っているがおそらくはホントの話。これが嘘だったら「めだかボックス」の球磨川禊級の嘘つきだ。ただ、シリーズのラスボスのわりにはあっさり素性が明らかになったので、嘘であって欲しいともちょっと思う。</p>
<h2 id="e5ae9fe381afe59f8ee4b880e9838ee381abe381afe38282e381861e4babae681afe5ad90e3818ce38184e3828befbc9f-2">実は城一郎にはもう1人息子がいる？</h2>
<p>この朝陽のエピソードには、気になる部分がある。城一郎は朝陽らしき人物について、272話で「もう1人の息子なんだわ」と創真に告白している。しかし朝陽は、城一郎を父親だと思っていることを「口に出したことはない」としている。これは明かな矛盾だ。</p>
<p>朝陽の思いが城一郎に届き、城一郎が比喩的に「もう1人の息子」としたのだろうか？ それとも、朝陽は“実の父親のよう”と思っているだけだが、城一郎は朝陽が本当に本当の息子だという事実を知っているのかも知れない。朝陽の父親は現時点では明かされていないので、これも十分にあり得る。だとしたら、「俺はお前になりたい」という嫉妬は一気に解消され、今シリーズの収まりは非常に良くなる。</p>
<p>城一郎が言った「もう1人の息子」は、朝陽に対してではなく、別の誰かに向けられていた可能性もある。つまり、朝陽がラスボスではなく、本当のボスは別にいて、そいつが創真の異母兄弟という可能性だ。これなら、朝陽があっさりと素性を吐いたのも納得がいく。この城一郎を巡る三つ巴は、良い感じに複雑だ。</p>
<p>どれが正解でも良いし、ここで挙げた予想以外の結果でもなんでも良い。ただ、朝陽と城一郎の微妙な矛盾発言が、ただの制作側のミスでないことだけは祈りまくる。</p>
</div>]]></content:encoded>
					
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		<title>人間の感情のすべて、もしくは8割、ないしは6割、あるいは――ヤマシタトモコ『違国日記』</title>
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		<dc:creator><![CDATA[チョウ ウヒョン]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 22 Nov 2018 09:55:29 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[漫画]]></category>
		<category><![CDATA[マンガ]]></category>
		<category><![CDATA[レビュー]]></category>
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					<description><![CDATA[
	<div>
	<a href="https://itwas.media/before-renewal/amusing-manga-people-introduction/ikokunikki"><img title="違国日記3_Amazonより" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/11/違国日記3_Amazonより-213x300.jpg" alt="人間の感情のすべて、もしくは8割、ないしは6割、あるいは――ヤマシタトモコ『違国日記』" width="213" height="300" /></a>
	</div>
	ヤマシタトモコの『違国日記』について、ある友人が「人間の感情のすべてが詰まっている」と表現した。僕は人間の感情の専門家ではないから、否定も肯定もできなかった。ただ、素晴らしい漫画だという感想は一致した。とりあえず、そのときの我々の気分を検証するために、『違国日記』のレビューを書いてみようと思った。なのでこの文章は、ほんの少しだけ手紙のような性格を帯びている。 いかにして類型を超えるか 両親を交通事故で亡くした15歳の田汲朝（たくみあさ）と、身寄りのない彼女を引き取った叔母の高代槙生（こうだいまきお）の共同生活……などと安直に要約してしまうと、たぶん『違国日記』の魅力は伝わらない。類似のモチーフを扱った作品は山ほどある。吉田秋生の『海&#8230;]]></description>
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	<a href="https://itwas.media/before-renewal/amusing-manga-people-introduction/ikokunikki"><img title="違国日記3_Amazonより" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/11/違国日記3_Amazonより-213x300.jpg" alt="人間の感情のすべて、もしくは8割、ないしは6割、あるいは――ヤマシタトモコ『違国日記』" width="213" height="300" /></a>
	</div>
	<div class="theContentWrap-ccc"><p>ヤマシタトモコの『違国日記』について、ある友人が「人間の感情のすべてが詰まっている」と表現した。僕は人間の感情の専門家ではないから、否定も肯定もできなかった。ただ、素晴らしい漫画だという感想は一致した。とりあえず、そのときの我々の気分を検証するために、『違国日記』のレビューを書いてみようと思った。なのでこの文章は、ほんの少しだけ手紙のような性格を帯びている。</p>
<p><span id="more-6058"></span></p>
<div class="dp_toc_container pos-before_first_h allow-toggle" role="navigation" data-margin="30"><p class="toc_title_block"><span class="toc_title icon-list">INDEX</span><span class="toc_toggle icon-up-open" role="button"></span></p><ul class="dp_toc_ul has_title"><li><a href="#e38184e3818be381abe38197e381a6e9a19ee59e8be38292e8b685e38188e3828be3818b-1">いかにして類型を超えるか</a></li><li><a href="#e7a781e3819fe381a1e381aee8a487e99b91e381aae58685e99da2-2">私たちの複雑な内面</a></li></ul></div><h2 id="e38184e3818be381abe38197e381a6e9a19ee59e8be38292e8b685e38188e3828be3818b-1">いかにして類型を超えるか</h2>
<p>両親を交通事故で亡くした15歳の田汲朝（たくみあさ）と、身寄りのない彼女を引き取った叔母の高代槙生（こうだいまきお）の共同生活……などと安直に要約してしまうと、たぶん『違国日記』の魅力は伝わらない。類似のモチーフを扱った作品は山ほどある。吉田秋生の『海街diary』は言うに及ばず、特定のエッセンスに着目するならジャック・タチの『ぼくの伯父さん』もあずまきよひこの『よつばと！』も先行作品に該当するだろうし、もっと言えば『レ・ミゼラブル』の時代から幾度となく反復されてきた類型だ。あらすじを紹介しても、あまり意味のない作品だと思う。</p>
<p>もちろん、どれほど骨格が類型的だったとしても、肉の付け方、服の着せ方次第で作品としての印象は大きく変わる。万人が入り込みやすいからこそ陳腐化しやすい類型をウェルメイドなものに仕上げるために、ヤマシタトモコは登場人物をきわめて複雑な多面体としてデザインした。とりわけ主役に据えられた槙生と朝は、それぞれ異なるニュアンスでユニセックスな美しさをたたえた外見も含めて、一言では表現できない独特のパーソナリティーを具えている。</p>
<p>35歳で少女小説家の槙生は一見してクールで理知的、含蓄のある言葉で朝の心に光を灯したかと思えば、子どもじみた弱々しさやズボラな部分を覗かせたりもする。人見知りで他人との生活が苦手であることを自称しながらも、友人には恵まれており、人間関係そのものが貧しいわけではない。また、自身に対してモラルハラスメント的な言動を繰り返してきた姉（朝の母）を心底嫌っていたにも関わらず、朝に対しては「公正に接してやらなければいけない」と心がけている。20年来の友人・醍醐奈々（だいごなな）による「尊敬するよ」という言葉は、多くの読者の評価とも一致するはずだ。</p>
<p>一方、朝はあまり手のかからない素直な少女だが、その心象風景は悲しくなるほど乾いている。さらに15歳という年齢（ただでさえクソ面倒くさい！）も相まって、しばしば不安定な部分が表面化する。過眠、フラッシュバック、やり場のない怒り、反発する対象が消えてしまったことによる混乱……。少なくとも現時点では、登場人物の誰ひとりとして、彼女が胸裡に抱える孤独を埋める手立てを持ち合わせていない。生活の面倒を見てくれる槙生にしても、作中の表現を借りれば「違う国」に属する人間なのだ。しかし彼女たちの違い、噛み合わなさこそが、『違国日記』という作品の白眉でもある。</p>
<p>ふとした拍子に堤防が決壊し、涙と鼻水を流して「さみしい」と繰り返す朝に対して、槙生は優しく寄り添いながらも「あなたの根本的なさみしさをわたしはどうにもしてやれない」と告げる。朝にとっては残酷な響きかもしれないが、いくらかまでは人生の真実を言い当てた、槙生らしい誠実な言葉だ。彼女たちはこれから時間をかけて、お互いの込み入った感情を理解できない、という事実を咀嚼しながら生活を続けていくのだろう。その落としどころについては、高校3年生になった朝が描かれた第1話で、すでに示唆されている。</p>
<h2 id="e7a781e3819fe381a1e381aee8a487e99b91e381aae58685e99da2-2">私たちの複雑な内面</h2>
<p>友人の醍醐が槙生と話すときの二人称の揺らぎが心地いい。フラットな「槙生」、少し冗談めかしたいときの「槙生くん」、ややシリアスな「きみ」、もっとも気安い「あんた」といった具合に、彼女たちの過ごしてきた時間の蓄積が呼びかけのバリエーションとしてごく自然に反映されている。槙生が高校卒業時に醍醐からもらった手紙（二人称は「きみ」だった）はわかりやすく感動的だが、むしろその話を朝に教えたことを「ちょっと後ろめたい」と感じる場面にこそ、リアルな感情の機微を決して見落とすまいとする作者の特長がよく表れているのではないだろうか。</p>
<p>ヤマシタトモコは奥行きを想像させるのがとてもうまい。たとえば、亡くなった「槙生の姉」と「朝の母」は紛れもなく同一人物だが、それぞれの抱く彼女の記憶やイメージが完璧に一致することはない。そうした人間くさく生々しい齟齬の積み重ねによって、ありふれた育児ファンタジーになりがちなモチーフが、血の通った立体的なドラマへと昇華している。冒頭に引いた「人間の感情のすべて」という友人の言葉を思い出す。それは『違国日記』に描かれた喜怒哀楽の量的な豊富さを指しているのではなく、ひとつひとつの言葉や表情の「本当らしさ」についての褒め言葉だったのかもしれない。Eくん、どうっすかね？　当たってる？　全然違う感じ？</p>
<p>現実の人間の内面は当たり前に複雑だ。そしてその複雑さをフィクションにしっかりと落とし込める作家は、たぶんあまり多くない。描かれている感情が全体の8割でも6割でも、あるいはごくごく一部であったとしても、真に迫るような切実さがきちんと込められているのなら、それだけで素晴らしい作品だと言い切ってもいいような気がしている。とみに最近は。</p>
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<div class="booklink-image"></div>
<div class="booklink-info">
<div class="booklink-name"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/4396767498/itwas0d-22/" target="_blank" rel="noopener">違国日記 3 (フィールコミックスFCswing)</a></p>
<div class="booklink-powered-date">posted with <a href="https://yomereba.com" target="_blank" rel="nofollow noopener">ヨメレバ</a></div>
</div>
<div class="booklink-detail">ヤマシタトモコ 祥伝社 2018-11-08</div>
<div class="booklink-link2">
<div class="shoplinkamazon"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/4396767498/itwas0d-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div>
<div class="shoplinkkindle"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07K1DPC8W/itwas0d-22/" target="_blank" rel="noopener">Kindle</a></div>
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<div class="shoplinkrakukobo"><a href="//af.moshimo.com/af/c/click?a_id=984848&amp;p_id=56&amp;pc_id=56&amp;pl_id=637&amp;s_v=b5Rz2P0601xu&amp;url=https%3A%2F%2Fbooks.rakuten.co.jp%2Frk%2F9a61486ebe4d387bb6a972c69367ce73" target="_blank" rel="noopener">楽天kobo</a></div>
<div class="shoplinkseven"><a href="//ck.jp.ap.valuecommerce.com/servlet/referral?sid=3395089&amp;pid=885177389&amp;vc_url=http%3A%2F%2F7net.omni7.jp%2Fsearch%2F%3FsearchKeywordFlg%3D1%26keyword%3D4-39-676749-5%2520%257C%25204-396-76749-5%2520%257C%25204-3967-6749-5%2520%257C%25204-39676-749-5%2520%257C%25204-396767-49-5%2520%257C%25204-3967674-9-5&amp;vcptn=kaereba" target="_blank" rel="noopener">7net</a></div>
<div class="shoplinkbk1"><a href="//ck.jp.ap.valuecommerce.com/servlet/referral?sid=3395089&amp;pid=885177388&amp;vc_url=http%3A%2F%2Fhonto.jp%2Fnetstore%2Fsearch_021_104396767498.html%3Fsrchf%3D1%26srchGnrNm%3D1&amp;vcptn=kaereba" target="_blank" rel="noopener">honto</a></div>
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		<title>【食戟のソーマ最新話レビュー】なんで創真がかけ算できないかがわかんないからよくわかんない第288話「破格の定食」</title>
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		<dc:creator><![CDATA[沢野 奈津夫]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 19 Nov 2018 08:55:58 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[食戟のソーマ]]></category>
		<category><![CDATA[マンガ]]></category>
		<category><![CDATA[レビュー]]></category>
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					<description><![CDATA[
	<div>
	<a href="https://itwas.media/before-renewal/shokugekinosoma/review288"><img title="181119-sawano-1" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/11/181119-sawano-1-300x225.jpg" alt="【食戟のソーマ最新話レビュー】なんで創真がかけ算できないかがわかんないからよくわかんない第288話「破格の定食」" width="300" height="225" /></a>
	</div>
	「かけ算」て主人公っぽい。友情や相性で、普段のパワーが何倍にもなる。数多の主人公たちがかけ算を利用し、強敵をやっつけてきている。過去に創真も、「この食材とこの食材を掛け合わせると〜」みたいなことは腐るほど言っている。 なんかシンプルなおはだけ久々な気がする 「THE BLUE」第二の門の課題「コンビニの商品を使って100ドル以上の価値ある皿を作ること」の隠されたテーマは、「かけ算」だった。平凡な食材を上手いこと掛け合わせ、価値を何倍にも高めろとのことだ。 前話で創真は「即席！牛肉缶すき焼き御膳」を作るも、「足し算」と評価され、あえなく失敗していた。そして、この課題でのピンポイントライバル・司瑛士は、惣菜ハンバーグ、チキンサラダ、冷凍&#8230;]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
	<div>
	<a href="https://itwas.media/before-renewal/shokugekinosoma/review288"><img title="181119-sawano-1" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/11/181119-sawano-1-300x225.jpg" alt="【食戟のソーマ最新話レビュー】なんで創真がかけ算できないかがわかんないからよくわかんない第288話「破格の定食」" width="300" height="225" /></a>
	</div>
	<div class="theContentWrap-ccc"><p>「かけ算」て主人公っぽい。友情や相性で、普段のパワーが何倍にもなる。数多の主人公たちがかけ算を利用し、強敵をやっつけてきている。過去に創真も、「この食材とこの食材を掛け合わせると〜」みたいなことは腐るほど言っている。</p>
<p><span id="more-6018"></span></p>
<h2 id="e381aae38293e3818be382b7e383b3e38397e383abe381aae3818ae381afe381a0e38191e4b985e38085e381aae6b097e3818ce38199e3828b-1">なんかシンプルなおはだけ久々な気がする</h2>
<p>「THE BLUE」第二の門の課題「コンビニの商品を使って100ドル以上の価値ある皿を作ること」の隠されたテーマは、「かけ算」だった。平凡な食材を上手いこと掛け合わせ、価値を何倍にも高めろとのことだ。</p>
<p>前話で創真は「即席！牛肉缶すき焼き御膳」を作るも、「足し算」と評価され、あえなく失敗していた。そして、この課題でのピンポイントライバル・司瑛士は、惣菜ハンバーグ、チキンサラダ、冷凍パイシートを使用して「デミグラスソースで味わうビーフ&amp;チキンの共演」を作り上げ、587ドルという価値を作り出していた。どこがどうなると足し算で、なにがどうなるとかけ算なのか、その納得のいく説明は省かれたが、司瑛士は「かけ算」をしたらしい。</p>
<p>これに対して創真は、コンビニで食材を買い漁り、常人離れしたスピードで調理、二段の重箱が一杯になるほどの品目で埋め尽くされた「季節外れの必殺！おせち」を創り上げた。審査員のランタービは不満そうな表情を浮かべるが、食べ進めるうちに、“どこから食べ始めても成立するコース料理”だということに気付く。そして、作品内でも久々となる、全裸に近い“おはだけ”を見せ、創真は合格に至った。</p>
<h2 id="e7ad94e38188e381a0e38191e68f90e7a4bae38195e3828ce3819fe6849fe38198-2">答えだけ提示された感じ</h2>
<p>「食材×食材」ではなく、「料理×料理」のかけ算か！ なるほど！</p>
<p>と思ったが、そうではなかった。ランタービいわくこのおせちは「足し算のごり押し」。単純に安い食材をたくさん足すことで、1万円に届かせたということのようだ。「かけ算をしろ！」の問いに、「足し算をしまくる」は泥臭くてジャンプっぽい主人公の正答だ。自分にできることで、自分の目線で相手に納得させる。本当に良い結末だと思うのだが、その過程がいまいち納得できない。</p>
<p>「なぜ、創真はかけ算ができないのか？」「なぜ創真が作ったおせちが、“どこから食べ始めても成立するコース料理”」なのか。これが一切説明できていないのだ。以前から「食戟のソーマ」は勢いで展開させてしまう説明不足の傾向があった。しかしそれは、「説明が多すぎる」「内容が細かすぎる」などの理由からの割愛だったように思える。納得できなくとも、意図の方向性とその材料は最低限提示していたように感じていた。</p>
<p>しかし、ここ最近の「食戟のソーマ」は、制作側が勝手に作り上げたルールと答えを提示しているだけで、リアリティがない。嘘でも本当でも浅くても深くても、なぜそうなったかの理由だけは、現実世界に寄り添って答えないと、グルメ漫画は絶対に成立しない。</p>
<p>特に「THE BLUE」に入ってからは、話を派手にするだけ派手にして、根本の部分を蔑ろにしている感じがする。創真がスタジエールに励んでいたあの頃の「食戟のソーマ」に戻って欲しい。</p>
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		<title>書くことについて、まっすぐに描く――オカヤイヅミ『ものするひと』</title>
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		<dc:creator><![CDATA[チョウ ウヒョン]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 15 Nov 2018 02:55:02 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[漫画]]></category>
		<category><![CDATA[マンガ]]></category>
		<category><![CDATA[レビュー]]></category>
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					<description><![CDATA[
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	<a href="https://itwas.media/before-renewal/amusing-manga-people-introduction/monosuruhito"><img title="181114-cho-1" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/11/181114-cho-1-300x225.jpg" alt="書くことについて、まっすぐに描く――オカヤイヅミ『ものするひと』" width="300" height="225" /></a>
	</div>
	体が大きい。アルバイトの日は毎朝スティックパンを食べて、インスタントコーヒーを飲む。理知的なようで、ちょっと抜けているところもある。性格は（たぶん）おおらか。女性にはあまり免疫がないらしく、「気配の残った家にいるのがいたたまれない」という理由で普段は乗らないバスに乗ったりする。とてもキュートな人物だと思う。 純文学系の雑誌『文像』の新人賞を受賞した30歳の杉浦紺は、警備員のアルバイトで生計を立てながら、小説を書いて暮らしている。オカヤイヅミの『ものするひと』（ビームコミックス）は、そんな杉浦と周囲の人々が働いたり遊んだり悩んだり呆けたりするさまを、心地よい温度感で描いた秀作だ（そしてこの導入は戦後最悪レベルで凡庸だ）。 普通の人間、&#8230;]]></description>
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	<a href="https://itwas.media/before-renewal/amusing-manga-people-introduction/monosuruhito"><img title="181114-cho-1" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/11/181114-cho-1-300x225.jpg" alt="書くことについて、まっすぐに描く――オカヤイヅミ『ものするひと』" width="300" height="225" /></a>
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	<div class="theContentWrap-ccc"><p>体が大きい。アルバイトの日は毎朝スティックパンを食べて、インスタントコーヒーを飲む。理知的なようで、ちょっと抜けているところもある。性格は（たぶん）おおらか。女性にはあまり免疫がないらしく、「気配の残った家にいるのがいたたまれない」という理由で普段は乗らないバスに乗ったりする。とてもキュートな人物だと思う。</p>
<p>純文学系の雑誌『文像』の新人賞を受賞した30歳の杉浦紺は、警備員のアルバイトで生計を立てながら、小説を書いて暮らしている。オカヤイヅミの『ものするひと』（ビームコミックス）は、そんな杉浦と周囲の人々が働いたり遊んだり悩んだり呆けたりするさまを、心地よい温度感で描いた秀作だ（そしてこの導入は戦後最悪レベルで凡庸だ）。</p>
<p><span id="more-5980"></span></p>
<div class="dp_toc_container pos-before_first_h allow-toggle" role="navigation" data-margin="30"><p class="toc_title_block"><span class="toc_title icon-list">INDEX</span><span class="toc_toggle icon-up-open" role="button"></span></p><ul class="dp_toc_ul has_title"><li><a href="#e699aee9809ae381aee4babae99693e38081e69d89e6b5a6e7b4ba-1">普通の人間、杉浦紺</a></li><li><a href="#e3808ee38391e382bfe383bce382bde383b3e3808fe381a8e3808ee38282e381aee38199e3828be381b2e381a8e3808f-2">『パターソン』と『ものするひと』</a></li></ul></div><h2 id="e699aee9809ae381aee4babae99693e38081e69d89e6b5a6e7b4ba-1">普通の人間、杉浦紺</h2>
<p>作家っぽいことをしている人はどこか変わっている。そんな共通認識のようなものが、一応、世の中にはある。たとえば、ひとつ前の朝の連ドラでトヨエツが演じていた役のような……。違うな。ちょっと待って。もっとありていに、身も蓋もない感じでいこう。</p>
<p>作家っぽいことをしている人の中でも、小説家は特に頭がよさそうで、なんとなくカッコいい。ものごとの捉え方が独特で、世間のリズムにいちいち合わせたりせず、基本的に超然としている（気がする）。あるいは『恋愛小説家』のジャック・ニコルソンみたいに、極端に気難しかったり毒舌だったりすることもある。実際の小説家がどうなのかはともかくとして、好ましからざる類型の域を出ないパブリックイメージとしては、そんなに外していないと思う。</p>
<p>つまり「変わっている」ということなのだが、少なくとも『ものするひと』に描かれている杉浦の生活はごくごく地味でまっとうだ。彼自身、目の前のできごとに当然のように動揺する、いわゆる「普通の人間」でしかない。</p>
<p>彼は単純に書くことが好きで、小説家には「やりたいことやってたらなってたんだよ」という。しかし恋愛や進路について思い悩み、新中野のサイゼリヤ（じゃないかな？　違うかな？）で安いワインを飲みながらダベる大学生のヨサノやマルヒラにとっては、単刀直入な杉浦の生き方がまぶしく映る。ある意味でありきたりな、だからこそ万人に響く葛藤と逡巡。純文学というあまり馴染みのない題材とは裏腹に、『ものするひと』はわりにオーソドックスな青春漫画なのかもしれない。雨の中を傘も刺さずに走ったりするし！</p>
<p>とはいえ、作者の技術力はありきたりの域をはるかに超えている。さらりとした線で微妙な表情の変化を表現する人物の描き方は高野文子みたいだし、各話ごとに工夫を凝らした見開きのバリエーションも素晴らしい。間取りを見せるための天井抜きなど漫画ならではの大胆なアングル、メリハリの効いた寄り引きの使い分けも巧みだ。登場人物をめぐるドラマももちろん興味深いけど、視覚的な愉しみひとつとっても、かなり読みでのある作品に仕上がっている。</p>
<h2 id="e3808ee38391e382bfe383bce382bde383b3e3808fe381a8e3808ee38282e381aee38199e3828be381b2e381a8e3808f-2">『パターソン』と『ものするひと』</h2>
<p>ところで。僕は『ものするひと』を読みながら、ジム・ジャームッシュ監督の映画『パターソン』のことを連想していた。このふたつの作品はたぶん、「ちょっと」と「そこそこ」の中間くらいのレベルで似ている。ひとまず、思いつくかぎりの類似点を並べてみよう。</p>
<p>言葉を使ってなにかを書く人を主役に据えているところ。それでいて、どちらも専業ではないところ。パターソン（アダム・ドライバー）と杉浦、ふたりとも背が高いところ。行きつけの店で友人とすごす時間を大切にしているところ。『パターソン』にメソッド・マン、『ものするひと』にヤマトくんと、ラッパーが端役で登場するところ。これくらいかな？　アーハン？</p>
<p>もちろん相違点も多々ある。パターソンには愛する妻と犬がいるけど、杉浦は30歳の独身男性だ。パターソンが書くのは詩で、杉浦が書くのは小説。そもそも『パターソン』は映画で『ものするひと』は漫画なのだから、単純に比較すること自体、あまり適切でも誠実でもないだろう。</p>
<p>それでも『パターソン』と『ものするひと』は似ている、と言い張らせてほしい。両作の最大の共通項は、パターソンと杉浦が生活上のあらゆる瞬間に書くことについて考えている、ないしは実際に書いているところだ。広義の「作家」をモチーフにした作品は山ほどあるけど、言語芸術の生成過程そのものをしっかりと描いたものはそう多くない。</p>
<p>創作する彼らの目、彼らの手、彼らの思考を観客（読者）は追体験し、自分まで高尚な人間になったような気分に……。いや、いくらなんでも大仰すぎるか。なんにせよ、作家が作家らしいことをしている場面をのぞき見るのは楽しい。彼らが小さい幸福や小さい失望を味わっている姿には、しみじみと愛おしい気持ちを喚起させるなにかがある。結局のところ、どんなことでも熱中している人っていいよね、僕たちも頑張ろうね、ということに尽きるのかもしれない。しんどいけれど。</p>
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<div class="booklink-name"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/4047350699/itwas0d-22/" target="_blank" rel="noopener">ものするひと 1 (ビームコミックス)</a></p>
<div class="booklink-powered-date">posted with <a href="https://yomereba.com" rel="nofollow noopener" target="_blank">ヨメレバ</a></div>
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<div class="booklink-detail">オカヤ イヅミ KADOKAWA 2018-03-12</div>
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		<title>【食戟のソーマ最新話レビュー】ついに導入されたスカウターシステム、第287話「コンビニの合戦」</title>
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		<dc:creator><![CDATA[沢野 奈津夫]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 12 Nov 2018 08:55:57 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[食戟のソーマ]]></category>
		<category><![CDATA[マンガ]]></category>
		<category><![CDATA[レビュー]]></category>
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	<a href="https://itwas.media/before-renewal/shokugekinosoma/review287"><img title="181112-sawano-1" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/11/181112-sawano-1-300x225.jpg" alt="【食戟のソーマ最新話レビュー】ついに導入されたスカウターシステム、第287話「コンビニの合戦」" width="300" height="225" /></a>
	</div>
	「ドラゴンボール」は戦闘力で強さを数値化したことで読者の心を惹き付けたが、そのせいで弱そうな方が勝つ！ というセットアップ展開が無くなってしまった。スカウターが壊れたり測定不能なレベルになったりと、戦闘力の存在自体を消し去っても、その後出てきた強敵が一体戦闘力いくつなのか？ は、読者の脳内についてまわる不純物となった。強さの数値化は、最初にそれをやったドラゴンボールだからやり遂げることができた諸刃の剣だ。 金額が戦闘力 そんな諸刃の剣に、「食戟のソーマ」が果敢にも挑戦。その数値は皿の価値、つまり値段だ。「THE BLUE」第二の門の課題は、「コンビニの商品を使って100ドル以上の価値ある皿を作ること」。審査員は、口にした料理にハッキ&#8230;]]></description>
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	<a href="https://itwas.media/before-renewal/shokugekinosoma/review287"><img title="181112-sawano-1" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/11/181112-sawano-1-300x225.jpg" alt="【食戟のソーマ最新話レビュー】ついに導入されたスカウターシステム、第287話「コンビニの合戦」" width="300" height="225" /></a>
	</div>
	<div class="theContentWrap-ccc"><p>「ドラゴンボール」は戦闘力で強さを数値化したことで読者の心を惹き付けたが、そのせいで弱そうな方が勝つ！ というセットアップ展開が無くなってしまった。スカウターが壊れたり測定不能なレベルになったりと、戦闘力の存在自体を消し去っても、その後出てきた強敵が一体戦闘力いくつなのか？ は、読者の脳内についてまわる不純物となった。強さの数値化は、最初にそれをやったドラゴンボールだからやり遂げることができた諸刃の剣だ。</p>
<p><span id="more-5966"></span></p>
<h2 id="e98791e9a18de3818ce688a6e99798e58a9b-1">金額が戦闘力</h2>
<p>そんな諸刃の剣に、「食戟のソーマ」が果敢にも挑戦。その数値は皿の価値、つまり値段だ。「THE BLUE」第二の門の課題は、「コンビニの商品を使って100ドル以上の価値ある皿を作ること」。審査員は、口にした料理にハッキリ値段を付けた。</p>
<p>創真が作った牛肉の大和煮の缶詰をメインに作った「即席！牛肉缶すき焼き御膳」は、「美味」とされながらも、審査員が付けた価値はマイナス14ドル（コンビニで使った商品代を払えとのこと）だった。いわく創真が作った皿は、「ただの足し算」だそう。つまり、食材と食材で味を足すのではなく、かけ算のように飛躍的に味のレベルをあげろということだろう。足しただけなんだから＋14ドルで良さそうだが、あえてマイナスにしたことになにか意味があるのかはよくわからない。</p>
<h2 id="e3808ce7a781e381aee688a6e99798e58a9be381af530000e381a7e38199e3808d-2">「私の戦闘力は530000です…」</h2>
<p>対する前一席の司瑛士は、惣菜ハンバーグ、チキンサラダ、冷凍パイシートを使用して「デミグラスソースで味わうビーフ&amp;チキンの共演」を作り上げた。これがなんと587ドル。合格ラインの6倍近い値段。日本円で約6万円だ。</p>
<p>通常の合格者よりも6倍美味い！ というのならまだいいのだが、この数字は値段。読者が感覚的に理解できるものであり、調べれば高級レストランでも1皿6万の料理なんて滅多にないことがわかってしまう。これは、戦闘力5のおっさんの300倍強い戦闘力1500のラディッツとはワケが違う。数字が持つ意味が明確すぎるのだ。</p>
<p>しかも司が作った料理はあくまでフレンチのコースの一皿。フル―コースだと10皿以上出てくるので、この品がメインで特に高い品だったとしても、司はコンビニ食材で50万以上の金額を取るコースを作ることが可能なのだ。明確かつ完全に、やらかしてしまっている。フリーザの「私の戦闘力は530000です…」よりも衝撃的な数字と言っていい。</p>
<p>今回のお題は、いつも厳しい「食戟のソーマ」の世界では珍しく、3回挑戦していいとのこと。ここから創真が100ドルを超える皿を作るのか、それとも587ドルを越える皿を作るのか、ハッキリ言ってそんなことはどうでも良くなってしまったが、いくらだったとしても「俺の皿はそんなに高いもんじゃねぇ」とかなんとか言って、皿に値段を付けること自体が間違っていたことを説得力ある形にしてまとめくれないと、今後の展開に響く。以後、値段を付けなくとも、壊れてしまった世界観は元に戻らないのだ。</p>
</div>]]></content:encoded>
					
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