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	<title>書評  |  いとわズ</title>
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	<title>書評  |  いとわズ</title>
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		<title>4コマの巨匠・いしいひさいちのストーリー漫画『ROCA 吉川ロカ ストーリーライブ』は百合を感じる大傑作</title>
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		<dc:creator><![CDATA[原田 イチボ]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 18 Oct 2022 10:30:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[書評]]></category>
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					<description><![CDATA[
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	<a href="https://itwas.media/before-renewal/book-review/roca"><img title="221017-harada-01" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2022/10/221017-harada-01-300x225.jpg" alt="4コマの巨匠・いしいひさいちのストーリー漫画『ROCA 吉川ロカ ストーリーライブ』は百合を感じる大傑作" width="300" height="225" /></a>
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	　いしいひさいちの新作漫画『ROCA 吉川ロカ ストーリーライブ』が絶賛の嵐を巻き起こし、8月に発売開始されてから約1か月で第3版が決定した。そう聞いて、「自分は漫画好きを自負しているが、『ROCA』なんて書店で見たことも聞いたこともない」と首をひねった人もいることだろう。それもそのはず。『ROCA』は自費出版による単行本で、入手するには、いしいの公式サイトなどからわざわざ通販を申し込まないといけないのだ。 　大御所作家が令和になぜそんな面倒なやり方を……と思わなくもないが、いしいといえば関西大学漫画同好会の出身で、同人文化とは馴染みが深く、近年はオリジナル作品限定の同人誌即売会「コミティア」にも出品している。『ROCA』を自費出版&#8230;]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
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	<a href="https://itwas.media/before-renewal/book-review/roca"><img title="221017-harada-01" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2022/10/221017-harada-01-300x225.jpg" alt="4コマの巨匠・いしいひさいちのストーリー漫画『ROCA 吉川ロカ ストーリーライブ』は百合を感じる大傑作" width="300" height="225" /></a>
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<p class="">　いしいひさいちの新作漫画『ROCA 吉川ロカ ストーリーライブ』が絶賛の嵐を巻き起こし、8月に発売開始されてから約1か月で第3版が決定した。そう聞いて、「自分は漫画好きを自負しているが、『ROCA』なんて書店で見たことも聞いたこともない」と首をひねった人もいることだろう。それもそのはず。『ROCA』は自費出版による単行本で、入手するには、いしいの公式サイトなどからわざわざ通販を申し込まないといけないのだ。</p>



<p class="">　大御所作家が令和になぜそんな面倒なやり方を……と思わなくもないが、いしいといえば関西大学漫画同好会の出身で、同人文化とは馴染みが深く、近年はオリジナル作品限定の同人誌即売会「コミティア」にも出品している。『ROCA』を自費出版にしたのは、きっと自然な選択だったのだろう。</p>



<span id="more-9326"></span>



<h2 class="wp-block-heading" id="e38184e38197e38184e381b2e38195e38184e381a1e6b581e381aee8908ce381884e382b3e3839e-1">いしいひさいち流の萌え4コマ!?</h2>



<p class="">　『ROCA』はいしいによるストーリー漫画だ。ポルトガルの国民歌謡「ファド」に魅せられたヒロイン・吉川ロカが歌手という夢を叶えるまでが瑞々しく描かれている。4コマ形式を基本にしつつ、時にはコマを4つ以外に割った形式も混じえ、ごく短いエピソードの連なりによってひとつのドラマを紡いでいくスタイルは、いわゆる“萌え4コマ”で有名な漫画雑誌『まんがタイムきらら』作品の構成を彷彿させる。</p>



<p class=""><em>※ちなみにいしいは、デビュー40周年記念ムック『いしいひさいち 仁義なきお笑い』（河出書房新社）掲載のロングインタビューで、「良くも悪くも4コマの最新形」「こうした新たな動きのあることはその分野の生きている証としてすばらしい」と萌え4コマに肯定的な発言をしている。</em></p>



<p class="">　『ROCA』を読んで『まんがタイムきらら』を思い出す理由は、もうひとつある。それは吉川ロカと柴島美乃の関係性だ。歌以外は「方向、スポーツ、勉強、オトコ」の全てがオンチなロカと、その同級生（何度も留年しているので実際は年上）の不良娘・美乃。何かと危なっかしいロカに対して、美乃は辛辣すぎるツッコミを入れながらも、なんだか危なげな稼業をしているらしき実家まで駆り出して親友の夢を応援する。デビューが決まったロカに美乃が「おまえはオレのシマだ」と彼女流の言葉選びでエールを送るのは、本作の名シーンのひとつ。凸凹コンビの結びつきには、百合のテイストすら感じられる。</p>



<h2 class="wp-block-heading" id="e3808ce983bde59088e381aee38288e38184e3818ae8a9b1e3808de381abe6b7b7e38196e3828be4b880e782b9e381aee381bee381bee381aae38289e381aa-2">「都合のよいお話」に混ざる一点の“ままならなさ”</h2>



<p class="">　もともと吉川ロカの物語は、朝日新聞『ののちゃん』の連載内連載として始まった。歌手を目指すキクチ食堂の新人バイト・吉川ロカはゆっくりと、しかし着実にステップアップしていき、やがてデビューを果たす。しかし、この一連のエピソードは不評だったらしい。いしいはシリーズが終了した当時、「朝日新聞のコアな読者にはたいへん評判がわるかった」「シンプルなハッピーエンドを描こうとしたのですが、確信犯とはいえ場所をまちがっていました」とコメントしていたという。</p>



<p class="">　とはいえ、「新聞ではやりにくかった部分」を埋めていった結果、『ROCA』という傑作単行本が生まれたならば結果オーライと言うべきか。ただ、『ROCA』は「シンプルなハッピーエンド」とは素直に言いづらい物語に仕上がっている。</p>



<p class="">　いしい自身は「これは、ポルトガルの国民歌謡『ファド』の歌手をめざすどうでもよい女の子がどうでもよからざる能力を見出されて花開く、というだけの都合のよいお話です」と単行文の序文につづっている。このメッセージは、決して間違いではない。たしかに『ROCA』とはそのような物語だ。しかし、作品を読み終えてみると、「なんと意地悪なメッセージなんだ」とどこか憎たらしくも感じてしまう。</p>



<p class="">　なぜなら、『ROCA』とは「都合のよいお話」に混ざる一点の“ままならなさ”にこそスポットライトを当てた物語だからだ。</p>



<p class="">　夢へと進む道のりの中で、ロカはいくつかの別れを経験する。そして、ついにブレイクの芽が見えたとき、美乃との関係もまた変化する。芸能界を生きるには不器用すぎて、マネージャーから「まったく『ウソをつかない』のもどうかと思うんだ」とお説教をくらうほど無垢だったロカは、歌手として成功するために“あるウソ”をつく。その切ない選択には読者としては胸を打たれると同時に、「あのポケーッとした少女がそうまでして歌手になりたいのか」と彼女の秘めたる野心にゾクゾクさせられもするのだった。</p>



<p class="">　それからロカと美乃がどうなったかは、わからない。夢の跡とも言うべき光景を描いたラストのコマが読者の想像をかき立てる。</p>



<p class="">　ところで「泣ける4コマ」といえば、業田良家『自虐の詩』が有名だが、こちらもまた女性ふたりの友情を大きなテーマにした作品だ。過去にいしいは注目する漫画家のひとりとして業田良家を挙げたこともあり、「『ROCA』執筆中に『自虐の詩』がふと頭によぎった瞬間もあったのだろうか？」と妄想がふくらむ。ただ、『自虐の詩』が“失わなかった物語”だとすれば、『ROCA』は“失った物語”。読後にはビターな余韻が残る。</p>



<p class="">　『自虐の詩』はより正確に表現するならば、“失ったと思っていたものをまた拾い上げる物語”だ。幸江と熊本さんだって、奇跡の再会を果たすことができた。ならば、ロカと美乃も一生はなればなれのままとは限らないじゃないか。</p>



<p class="">　ロカが歌うポルトガルの国民民謡「ファド」とは、宿命や運命を表す言葉だ。いずれ運命がふたりを再び引き合わせる――。いち読者として、そう祈りを込めて。</p>


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		<title>僕と京都とFebbと谷崎（下）</title>
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		<dc:creator><![CDATA[チョウ ウヒョン]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 27 Dec 2018 02:55:01 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[書評]]></category>
		<category><![CDATA[レビュー]]></category>
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					<description><![CDATA[
	<div>
	<a href="https://itwas.media/before-renewal/book-review/kyoto3"><img title="181227-cho-1" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/12/181227-cho-1-300x225.jpg" alt="僕と京都とFebbと谷崎（下）" width="300" height="225" /></a>
	</div>
	哲学の道を南端から北端まで歩いたが、特に哲学的な気持ちにはならなかった。Febbの死。谷崎の墓。2018年の2月16日はまだ続いている。 2月16日（金） 平日だというのに銀閣寺は観光客で賑わっていた。僕も含めて、半分以上がストレンジャーだった。銀閣寺はこれで3度目だが、びっくりするくらいなんの感慨も催さない。金閣寺には行ったことがない。68年前のどこかの見習い僧侶みたいに重大な用件でもない限り、死ぬまで足を運ぶことはないだろう。 抹茶味のソフトクリームを舐めながら、銀閣寺の近所にある京都朝鮮中高級学校まで歩いた。校門の前でくたびれた古い校舎とグラウンドを眺めていると、冗談抜きで、自分があらゆる誤謬ごびゅうの集積の前に立ち尽くしてい&#8230;]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
	<div>
	<a href="https://itwas.media/before-renewal/book-review/kyoto3"><img title="181227-cho-1" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/12/181227-cho-1-300x225.jpg" alt="僕と京都とFebbと谷崎（下）" width="300" height="225" /></a>
	</div>
	<div class="theContentWrap-ccc">哲学の道を南端から北端まで歩いたが、特に哲学的な気持ちにはならなかった。Febbの死。谷崎の墓。2018年の2月16日はまだ続いている。</p>
<p><span id="more-6267"></span></p>
<div class="dp_toc_container pos-before_first_h allow-toggle" role="navigation" data-margin="30"><p class="toc_title_block"><span class="toc_title icon-list">INDEX</span><span class="toc_toggle icon-up-open" role="button"></span></p><ul class="dp_toc_ul has_title"><li><a href="#2e69c8816e697a5efbc88e98791efbc89-1">2月16日（金）</a></li><li><a href="#12e69c8820e697a5efbc88e69ca8efbc89-2">12月20日（木）</a></li></ul></div><h2 id="2e69c8816e697a5efbc88e98791efbc89-1">2月16日（金）</h2>
<p>平日だというのに銀閣寺は観光客で賑わっていた。僕も含めて、半分以上がストレンジャーだった。銀閣寺はこれで3度目だが、びっくりするくらいなんの感慨も催さない。金閣寺には行ったことがない。68年前のどこかの見習い僧侶みたいに重大な用件でもない限り、死ぬまで足を運ぶことはないだろう。</p>
<p>抹茶味のソフトクリームを舐めながら、銀閣寺の近所にある京都朝鮮中高級学校まで歩いた。校門の前でくたびれた古い校舎とグラウンドを眺めていると、冗談抜きで、自分があらゆる<ruby>誤謬<rt>ごびゅう</rt></ruby>の集積の前に立ち尽くしているような気分になった。僕はいろいろなことを考え、そして忘れた。</p>
<p>タクシーで出町柳駅へ向かった。特になんの考えもなしに、外国人観光客に人気だという伏見稲荷大社へ行ってみようと思った。京阪電鉄の伏見稲荷駅で降りて、駅前のうどん屋できつねうどんをすすった。悪くはなかったが、期待を少しだけ下回る味だった。</p>
<p>日が傾いてきていた。勝手がよくわからないまま、おびただしい数の鳥居に覆われた稲荷山の階段を登りはじめた。結論から言うと、僕は稲荷山を舐めていた。汗だくでたどり着いた中腹あたりの休憩所で心が折れかけたが、ここまできたらもうやめられない。ダウンを脱いでがむしゃらに階段を登った。すれ違った和装のカップルが、ノートパソコンと書類と2週間分の着替えが詰まった僕の巨大なバッグパックを見て「ガチの登山の人じゃん」と笑った。だってガチの登山じゃん、と僕は心の中で反論した。</p>
<p>山頂に着いたころには完全に日が暮れていた。標高が高くなるにつれて、自販機の飲みものの値段も高くなるのが面白かった。山頂で大柄な白人女性に写真を頼まれた。あまり上手に撮ることができず、僕は2回「ワンモアタイム」と言った。ワンモアタイム。あっ、ソーリー、ワンモアタイム。オーケーオーケー、ソー・グッド。写真を確認した彼女の曖昧なリアクションで、なにもグッドではなかったことを理解した。</p>
<p>下りはとても楽だった。さきほどの休憩所で、京都の夜景を眺めていい感じになっている恋人たちの「めっちゃええやん」「じゃあ月イチで登るか？」「月イチは多いわ」という会話を聞いた。たしかに月イチは多い。完全に余計なお世話だが、年イチでも多いくらいだと思った。</p>
<p>JRの稲荷駅から京都駅へ向かった。できることならサンダーバードに乗って金沢に行きたかった。しかし大寒波の影響で日本海側は大雪だという。悩んだ結果、新幹線に乗って東京に帰ることにした。土産にすぐきの漬物を買った。帰りの新幹線の中で、Febbを追悼するjjjのつぶやきを読んだ。少し泣きそうになったが、涙は出なかった。そのかわり、jjjの2ndアルバム<strong>『<a href="https://amzn.to/2RnVEFw" target="_blank" rel="noopener">HIKARI</a>』</strong>に収録された「2024 feat.Fla$hBackS」は永遠のクラシックになった。</p>
<h2 id="12e69c8820e697a5efbc88e69ca8efbc89-2">12月20日（木）</h2>
<p>この日、jjjと盟友のSTUTSが作った2018年のアンセム、「Changes feat.JJJ」のミュージック・ビデオが公開された。僕はまたしても少し泣きそうになったが、やっぱり涙は出なかった。そういうものだ。</p>
</div>]]></content:encoded>
					
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		<title>僕と京都とFebbと谷崎（中）</title>
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		<dc:creator><![CDATA[チョウ ウヒョン]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 19 Dec 2018 10:30:56 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[書評]]></category>
		<category><![CDATA[レビュー]]></category>
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					<description><![CDATA[
	<div>
	<a href="https://itwas.media/before-renewal/book-review/kyoto2"><img title="181219-cho-1" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/12/181219-cho-1-300x225.jpg" alt="僕と京都とFebbと谷崎（中）" width="300" height="225" /></a>
	</div>
	2018年2月15日、Febbは亡くなった。24歳だった。 Febbの『The Season』は本当に素晴らしいアルバムだった。僕は故D.Lが絶賛している記事を目にしてから買ったはず（2014年の末くらいだった気がする）だから、決して耳が早かったわけではない。それでも、アルバムを3〜4回通しで聞いてからは、Febbの作る音楽をずっと追っていこうと決めていた。 遡って彼が所属するユニット・Fla$hBackSの『FL$8KS』、KID FRESINOの『HORSEMAN'S SCHEME』、さらにjjjの『Yacht Club』もチェックした。噂に違わず、Fla$hBackSの3人は全員が天才だった。 しかしそれぞれの1枚目のソロアル&#8230;]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
	<div>
	<a href="https://itwas.media/before-renewal/book-review/kyoto2"><img title="181219-cho-1" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/12/181219-cho-1-300x225.jpg" alt="僕と京都とFebbと谷崎（中）" width="300" height="225" /></a>
	</div>
	<div class="theContentWrap-ccc">2018年2月15日、Febbは亡くなった。24歳だった。</p>
<p>Febbの<strong>『<a href="https://amzn.to/2BsCLaA" target="_blank" rel="noopener">The Season</a>』</strong>は本当に素晴らしいアルバムだった。僕は故D.Lが絶賛している記事を目にしてから買ったはず（2014年の末くらいだった気がする）だから、決して耳が早かったわけではない。それでも、アルバムを3〜4回通しで聞いてからは、Febbの作る音楽をずっと追っていこうと決めていた。</p>
<p>遡って彼が所属するユニット・Fla$hBackSの『<a href="https://amzn.to/2BrUHCh" target="_blank" rel="noopener">FL$8KS</a>』、KID FRESINOの『<a href="https://amzn.to/2R1ZmEV" target="_blank" rel="noopener">HORSEMAN&#8217;S SCHEME</a>』、さらにjjjの『<a href="https://amzn.to/2ClUHVX" target="_blank" rel="noopener">Yacht Club</a>』もチェックした。噂に違わず、Fla$hBackSの3人は全員が天才だった。</p>
<p>しかしそれぞれの1枚目のソロアルバムの時点では、やはり『The Season』の骨の太さが群を抜いていたように思う。どんな魔法によるものかわからないが、Febbは19歳にして不穏さを結晶化したような異形の音楽を作り出していた。</p>
<p>僕はイベントにもめったに行かないし、音源もよっぽど話題になるか人に教えてもらうまでロクにチェックしない不真面目なHIP HOPリスナーだが、Febbはそんな人間にも一発で「ヤバい」と思わせる才能を持っていた。つまるところ、天才の中の天才だった。</p>
<p><span id="more-6211"></span></p>
<div class="dp_toc_container pos-before_first_h allow-toggle" role="navigation" data-margin="30"><p class="toc_title_block"><span class="toc_title icon-list">INDEX</span><span class="toc_toggle icon-up-open" role="button"></span></p><ul class="dp_toc_ul has_title"><li><a href="#2e69c8816e697a5efbc88e98791efbc89-1">2月16日（金）</a></li><li><a href="#12e69c8820e697a5efbc88e69ca8efbc89-2">12月20日（木）</a></li></ul></div><h2>2018年2月16日（金）</h2>
<p>京都リッチホテルをチェックアウトし、大荷物を背負って近くのバス停に向かった。まず南禅寺と禅林寺（永観堂）に行き、哲学の道を銀閣寺まで歩くつもりだった。途中、法然院の谷崎潤一郎の墓にも寄ろうと思っていた。</p>
<p>昔から寺社仏閣にはまったく興味がない。僕は「平等院鳳凰堂をつぶして駐車場を作ればいい」と書いた坂口安吾をリスペクトしているタイプの人間だ。神も仏も、幽霊も死後の世界も信じていない。だから寺めぐりも墓参りも本当はバカバカしいのだが、結局、京都でやることなんてそれくらいしかない。他になにかあるならぜひ教えてほしい。</p>
<p>南禅寺は3回目だった。時間はいくらでもあるのでゆっくりと見て回ったが、南禅寺は南禅寺でしかない。Febbの別名義「Young Mason」の名付け親であるNIPPSが言っていたように、言葉は言葉だし、神は神だ。だから南禅寺は南禅寺である。ただ、琵琶湖疏水の水路閣はロマンティックで悪くなかった。スマートフォンで何枚も風景の写真を撮った。平昌ではフィギュアスケート男子シングルのショートプログラムが行われていた。羽生結弦が1位になったことを禅林寺への移動中に知った。</p>
<p>禅林寺では寺そのものよりも、隣接した永観堂幼稚園の子どもたちがはしゃぐ声に癒された。2010年の秋に1人で京都に行ったとき、二条御所の近くで天理教のハッピを着た少年が絶叫しながら自転車を漕ぐ姿を見たことを思い出した。あの少年はもう成人しているのだろうか。幸せにはなれたのだろうか。ほとんど関係のない、でも少しだけ関係があるようなできごとを、どうしてこのタイミングで思い出すのか不思議だった。</p>
<p>哲学の道を歩きながら『The Season』を聞いた。煙たいトラックと剣呑かつ断片的なリリックが、意外なことに穏やかな風景とマッチした。何度聞いてもFebbのラップはべらぼうにいい。HIP HOPのど真ん中、正中線五段突きだ。</p>
<p>法然院の墓地には掃除のおじさんと僕のほかに誰もいなかった。生きている人間よりも、土に埋まった死人の方が圧倒的に多かった。まず九鬼周造の墓を見つけた。風雨に晒されてボロボロになった岩波文庫の『<a href="https://amzn.to/2CmN6qc" target="_blank" rel="noopener">「いき」の構造</a>』が置いてあった。九鬼周造の墓に九鬼周造の本を飾ってどうするのだろう。シュールなことをする人もいるものだ、と思った。</p>
<p>小さな蕾をつけた枝垂れ桜の下に「寂」と掘られた立派な墓石があった。谷崎の墓だ。僕は10代のころから谷崎が好きだった。山田風太郎の『<a href="https://amzn.to/2CnpeCY" target="_blank" rel="noopener">同日同刻</a>』によると、谷崎は太平洋戦争の開戦時に「マグロのトロのすごいやつ」を炙ったものを食べており、終戦前夜には永井荷風と2人ですき焼きをつついていたらしい。そのエピソードだけで信用に値すると思った。うろ覚えだが、谷崎は死の前夜も好物の鱧を食べていい気分になっていたそうだ。そんな谷崎のどのあたりが「寂」なのか、僕にはまったくわからない。</p>
<p>とにもかくにも『<a href="https://amzn.to/2Eu2cf6" target="_blank" rel="noopener">細雪</a>』は永遠のクラシックだ。『<a href="https://amzn.to/2EvRYuG" target="_blank" rel="noopener">少将滋幹の母</a>』も『<a href="https://amzn.to/2CnQGAF" target="_blank" rel="noopener">瘋癲老人日記</a>』も、短編なら「<a href="https://amzn.to/2A5Chrb" target="_blank" rel="noopener">過酸化マンガン水の夢</a>」も素晴らしい。初期と後期で谷崎の作風は大きく変わっており、僕は晩年の作品が好きだが、どこか不衛生で下品なところだけは一貫している。Febbはラリー・クラークとハーモニー・コリンの『<a href="https://amzn.to/2BsvkAi" target="_blank" rel="noopener">KIDS</a>』が好きだったそうだが、雑に考えれば谷崎も似たようなものだと思う。いや、いくらなんでも雑すぎるかもしれない。</p>
<p>墓地で休憩しながら、昨晩LINEでFebbの死を教えてくれた友人と電話をした。月並みな言葉しか出てこなかったが、僕たちは僕たちなりの方法で天才の死を悼んだ。人間は死ぬ。必ず死ぬ。谷崎も九鬼周造も河上肇も死んで、このあたりの土の下に骨が埋まっている。早いか遅いかの違いだけだ。ただ、早いか遅いかの違いだけだからこそ早逝は悲しい。わかりきったことだが、僕たちにはそれを再確認する時間が必要だった。</p>
<p>（下）に続く。</p>
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<div class="booklink-box">
<div class="booklink-image"></div>
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<div class="booklink-name"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/4101005133/itwas0d-22/" target="_blank" rel="noopener">細雪 (中) (新潮文庫)</a></p>
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		<title>僕と京都とFebbと谷崎（上）</title>
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		<dc:creator><![CDATA[チョウ ウヒョン]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 12 Dec 2018 09:30:42 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[書評]]></category>
		<category><![CDATA[レビュー]]></category>
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					<description><![CDATA[
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	<a href="https://itwas.media/before-renewal/book-review/kyoto"><img title="181212-cho-1" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/12/181212-cho-1-300x225.jpg" alt="僕と京都とFebbと谷崎（上）" width="300" height="225" /></a>
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	長堀橋駅から阪急電車で京都に向かった。2月だった。バレンタインデーでもあった。大阪・ミナミでの最後の仕事を終えて、僕は無職になろうとしていた。とても気分がよかった。1泊4500円の、京都リッチホテルというホテルを予約していた。価格帯からして、リッチな人間はまず使わないホテルだと思った。 河原町駅に着いたのは20時ごろだった。仕事道具のパソコンやら、大阪で過ごした2週間分の着替えやら、そこそこの大荷物を背負って、高瀬川沿いに木屋町通りを南下した。空腹だった。しかしなにを食べればいいのか、まったく見当がつかなかった。 2018年2月14日（水） ホテルはすぐに見つかったし、チェックインの手続きもスムーズだった。ただ、部屋のカギの開け方が&#8230;]]></description>
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	<div class="theContentWrap-ccc">長堀橋駅から阪急電車で京都に向かった。2月だった。バレンタインデーでもあった。大阪・ミナミでの最後の仕事を終えて、僕は無職になろうとしていた。とても気分がよかった。1泊4500円の、京都リッチホテルというホテルを予約していた。価格帯からして、リッチな人間はまず使わないホテルだと思った。</p>
<p>河原町駅に着いたのは20時ごろだった。仕事道具のパソコンやら、大阪で過ごした2週間分の着替えやら、そこそこの大荷物を背負って、高瀬川沿いに木屋町通りを南下した。空腹だった。しかしなにを食べればいいのか、まったく見当がつかなかった。</p>
<p><span id="more-6182"></span></p>
<div class="dp_toc_container pos-before_first_h allow-toggle" role="navigation" data-margin="30"><p class="toc_title_block"><span class="toc_title icon-list">INDEX</span><span class="toc_toggle icon-up-open" role="button"></span></p><ul class="dp_toc_ul has_title"><li><a href="#2018e5b9b42e69c8814e697a5efbc88e6b0b4efbc89-1">2018年2月14日（水）</a></li><li><a href="#2018e5b9b42e69c8815e697a5efbc88e69ca8efbc89-2">2018年2月15日（木）</a></li></ul></div><h2 id="2018e5b9b42e69c8814e697a5efbc88e6b0b4efbc89-1">2018年2月14日（水）</h2>
<p>ホテルはすぐに見つかったし、チェックインの手続きもスムーズだった。ただ、部屋のカギの開け方がよくわからず、ドアの前でしばし苦戦した。なんとか開くことは開いたが、正しい開け方は今もよくわかっていない。</p>
<p>荷物を置いてお茶と煙草で一息ついていたら、とてつもなく巨大な睡魔に襲われた。窓を開けて冷気を部屋に取り込むと、少しだけ目が覚めた。せっかく京都に来たんだから、なにかうまいものを食いたいと思った。しかし僕は京都のグルメ情報なんてひとつも知らない。とりあえず、現在地から半径500メートル以内の店を食べログでリサーチした。</p>
<p>ホテルから徒歩3分のお好み焼き屋で食事をとった。予想以上においしい店で、妙な意地を張らず素直に食べログを参考にした自分を褒めたいと思った。テレビでは平昌オリンピックのニュースがかかっていた。ショーン・ホワイトと平野歩夢の激闘。その日の午前中、大阪・日本橋のイルな喫茶店で、イルな店主と交わした会話を思い出した。平野が2本目のトリックを見事に成功させてトップに立った場面を、僕はその喫茶店で見ていたのだった。</p>
<p>「平野、ショーンに勝ちますよ。これは流石に金でしょう」</p>
<p>「兄ちゃん、わかってへんな。ショーン・ホワイト、あいつは天才や」</p>
<p>僕は「お前は誰やねん」と思ったが、特に反論はしなかった。するとホワイトは最終滑走で平野を逆転して、本当に金メダルをかっさらっていった。あの店主、いったい何者だったのだろう。とにもかくにも、僕はなにもわかっていなかった。もちろん今もなにもわかっていない。</p>
<p>食事を終えてコンビニで酒を買い、ホテルに戻った。ひとまず京都には2泊する予定だったが、その先のことはなにも決まっていない。なにせ無職だ。時間は腐るほどある。金は有限だが、行こうと思えばどこにでも行ける。ベッドに腰かけて発泡酒を飲みながら、あらためて自分が昂ぶっていることに気がついた。</p>
<h2 id="2018e5b9b42e69c8815e697a5efbc88e69ca8efbc89-2">2018年2月15日（木）</h2>
<p>翌朝は京阪電車の清水五条駅から出町柳駅に行った。叡山電車とケーブルカーとロープウェイを乗り継いで、比叡山に登るつもりだった。完全に『タモリ倶楽部』の影響だが、悪くない選択だと自分では思っていた。京都の北の方は行ったことがなかったし、ローカルな電車というのは乗っているだけで少しどきどきするものだ。</p>
<p>宝ヶ池駅を過ぎたころ、乗客がとても少なくなっていることに気がついた。少ないというか、僕1人しかいない。比叡山って人気がないんだな、とのんきに考えていたが、社内の張り紙を見て納得した。終点の八瀬比叡山口駅と山頂を結ぶ叡山ケーブルおよび叡山ロープウェイが、春まで休みなのだという。つまり自力で山登りでもするのでなければ、まったくの無駄足ということになる。とはいえ、比叡山の麓の空気は清らかでうまかった。高野川がさらさらと流れていて、これはこれで悪くないと思った。</p>
<p>寄り道もせずに出町柳に戻るのも癪なので、一乗寺で降りて有名らしい「恵文社」という本屋に行った。店員さんが真面目に働いているのが伝わってくる、とてもいい本屋だと思った。しかし僕には合わなかった（無職だからかもしれない）。ちなみに、「恵文社」にはヘイト本も愛国本も一切置いていなかった。結局、近所の他の古本屋に足を伸ばして金井美恵子の<strong>『<a href="https://amzn.to/2C5kCkP" target="_blank" rel="noopener">文章教室</a>』</strong>を買った。学生時代に一度読んだことのある本だが、発作的に再読してみたくなったのだ。</p>
<p>出町柳でパンを買い、鴨川デルタを眺めながらまったりしようとしたら、青豆とチーズのパンをトンビに強奪されるという事件が発生した。すぐ近くに座っていたカップルは恋愛に熱中していて、1人の無職がパンを失ったことになどまったく無関心だった。飛び石を眺めながら<strong>『<a href="https://amzn.to/2C6KVqw" target="_blank" rel="noopener">たまこラブストーリー</a>』</strong>のことを思い出して、ほんのりと苦い気持ちになった。そして夕暮れどきの鴨川沿いを四条まで歩いた。</p>
<p>京都にはお洒落な喫茶店がたくさんあるが、煙草を吸える店は少ない。京都という街に対するちょっとした憎悪を紛らわすようにコメダ珈琲に入って、さきほど買った『文章教室』を読み進めた。辛辣でバカバカしい、素晴らしい文章だと思った。そしてコメダ珈琲が無料で提供する地球上で一番うまい豆菓子をかじった。</p>
<p>夕食は前の晩と同じお好み焼き屋にした。多くの選択肢があったが、どれもあまり魅力的に思えず、同じ店で前日に食べなかったものを食べることを選んだ。せっかくの旅行先で2日続けて同じ店なんて愚かな行為かもしれないが、当時の僕には馬鹿げた行為によるチルアウトこそが必要だったのだ。店員さんはこちらのことを覚えていたが、一定の距離を保って接してくれた。もしまた京都に行くことがあったら、きっと同じように京都リッチホテルに泊まって、同じようにカギの開け方で苦戦し、同じようにあのお好み焼き屋に行くだろう。</p>
<p>前日同様、満足のいく食事を終えてホテルの部屋に戻ったとき、友人からLINEが送られてきていたことに気がついた。「Febbくん死んだ説が関係者間で流布されてる……」。「マジで……マジで？」。急いでTwitterを開いて検索をかけると、該当のつぶやきはすぐに見つかった。</p>
<blockquote class="twitter-tweet" data-lang="ja">
<p dir="ltr" lang="ja">Febbが死にました。御冥福をお祈りします。</p>
<p>— 18PRODUCTION Co.,Ltd (@18_PRODUCTION) <a href="https://twitter.com/18_PRODUCTION/status/964096575193542656?ref_src=twsrc%5Etfw">2018年2月15日</a></p></blockquote>
<p><script src="https://platform.twitter.com/widgets.js" async="" charset="utf-8"></script></p>
<p>僕はベッドに横たわって、そのつぶやきを反芻した。Febbが死にました。御冥福をお祈りします。それはつまり、どういうことだ？</p>
<p>（中）に続く。</p>
<div class="cstmreba">
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<div class="booklink-image"></div>
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<div class="booklink-name"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/4309405754/itwas0d-22/" target="_blank" rel="noopener">文章教室 (河出文庫―文芸コレクション)</a></p>
<div class="booklink-powered-date">posted with <a href="https://yomereba.com" target="_blank" rel="nofollow noopener">ヨメレバ</a></div>
</div>
<div class="booklink-detail">金井 美恵子 河出書房新社 1999-05</div>
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		<item>
		<title>【書評】漢 a.k.a. GAMI、SF作家になる――『北新宿2055』（東京キララ社・ヴァイナル文學選書）</title>
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		<dc:creator><![CDATA[チョウ ウヒョン]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 31 Oct 2018 02:55:29 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[書評]]></category>
		<category><![CDATA[レビュー]]></category>
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					<description><![CDATA[
	<div>
	<a href="https://itwas.media/before-renewal/book-review/kitashinjuku2055"><img title="181031-cho-01.JPG" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/10/181031-cho-01-300x169.jpg" alt="【書評】漢 a.k.a. GAMI、SF作家になる――『北新宿2055』（東京キララ社・ヴァイナル文學選書）" width="300" height="169" /></a>
	</div>
	あの漢さんが小説を書いた。「あの漢さん」と言われても誰だかわからないんだけど、という人はGoogleで「漢 a.k.a. GAMI」と検索してみてください。あなたのスマートフォンやパソコンは、こういった事態に対処するために存在しているのだから。 とにかく、日本のヒップホップ界の重要人物である漢さん――なぜかみんな「さん」という敬称を欠かさない――が初めて小説を書いた。東京キララ社の「ヴァイナル文學選書」という風変わりな企画のうちの1作、『北新宿2055』と銘打たれた対話篇による近未来SFが、この稀有なラッパーの小説家デビュー作だ。 「ヴァイナル文學選書」とは 「ヴァイナル文學選書」の第1弾「新宿歌舞伎町篇」の著者は石丸元章、海猫沢め&#8230;]]></description>
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	<div>
	<a href="https://itwas.media/before-renewal/book-review/kitashinjuku2055"><img title="181031-cho-01.JPG" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/10/181031-cho-01-300x169.jpg" alt="【書評】漢 a.k.a. GAMI、SF作家になる――『北新宿2055』（東京キララ社・ヴァイナル文學選書）" width="300" height="169" /></a>
	</div>
	<div class="theContentWrap-ccc">あの漢さんが小説を書いた。「あの漢さん」と言われても誰だかわからないんだけど、という人はGoogleで「漢 a.k.a. GAMI」と検索してみてください。あなたのスマートフォンやパソコンは、こういった事態に対処するために存在しているのだから。</p>
<p>とにかく、日本のヒップホップ界の重要人物である漢さん――なぜかみんな「さん」という敬称を欠かさない――が初めて小説を書いた。東京キララ社の<strong>「<a href="http://tokyokirara.com/information/1958/" target="_blank" rel="noopener">ヴァイナル文學選書</a>」</strong>という風変わりな企画のうちの1作、『北新宿2055』と銘打たれた対話篇による近未来SFが、この稀有なラッパーの小説家デビュー作だ。</p>
<p><span id="more-5854"></span></p>
<div class="dp_toc_container pos-before_first_h allow-toggle" role="navigation" data-margin="30"><p class="toc_title_block"><span class="toc_title icon-list">INDEX</span><span class="toc_toggle icon-up-open" role="button"></span></p><ul class="dp_toc_ul has_title"><li><a href="#e3808ce383b4e382a1e382a4e3838ae383abe69687e5adb8e981b8e69bb8e3808de381a8e381af-1">「ヴァイナル文學選書」とは</a></li><li><a href="#e4ba88e683b3e4bba5e4b88ae381abe381a1e38283e38293e381a8e38197e3819fsfe5b08fe8aaac-2">予想以上にちゃんとしたSF小説</a></li></ul></div><h2 id="e3808ce383b4e382a1e382a4e3838ae383abe69687e5adb8e981b8e69bb8e3808de381a8e381af-1">「ヴァイナル文學選書」とは</h2>
<p>「ヴァイナル文學選書」の第1弾「新宿歌舞伎町篇」の著者は石丸元章、海猫沢めろん、漢 a.k.a. GAMI、菊地成孔の4人。すべての作品が新宿を舞台にした掌編小説で、なおかつ新宿の書店等でしか流通しないという特異な販売形態になっている。バラ刷りの紙をビニールで密封する意味はよくわからない（一度開封して取り出したら死ぬほどしまいにくい）が、ヴァイナル文學という響きがシブいのでよしとする。</p>
<p>漢さんの自伝<strong>『<a href="https://amzn.to/2CPjvq4" target="_blank" rel="noopener">ヒップホップ・ドリーム</a>』</strong>（河出書房新社）を読んだときから、僕はずっと「漢さんがガチで小説を書けば芥川賞くらい余裕っしょ」と半ば本気で思っていたし、ヒップホップ＆文学フリークの友人ともしばしばそんな話をしていた。物書きにはいろんなタイプがいるが、経験したことを語るだけで一定以上のスコアを叩き出せる人間はそう多くない。</p>
<p>イリーガルなビジネスについて「観葉植物を売っていた」などと表現するユーモアひとつとっても、小説家志望のワナビーには決して辿り着けない迫真のリアリティがある。そんな漢さんがついに小説を書いたのだ。僕はすぐに新宿の紀伊国屋書店で『北新宿2055』を購入し、ヴァイナルのテープを剥がしてバラバラの頁を1枚ずつめくっていった。</p>
<h2 id="e4ba88e683b3e4bba5e4b88ae381abe381a1e38283e38293e381a8e38197e3819fsfe5b08fe8aaac-2">予想以上にちゃんとしたSF小説</h2>
<p>『北新宿2055』にはいわゆる「地の文」が一切存在しない。全編が「とあるジャーナリストによる、2055年の北新宿で暮らすKという人物へのインタビュー」という体裁のダイアローグで、日本近代文学的な情景描写や心理描写は皆無。いくら漢さんが小説の専門家ではないとはいえ、この思い切りのよさにはいささか面食らった。</p>
<p>延々と続くジャーナリストとKの質疑応答。そこで次第に北新宿という地域の特殊性、さらに「鎖国ルール」という独自の風習の異常さが浮き彫りになっていくのだが、なによりもまずインタビュー中の険悪な雰囲気の演出が実にうまい。地の文をカットしたことで、むしろビーフ（論争）のリズム感、両者の思想の違いが前面に押し出されている。</p>
<p>ジャーナリストの善良でリベラルな価値観と、Kの前近代的な価値観の衝突。これが『北新宿2055』の対話の軸になっている。しかしKをはじめとした北新宿の人々は、国家が定める法律よりも地元愛や仲間意識といったものを重んじており、ある意味できわめて原理主義的なリベラリストでもある。このツイストに漢さんがどれくらい自覚的だったのかはわからないが、「にわかリベラル」な良識派が幅を利かせる昨今の風潮には、やはりうんざりすることが多いのかもしれない。</p>
<p>北新宿の「鎖国ルール」というのは、『ヒップホップ・ドリーム』で語られていた「MSCのルール」に調整を加えて広く街のレベルにまで<ruby>敷衍<rt>ふえん</rt></ruby>したものだと考えられる。漢さんが追い求めたヒップホップ・マナーの終着点が、『北新宿2055』においてはディストピア的なものとして表現されているのは興味深い。ヒップホップにどっぷりと浸かりながらそれを<ruby>鳥瞰<rt>ちょうかん</rt></ruby>できる作者の怜悧さが、安ピカレスクに堕しかねない題材に「文学」らしい噛みごたえをもたらしている。</p>
<p>また、北新宿を仕切る謎の組織の名前が黒塗りで潰されているのも面白い。同じラッパー、同じ黒塗りでもケンドリック・ラマーが来日したときのシリアスな「黒塗り広告」とはまるで別種の、どこかひょうきんで子供じみた手口だ。作品全体のトラッシュ感を何倍にも増幅させる『実話ナックルズ』的なお遊びを平然と採用する芯の太さに、心からのリスペクトを捧げずにはいられない。</p>
<p>『ヒップホップ・ドリーム』を読むまでもなく、少しググれば明らかにヤバい人だとわかる漢 a.k.a. GAMI。しかし『北新宿2055』はヤバい人が書いた小説のわりにはヤバくない、すぐれて現代的かつ理知的なSF作品だった。ちなみに「ヴァイナル文學選書」は見た目がやたらカッコいいので、部屋に飾るイキりオブジェとしてもオススメです。</p></div>]]></content:encoded>
					
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		<item>
		<title>【書評】竹宮ゆゆこの話をすると長くなる――『あなたはここで、息ができるの？』</title>
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		<dc:creator><![CDATA[チョウ ウヒョン]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 24 Oct 2018 02:55:25 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[書評]]></category>
		<category><![CDATA[レビュー]]></category>
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					<description><![CDATA[
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	<a href="https://itwas.media/before-renewal/book-review/can-you-breathe-here"><img title="181023-cho-01" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/10/181023-cho-01-300x225.jpg" alt="【書評】竹宮ゆゆこの話をすると長くなる――『あなたはここで、息ができるの？』" width="300" height="225" /></a>
	</div>
	竹宮ゆゆこの話をすると長くなる。もちろんなるべく手短に、かつ穏便にすませたい。それでもぼちぼち長くなるだろう。僕は竹宮ゆゆこのオタクだから。 あらかじめ結論から言っておくと、僕はこの小説『あなたはここで、息ができるの？』（新潮社）を上手に褒めることができない。好きな作家の初めてのハードカバーだし、褒めたいのは山々なんだけど、こういうときに自分の気持ちに嘘をついてもいいことはあまりない。 上手に褒めることができないのには理由がある。でもその話をすると無限に長くなってしまう（僕がどれだけ無能なのかとか、そういう話になる）から、とりあえず要点だけ書くことにする。つまるところ僕としては、ワンアイデアで勝負をかけるようなものではなく、もう少し&#8230;]]></description>
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	<a href="https://itwas.media/before-renewal/book-review/can-you-breathe-here"><img title="181023-cho-01" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/10/181023-cho-01-300x225.jpg" alt="【書評】竹宮ゆゆこの話をすると長くなる――『あなたはここで、息ができるの？』" width="300" height="225" /></a>
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	<div class="theContentWrap-ccc">竹宮ゆゆこの話をすると長くなる。もちろんなるべく手短に、かつ穏便にすませたい。それでもぼちぼち長くなるだろう。僕は竹宮ゆゆこのオタクだから。</p>
<p>あらかじめ結論から言っておくと、僕はこの小説<strong>『<a href="https://amzn.to/2CwsoVg" target="_blank" rel="noopener">あなたはここで、息ができるの？</a>』</strong>（新潮社）を上手に褒めることができない。好きな作家の初めてのハードカバーだし、褒めたいのは山々なんだけど、こういうときに自分の気持ちに嘘をついてもいいことはあまりない。</p>
<p>上手に褒めることができないのには理由がある。でもその話をすると無限に長くなってしまう（僕がどれだけ無能なのかとか、そういう話になる）から、とりあえず要点だけ書くことにする。つまるところ僕としては、ワンアイデアで勝負をかけるようなものではなく、もう少しじっくりと人間の生活に寄り添ったタイプの作品が読みたかったのだ。まあ、すべて個人的な欲望だから、なにを言っても詮ないことではあるんだけど。</p>
<p><span id="more-5793"></span></p>
<div class="dp_toc_container pos-before_first_h allow-toggle" role="navigation" data-margin="30"><p class="toc_title_block"><span class="toc_title icon-list">INDEX</span><span class="toc_toggle icon-up-open" role="button"></span></p><ul class="dp_toc_ul has_title"><li><a href="#e7abb9e5aeaee38286e38286e38193e381aee9a39fe381b9e38282e381aee381aee8a9b1-1">竹宮ゆゆこの食べものの話</a></li><li><a href="#e3808ce69687e5ada6e28992e6adbbe3808de381bfe3819fe38184e381aae69687e5ada6e8a6b3efbc9f-2">「文学≒死」みたいな文学観？</a></li><li><a href="#e3808ee381a8e38289e38389e383a9efbc81e3808fe381ae10e5b9b4e5be8ce381aee382aae382bfe382afe3819fe381a1-3">『とらドラ！』の10年後のオタクたち</a></li></ul></div><h2 id="e7abb9e5aeaee38286e38286e38193e381aee9a39fe381b9e38282e381aee381aee8a9b1-1">竹宮ゆゆこの食べものの話</h2>
<p>いいところもたくさんある。たとえばドラゴンボールの喩え話のくだり。現代の20歳の女子大生がドラゴンボールを読んでいるかどうかはわからないけど、ギャグの雑さがいかにも竹宮ゆゆこ的で素晴らしい。あと、グロテスクな描写をポップに読ませる文章のグルーヴ感。これも素晴らしい。初期の舞城王太郎のようなヴァイブスの高さでゴリゴリと攻めてくる。でも、あえてドラゴンボールに喩えるなら、筋肉を増やしすぎたトランクス的な趣がないでもない。</p>
<p>基本的に、この作者は当たり前の話を楽しく読ませるのがうまい。とみに、食べものが絡むとその特長はさらに輝きを増す。『とらドラ！』の高須竜児の料理、スピンオフの「ラーメン食いたい透明人間」、『ゴールデンタイム』1巻のゆで卵、『知らない映画のサントラを聴く』のさきいかやスパゲッティ、『あしたはひとりにしてくれ』のおやつにぼし、『おまえのすべてが燃え上がる』のステーキ、『応えろ生きてる星』のフライドポテトで食べるパフェ、あるいはおうちデートの手料理とワイン、あるいは……。</p>
<p>『あなたはここで、息ができるの？』にも印象的な食べものがいくつか登場する。トムヤムクンヌードル、シロップをたっぷりと入れたアイスカフェオレ、焦がしてしまった鍋焼きうどん、人気店のラーメン。それらは単に食べたり飲んだりするために存在するのではなく、それぞれが<ruby>符牒<rt>ふちょう</rt></ruby>としての役割を担っている。いや、この作品に関しては堂々とタネを明かしているので、符牒という表現は適切ではないかもしれない。というか、『あなたはここで、息ができるの？』は全編がタネ明かしみたいな小説だ。結末は最初から決まっていて、ネタバレもなにもない。それ自体は決して悪いことではないけど、しかし、やはりいろんなことが引っかかる。</p>
<p>果たしてこれが「絶対、最強の恋愛小説」でいいんだろうか？ なにか違う方法があったのではないか？ 単純に、僕がオタク特有の無益なナイーブさを引きずっているだけなのかな？</p>
<h2 id="e3808ce69687e5ada6e28992e6adbbe3808de381bfe3819fe38184e381aae69687e5ada6e8a6b3efbc9f-2">「文学≒死」みたいな文学観？</h2>
<p>ライトノベルからライト文芸、一般文芸と「文学的なもの」に接近するにつれて、竹宮ゆゆこはやたらと人間の死について書くようになった。『<strong><a href="https://amzn.to/2POHoSh" target="_blank" rel="noopener">砕け散るところを見せてあげる</a></strong>』も『<strong><a href="https://amzn.to/2CyG8yW" target="_blank" rel="noopener">おまえのすべてが燃え上がる</a></strong>』も、言及する必要があるとは思えないようなところにまで踏み込んで、生きるや死ぬやの話をしている。前作の『<strong><a href="https://amzn.to/2ytkTM6" target="_blank" rel="noopener">応えろ生きてる星</a></strong>』は誰も死なない話で安心していたのに、今作では死そのものが「ドン！」と中心に据えられている。なんだかバックラッシュのようだ。</p>
<p>きっと作家として避けては通れないテーマなんだろう。ただ、冗談抜きで100万回はコスられた大ネタをさらにコスろうとするなら、もう少し粘りというか、真に迫るようなところを見せてほしかった。親友の死が作品全体に適切な重力をもたらしていた『<strong><a href="https://amzn.to/2PK1T2l" target="_blank" rel="noopener">知らない映画のサントラを聴く</a></strong>』に比べて、『あなたはここで、息ができるの？』の死はどうにも実感が乏しく、終幕まで妙にふわふわした印象を与える。それが狙い通りなのか、失敗なのかは僕にはわからない。</p>
<p>わからないという話をするなら、そもそもなぜ新潮社から出すハードカバーの1冊目に、ほとんどアイデア一発勝負のような中編小説を選んだのかも正直よくわからない。たしかに文章表現はこれまでになく野心的だし、語り手の脳みそがこぼれ落ちているのに陰惨じゃないのは凄いと思うし、なにもかもそのために用意された仕掛けだと考えれば納得はできるけど……。</p>
<h2 id="e3808ee381a8e38289e38389e383a9efbc81e3808fe381ae10e5b9b4e5be8ce381aee382aae382bfe382afe3819fe381a1-3">『とらドラ！』の10年後のオタクたち</h2>
<p>たとえ『あなたはここで、息ができるの？』が期待していたような作品じゃなくても、僕は今後も竹宮ゆゆこガチャを回し続けるだろう。いつか直木賞なんかを受賞してくれたら嬉しいし、直木賞じゃなくても嬉しい。別に賞なんてなくても、新作を定期的に出してくれるだけでいいのだ。僕はただのオタクだから。</p>
<p>もしまた竹宮ゆゆこの話をする機会があれば、そのときはもっと有意義な話――川嶋亜美ちゃんの崇高さについての話とか――をしたい。それがいたずらに過去を美化したありがちな懐古趣味だったとしても、しぶとく生きていくためにはピースでポジティブなサムシングが必要なのだ。人生がそういうふうにできていることを、『とらドラ！』になにかを食らったオタクたちは今さら理解しはじめている。</p>
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<div class="booklink-name"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/4103521112/itwas0d-22/" target="_blank" rel="noopener">あなたはここで、息ができるの?</a></p>
<div class="booklink-powered-date">posted with <a href="https://yomereba.com" rel="nofollow noopener" target="_blank">ヨメレバ</a></div>
</div>
<div class="booklink-detail">竹宮 ゆゆこ 新潮社 2018-10-22</div>
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		<title>【書評】すべてのサッカーファンと、サッカーファンではない人のための小説――津村記久子『ディス・イズ・ザ・デイ』</title>
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		<dc:creator><![CDATA[チョウ ウヒョン]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 03 Oct 2018 02:55:07 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[書評]]></category>
		<category><![CDATA[サッカー]]></category>
		<category><![CDATA[レビュー]]></category>
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	<a href="https://itwas.media/before-renewal/book-review/this-is-the-day"><img title="181002-cho-01" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/10/181002-cho-01-300x172.jpg" alt="【書評】すべてのサッカーファンと、サッカーファンではない人のための小説――津村記久子『ディス・イズ・ザ・デイ』" width="300" height="172" /></a>
	</div>
	津村記久子の『ディス・イズ・ザ・デイ』（朝日新聞出版）の素晴らしさについては、僕なんかが力説するまでもなくすでに方々で話題になっているし、読めばわかるからとにかく読んでほしい、くらいしか言えることはないのだけれど、それでも本当にため息が出るほど素晴らしいので、やはりオススメしないわけにはいかないとも思う。 そう、とにかく読めばわかる。なんなら今すぐブラウザを閉じて書店に直行して『ディス・イズ・ザ・デイ』を購入し、最寄りのスターバックスやコメダやタリーズやドトールやサンマルクやベローチェやシャノアールのコーヒー1杯で2時間ほど粘って、ひとまず読めるところまで読んでみてほしい。 そこからさらにガストでもデニーズでもジョナサンでもサイゼリ&#8230;]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
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	<a href="https://itwas.media/before-renewal/book-review/this-is-the-day"><img title="181002-cho-01" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/10/181002-cho-01-300x172.jpg" alt="【書評】すべてのサッカーファンと、サッカーファンではない人のための小説――津村記久子『ディス・イズ・ザ・デイ』" width="300" height="172" /></a>
	</div>
	<div class="theContentWrap-ccc">津村記久子の『ディス・イズ・ザ・デイ』（朝日新聞出版）の素晴らしさについては、僕なんかが力説するまでもなくすでに方々で話題になっているし、読めばわかるからとにかく読んでほしい、くらいしか言えることはないのだけれど、それでも本当にため息が出るほど素晴らしいので、やはりオススメしないわけにはいかないとも思う。</p>
<p>そう、とにかく読めばわかる。なんなら今すぐブラウザを閉じて書店に直行して『ディス・イズ・ザ・デイ』を購入し、最寄りのスターバックスやコメダやタリーズやドトールやサンマルクやベローチェやシャノアールのコーヒー1杯で2時間ほど粘って、ひとまず読めるところまで読んでみてほしい。</p>
<p>そこからさらにガストでもデニーズでもジョナサンでもサイゼリヤでもロイヤルホストでも、適当なファミレスでフライドポテトかなにかをつまみながらエピローグまで一気に読み終え、読後の余韻に浸りつつ内巻敦子のイラストをあらためて見返すなり各チームの勝ち点を計算するなりして1日の半分を費やしても、絶対に後悔はしない作品だと断言できる。これは決してオーバーな表現ではないよ、兄弟。</p>
<p><span id="more-5561"></span></p>
<div class="dp_toc_container pos-before_first_h allow-toggle" role="navigation" data-margin="30"><p class="toc_title_block"><span class="toc_title icon-list">INDEX</span><span class="toc_toggle icon-up-open" role="button"></span></p><ul class="dp_toc_ul has_title"><li><a href="#e38199e381b9e381a6e381aee382b5e38383e382abe383bce38395e382a1e383b3e381ab-1">すべてのサッカーファンに</a></li><li><a href="#e38199e381b9e381a6e381aee382b5e38383e382abe383bce38395e382a1e383b3e381a7e381afe381aae38184e4babae381ab-2">すべてのサッカーファンではない人に</a></li></ul></div><h2 id="e38199e381b9e381a6e381aee382b5e38383e382abe383bce38395e382a1e383b3e381ab-1">すべてのサッカーファンに</h2>
<p>『ディス・イズ・ザ・デイ』には、架空のクラブチームを応援するサポーターたちの物語が記されている。舞台はJ2をモデルとしたプロサッカーの2部リーグ（全22チーム）。この“実際には存在しない22のクラブチーム”のホームタウンのチョイス、そしてエンブレムやマスコットのデザインがまず秀逸だ。</p>
<p>たとえば福井県の鯖江市がホームタウンの「鯖江アザレアSC」の場合、特産品の眼鏡をかけたレッサーパンダの「つつちゃん」がマスコットとして登場し、重要な役どころを担う。鯖江に限らず、なぜ現実の遠野や川越や呉にはプロのクラブチームがないのだろう、と読み手に思わせるほどのマジックリアリズム的な立体感――ひとつひとつの設定の緻密さと、地域ごとの特色や方言によるオフビート感――が、この作品ならではのユニークなバイブスを生み出している。</p>
<p>タイトルの『ディス・イズ・ザ・デイ』というのは2部リーグの第42節、つまり最終節が行われる1日のことを指す。ただでさえ感慨深いシーズンのラストゲーム。熾烈な昇降格争いの只中にある各クラブとサポーターにとっては、なおさら特別な日であることは説明するまでもないだろう。</p>
<p>現実のJリーグでも、J1・J2の昇降格争いが佳境を迎えている。特に今年のJ1は最下位のV・ファーレン長崎から9位の清水エスパルスまで、勝ち点10の間に10チームがひしめく大混戦となっており、各クラブのサポーターは最終節まで悶々とした日々を過ごすに違いない。</p>
<p>『ディス・イズ・ザ・デイ』は、愛するクラブチームの試合結果に一喜一憂する人々の急所に突き刺さる小説だ。もちろん、昇降格とはあまり関係のないクラブのサポーターや、特定の贔屓クラブを持たないサッカー好きにとっても、身につまされる挿話が数多く含まれている。</p>
<p>横浜フリューゲルスの消滅のような“大ネタ”はもちろんのこと、2014年のプレーオフ準決勝で山岸範宏が決めたヘディングなどの“小ネタ”も見事にサンプリング。チャントやスタジアムグルメについての描写も正確で、ひとつひとつのディティールに思わずニヤリとしてしまう読者も少なくないはずだ。</p>
<h2 id="e38199e381b9e381a6e381aee382b5e38383e382abe383bce38395e382a1e383b3e381a7e381afe381aae38184e4babae381ab-2">すべてのサッカーファンではない人に</h2>
<p>シーズンの最終試合をスタジアムで観戦する人々がそこに至るまでの経緯と心情を、手練れの津村記久子は大仰すぎず淡白すぎない端正な文体で記述していく。ほとんどの登場人物には当たり前に悩みや葛藤があるのだけれど、現実と同様に、応援するクラブチームの勝ち負けによってそのすべてが一挙に解決するわけではない。</p>
<blockquote><p><em>「ネットで見たけど、人を幸せにするのが趣味？」「どうかな。幸せにするまでの力はないけどね」「そやね。私も頭噛んでもらったけど、幸せってまでにはなってへんわ」</em></p></blockquote>
<p>ひとつのシークエンスが終わり、新しいなにかがはじまる瞬間。作中の表現を借りるなら、「いろいろとけっこうましになる」瞬間。作者はその瞬間の感情の機微をサッカーという舞台装置を使って丁寧にすくい上げ、嫌味のない清涼なドラマとして成立させている。</p>
<p>先に書いたことと少し矛盾してしまうけれど、この小説を楽しめるかどうかと、読み手がサッカーファンであるかどうかはたぶん、ほとんど関係がない。要するに、目の前のフィクションを信じることができればいい――サッカーはその手助けをしてくれる――のだ。そして『ディス・イズ・ザ・デイ』は間違いなく信用に値するフィクションである、とあらためて強調しておきたい。</p>
<p>第8話の「また夜が明けるまで」はとても美しいロードムービーだし、第10話の「唱和する芝生」は甘酸っぱい青春小説でとにかく最高だ。第7話の「権現様の弟、旅に出る」のデタラメなファンシーさ（41節まで全試合引き分けというのは、いささか怪奇すぎる気もする）も素晴らしいし、すべてがあるべきところに<ruby>収斂<rt>しゅうれん</rt></ruby>するエピローグの「昇格プレーオフ」はべらぼうに胸に染みる。そこにはサッカーの知識の有無をはるかに超越した、読み物としての愉しみがある。</p>
<p>だからすべてのサッカーファンもサッカーファンではない人も、今すぐ本屋にダッシュして『ディス・イズ・ザ・デイ』を読むべきなのだ。そして読了後はサイゼリヤの間違い探しにでも熱中すればいいのだ。もしそういう時間を過ごすために人生が存在するんだとしたら、少しは長生きしてもいいと思えないか？ 兄弟。</p>
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<p><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/4022515481/itwas0d-22/" target="_blank" rel="noopener">ディス・イズ・ザ・デイ</a></p>
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<div class="booklink-detail">津村記久子 朝日新聞出版 2018-06-07</div>
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		<title>【ロシアW杯全部見る】『砕かれたハリルホジッチ・プラン』の正しい使い方</title>
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		<dc:creator><![CDATA[チョウ ウヒョン]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 14 Jul 2018 11:25:42 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[2018W杯全部見る]]></category>
		<category><![CDATA[2018サッカーW杯]]></category>
		<category><![CDATA[書評]]></category>
		<category><![CDATA[サッカー]]></category>
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	<a href="https://itwas.media/before-renewal/book-review/broken-vahid-halilhodzic"><img title="180714-cho-01" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/07/180714-cho-01-300x151.jpg" alt="【ロシアW杯全部見る】『砕かれたハリルホジッチ・プラン』の正しい使い方" width="300" height="151" /></a>
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	嘘か本当かわかりませんが、1980年代には浅田彰の『構造と力』を片手にナンパする男がいた、という話を聞いたことがあります。本当だとしたらめちゃくちゃな時代ですね。でも、もしそんなクソダサい手法が現代においても通用するならば、僕は『砕かれたハリルホジッチ・プラン』と『モダンサッカーの教科書』を小脇に抱えて女性に声をかける不審者になりたい。そう思って毎日を生きています。 新しい時代の言葉たち 日本サッカーのニュー・アカデミズム。そう表現するのが適切かどうかわかりませんが、質的にも量的にも、明らかにこれまでとは異なったレベルでサッカーをめぐる言葉が飛び交う世の中になっています。特徴的なのは、松木安太郎の居酒屋解説やセルジオ越後の難癖を楽し&#8230;]]></description>
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	<a href="https://itwas.media/before-renewal/book-review/broken-vahid-halilhodzic"><img title="180714-cho-01" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/07/180714-cho-01-300x151.jpg" alt="【ロシアW杯全部見る】『砕かれたハリルホジッチ・プラン』の正しい使い方" width="300" height="151" /></a>
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	<div class="theContentWrap-ccc">嘘か本当かわかりませんが、1980年代には浅田彰の『構造と力』を片手にナンパする男がいた、という話を聞いたことがあります。本当だとしたらめちゃくちゃな時代ですね。でも、もしそんなクソダサい手法が現代においても通用するならば、僕は『砕かれたハリルホジッチ・プラン』と『モダンサッカーの教科書』を小脇に抱えて女性に声をかける不審者になりたい。そう思って毎日を生きています。</p>
<p><span id="more-4634"></span></p>
<div class="dp_toc_container pos-before_first_h allow-toggle" role="navigation" data-margin="30"><p class="toc_title_block"><span class="toc_title icon-list">INDEX</span><span class="toc_toggle icon-up-open" role="button"></span></p><ul class="dp_toc_ul has_title"><li><a href="#e696b0e38197e38184e69982e4bba3e381aee8a880e89189e3819fe381a1-1">新しい時代の言葉たち</a></li><li><a href="#e3838fe383aae383abe3839be382b8e38383e38381e381aee6898be88595e38292e79fa5e3828b-2">ハリルホジッチの手腕を知る</a></li><li><a href="#e38193e381aee5a4b1e69597e8ab87e38292e5bdb9e7ab8be381a6e3828be3819fe38281e381ab-3">この失敗談を役立てるために</a></li></ul></div><h2 id="e696b0e38197e38184e69982e4bba3e381aee8a880e89189e3819fe381a1-1">新しい時代の言葉たち</h2>
<p>日本サッカーのニュー・アカデミズム。そう表現するのが適切かどうかわかりませんが、質的にも量的にも、明らかにこれまでとは異なったレベルでサッカーをめぐる言葉が飛び交う世の中になっています。特徴的なのは、松木安太郎の居酒屋解説やセルジオ越後の難癖を楽しんでいた層を困惑させる、まるで耳馴染みのないテクニカルターム。ザッケローニの「インテンシティ」くらいまでは、スポーツ新聞の購買層にもまだ理解できたかもしれません。しかしここ数年で、トランジション、ポジショナルプレー、5レーン理論、ハーフスペース、ペップ・コードにゲーゲンプレッシングと、欧州サッカーのトレンドからさまざまな用語が輸入され、専門家とディープなファンが織りなす議論、とりわけ戦術論はきわめて難解なものにシフトしつつあります。</p>
<p>「モー、よくわからん！　おじさんは帰るっ！」</p>
<p>東海林さだお先生のエッセイならこんなノリで雑にまとめにかかるところかもしれませんが、そんな冗談が通じないくらいサッカーを愛する人々の情熱は凄まじい。難解な用語をしっかりと咀嚼して自身のボキャブラリーに組み込み、さらに広めようと努力した結果、共通の認識をベースにまとまった議論が生まれうる状況にまで漕ぎつけました。</p>
<p>とはいえ、まだまだ言論環境の整備は途上であり、議論ができる人間の母数も少ない。よりライトなファンやメディアをも巻き込んで、この国のサッカーリテラシーをさらに向上させなければならない。それが日本サッカーのレベルアップにも繋がるはずだ。そう考える人たちにとって、前日本代表監督、ヴァイッド・ハリルホジッチの不可解な（場当たり的な、あまりにも情緒的な、そして悪い意味で日本的な）理由による解任は到底納得できるものではありませんでした。やや乱暴な要約ですが、そんな空気の中で上梓されたのが五百蔵容氏の『砕かれたハリルホジッチ・プラン』（星海社新書）だった、と僕は捉えています。</p>
<h2 id="e3838fe383aae383abe3839be382b8e38383e38381e381aee6898be88595e38292e79fa5e3828b-2">ハリルホジッチの手腕を知る</h2>
<p>そもそも『ハリルホジッチ・プラン　サッカー後進国日本　逆転の戦術論』として4月25日に発売する予定が、校了直前に解任のニュースが届き、書名も含めて大幅な改稿を迫られたという本書。結果的にはそんな経緯も含めて大きな話題を集めたわけですが、そういったセンセーショナルな側面に期待して読むと、『砕かれたハリルホジッチ・プラン』の中で展開されている地道な検証にやや面食らうかもしれません。</p>
<p>目を見張るのは、五百蔵氏の緻密で粘り強い考察力です。ハリルホジッチという監督が持つ優れた分析能力と実際的な対応能力を、ブラジルW杯の決勝トーナメント1回戦のドイツ対アルジェリア戦、そしてロシアW杯最終予選の日本対オーストラリア戦という「真剣勝負」の場から抽出し、図を用いながら解説。「エリアの選択と活用」という観点から、彼が「ここぞ」という試合でいかにして戦略的な優位性を担保したのか、非常に明瞭かつ具体的に言語化しています。</p>
<p>世界的な潮流を踏まえたうえでサッカーという競技の特性を検討することで、ハリルホジッチのキーワードである「デュエル」がどれほど普遍的で重要なものなのか、あらためて強調している点も特筆に値します。本書を読めば、ハリルホジッチの手腕はさておき、「日本人が苦手なデュエルを強要していた」「“縦に速く”しか戦術がなかった」という一部のメディアによる印象操作が、いかに一方的で的外れなものだったか理解できることでしょう。</p>
<p>ただ、図解による戦術分析は、普段サッカーを見ない層には少し難しいかもしれません。実は、そんな人にも読みでのある書籍としてオススメできる理由があります。なんと『砕かれたハリルホジッチ・プラン』は、「ハウツー本・ビジネス本」としても読むことができるのです！</p>
<h2 id="e38193e381aee5a4b1e69597e8ab87e38292e5bdb9e7ab8be381a6e3828be3819fe38281e381ab-3">この失敗談を役立てるために</h2>
<p>日本代表のこれまでの歩みをまとめた部分しかり、現在はJ2のレノファ山口を指揮している霜田正浩氏（元日本サッカー協会技術委員長）の証言しかり、『砕かれたハリルホジッチ・プラン』は日本サッカーの未来を思う著者のきわめてシンプルなひとつの意志に貫かれています。それはつまり、</p>
<p><strong>「過去をきちんと検証してほしい」</strong></p>
<p>という本当に悲しくなるくらい当たり前すぎる願いです。わざわざそんなことを願わなければいけないくらいJFAの差配は無軌道だし、マスコミはファナティックだし、なにもかも毎度毎度その場しのぎで、ビジョンもなにもあったものではない。本書はそんなJFAと日本のサッカー界に対して外部の常識人から提出された稟議書である、と言うことができるかもしれません。</p>
<p>しっかりとした計画を練ってなんらかの成果を出し、そこに至るプロセスを検証、蓄積された情報を参照可能なアーカイブとして保存して、検討材料として「次」につなげること。そんなありふれたPDCAサイクルの構築に失敗したレポートとしての『砕かれたハリルホジッチ・プラン』を新社会人に読ませることで、生産性が低いと言われている日本の労働環境になんらかのソリューションがもたらされることを僕は期待します。冗談です。</p>
<p>いずれにしても、『砕かれたハリルホジッチ・プラン』は丹念な論考と健全な意志によって組み立てられた悲しい報告書であり、キャッチーなタイトルとは裏腹に、いい意味で地味な「入門書」でもあります。現代サッカーをめぐる難解な用語もすっきりと定義・説明されており、それこそ『モダンサッカーの教科書』と並んで、向こう何年かの議論のメルクマールになるかもしれません。まあ、ビジネスやナンパに使えるかどうかはわかりませんが……。すべてはあなた次第です。</p></div>]]></content:encoded>
					
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		<title>【ロシアW杯全部見る】試合がないなら『東欧サッカークロニクル』を読めばいいじゃない</title>
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		<dc:creator><![CDATA[チョウ ウヒョン]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 13 Jul 2018 09:49:06 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[2018W杯全部見る]]></category>
		<category><![CDATA[2018サッカーW杯]]></category>
		<category><![CDATA[書評]]></category>
		<category><![CDATA[サッカー]]></category>
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	<a href="https://itwas.media/before-renewal/book-review/eastern-europe-soccer-chronicle"><img title="180713-cho-01" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/07/180713-cho-01-1-300x193.jpg" alt="【ロシアW杯全部見る】試合がないなら『東欧サッカークロニクル』を読めばいいじゃない" width="300" height="193" /></a>
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	「これは奇跡であり、奇跡ではない」――マリオ・マンジュキッチ ついにクロアチアがW杯の決勝にまで駒を進めました。安い称賛の言葉を送るのもためらわれますが、本当にもうね、ただただ素晴らしいチーム、素晴らしい選手たちです。しかしながら、「人口500万にも満たない旧ユーゴの小国が成し遂げた快挙」という通り一遍の見方だけでは、冒頭に掲げたマンジュキッチの言葉はなかなか消化しきれない。その「奇跡（あるいは奇跡ではない）」は、日本代表がアップセットを起こすたびに生まれる「◯◯の奇跡」とはまるで種類の違う、多層的で重たい意味を持った「奇跡」だからです。 クロアチアを含む東欧の歴史にも生活にも文化にも、そしてサッカーにも明るくない僕ですが、彼らと彼&#8230;]]></description>
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	<a href="https://itwas.media/before-renewal/book-review/eastern-europe-soccer-chronicle"><img title="180713-cho-01" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2018/07/180713-cho-01-1-300x193.jpg" alt="【ロシアW杯全部見る】試合がないなら『東欧サッカークロニクル』を読めばいいじゃない" width="300" height="193" /></a>
	</div>
	<div class="theContentWrap-ccc"><strong>「これは奇跡であり、奇跡ではない」――マリオ・マンジュキッチ</strong></p>
<p>ついにクロアチアがW杯の決勝にまで駒を進めました。安い称賛の言葉を送るのもためらわれますが、本当にもうね、ただただ素晴らしいチーム、素晴らしい選手たちです。しかしながら、「人口500万にも満たない旧ユーゴの小国が成し遂げた快挙」という通り一遍の見方だけでは、冒頭に掲げたマンジュキッチの言葉はなかなか消化しきれない。その「奇跡（あるいは奇跡ではない）」は、日本代表がアップセットを起こすたびに生まれる「◯◯の奇跡」とはまるで種類の違う、多層的で重たい意味を持った「奇跡」だからです。</p>
<p>クロアチアを含む東欧の歴史にも生活にも文化にも、そしてサッカーにも明るくない僕ですが、彼らと彼らを取り巻く環境についての理解を助けてくれる良書がありました。今年の5月に上梓された、長束恭行氏の『東欧サッカークロニクル』（カンゼン）。クロアチアの快進撃の影響もあり、比較的ニッチなジャンルであるにも関わらず重版が決まったそうです。めでたい！</p>
<p>『東欧サッカークロニクル』には、実にさまざまな人種と国籍の人間が登場します。英雄もいれば庶民もいるし、長束氏と関わりの深いイビチャ・オシムのような賢人はもちろん、JFAの田嶋会長が善人に思えるほど悪辣な権力者も出てきます。文章の中で、彼らは怒り、蔑み、自惚れ、飛び蹴りを見舞い、石を投げ、愚痴をこぼし、タオルマフラーを掲げ、チャントを歌い、安酒をあおり、友情を育んで、涙を流し、笑いながら生きていました。つまるところ、それは文学です。</p>
<p><span id="more-4629"></span></p>
<div class="dp_toc_container pos-before_first_h allow-toggle" role="navigation" data-margin="30"><p class="toc_title_block"><span class="toc_title icon-list">INDEX</span><span class="toc_toggle icon-up-open" role="button"></span></p><ul class="dp_toc_ul has_title"><li><a href="#e3808ce4b880e7b792e381abe5a4a9e59bbde38081e4b880e7b792e381abe59cb0e78d84e38081bbbe381a8e38387e382a3e3838ae383a2efbc81e3808d-1">「一緒に天国、一緒に地獄、BBBとディナモ！」</a></li><li><a href="#we69dafe381aee382a2e383ace382b3e383ace381abe381a4e38184e381a6e38081e38288e3828ae6b7b1e3818fe79fa5e3828be3819fe38281e381ab-2">W杯のアレコレについて、より深く知るために</a></li></ul></div><h2 id="e3808ce4b880e7b792e381abe5a4a9e59bbde38081e4b880e7b792e381abe59cb0e78d84e38081bbbe381a8e38387e382a3e3838ae383a2efbc81e3808d-1">「一緒に天国、一緒に地獄、BBBとディナモ！」</h2>
<p>ルカ・モドリッチやマンジュキッチはもちろん、三浦知良も在籍したことで知られているクロアチアの名門ディナモ・ザグレブですが、その実際について知悉している日本語の書き手は長束氏くらいでしょう。当時の会長だったズラヴトコ・マミッチはクラブを私物化し、さらにクロアチアサッカー連盟の会長にW杯得点王のダヴォル・シュケルを傀儡として擁立。彼らの胸ひとつで数々の醜悪なできごとがまかり通る腐敗ぶりは、長束氏が書かなければ日本で知られることは決してなかった。それだけでも充分に資料的な価値があると思います。</p>
<p>ユーゴ崩壊前夜、1990年のディナモ・ザグレブ対レッドスター・ベオグラード戦における暴動で、警官に蹴りを入れたことでディナモサポーターの英雄になったズヴォニミール・ボバン。長束氏はボバン本人へのインタビューに加えて、数々の資料をかき集めて当日のできごとを可能な限り客観的に検証しようと試みます。一枚、また一枚と英雄のベールを剥がしていった先に、腰が抜けるような（それでいて、笑いごとではないような）新事実が待っている構成も秀逸。</p>
<p>上記のふたつの文章で「被害者兼加害者」として登場した、ディナモ・ザグレブの超過激なサポーター集団であるBBB（バッド・ブルー・ボーイズ）。そんな彼らと連れ立って、モルドバ国内にある謎の未承認国家・沿ドニエストル共和国へと遠征に向かう珍道中を書いた「謎の地域、沿ドニエストルへ。2010CL予選」は紀行文として、そしてコミカルな青春小説として素晴らしい。なんだか東欧版の『ダーク・スター・サファリ』のようで、間違いなく本書の中でも白眉の出来です。詳細は伏せますが、「ディナモのサポーターはフーリガンだよ。くれぐれも気をつけてね」というセリフには思わず笑ってしまいました。お前が言うのかよ！</p>
<h2 id="we69dafe381aee382a2e383ace382b3e383ace381abe381a4e38184e381a6e38081e38288e3828ae6b7b1e3818fe79fa5e3828be3819fe38281e381ab-2">W杯のアレコレについて、より深く知るために</h2>
<p>準々決勝のロシア戦の直後、DFのドマゴイ・ヴィーダとコーチのオグニェン・ヴコイェヴィッチが「ウクライナに栄光を！」という動画をアップしたことで、FIFAから罰金処分を受けたクロアチア。無関係なはずの彼らがそんな剣呑な発言をするに至った経緯も、ロシアのクリミア侵攻後にウクライナのキエフで行われたシャフタール・ドネツク（クロアチアのシンボルだったダリヨ・スルナが所属）とディナモ・キエフ（ヴコイェヴィッチとヴィーダが所属）のナショナル・ダービーについての記述を読めば、いくらか腑に落ちるところがあると思います。</p>
<p>同様に、コソボのサッカーの現状について記された章を読むことで、スイス対セルビアの試合で問題になったグラニト・ジャカとジェルダン・シャキリのパフォーマンスについても、もう少し理解を深めることができるでしょう。ひとつひとつの文章は決して長くありませんが、なにかを知ろうとする契機として作用するリアルな強度があります。速報性の高いインスタントな情報に物足りなさを感じていた人は、欠けていたピースが埋まるような感覚を味わえるはずです。</p>
<p>僕はW杯の副読本として『東欧サッカークロニクル』を読みながら、ガブリエル・ガルシア＝マルケスの『幸福な無名時代』を思い出していました。もちろん、1950年代後半のベネズエラと、2000年代から2010年代にかけての東欧諸国がまるで別物なのは言うまでもありません。僕が似通っていると感じたのは、どうしようもない複雑さを背負って生きる人々の「人間らしさ」を記録しようとするジャーナリストとしての誠実な姿勢、そして過剰な叙情と思い入れを排した（だからこそすぐれて叙情的な）筆致です。</p>
<p>サッカー好きでなくても楽しめる本ですが、今回のW杯をある程度見ていれば確実に読み応えが増すと思います。逆に、本書を読んでいなくてもW杯の決勝戦はもちろん楽しめますが、読んでいれば2～3倍は楽しめるはず。ただ本書を読了してしまった場合、ほぼ間違いなくクロアチアに肩入れしてしまうという難点はありますが……。ここまできたら僕もクロアチアを応援しますよ、そりゃ。</p>
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<div class="booklink-info">
<div class="booklink-name"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/4862554687/itwas0d-22/" target="_blank" rel="noopener">東欧サッカークロニクル</a></p>
<div class="booklink-powered-date">posted with <a href="https://yomereba.com" rel="nofollow noopener" target="_blank">ヨメレバ</a></div>
</div>
<div class="booklink-detail">長束恭行 カンゼン 2018-05-11</div>
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<div class="shoplinkamazon"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/asin/4862554687/itwas0d-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div>
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		<title>【書籍】いまだにインタビューに関して模索する日々なので『インタビュー術！』を読んだりもする</title>
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		<dc:creator><![CDATA[原田 イチボ]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 03 Oct 2017 11:00:18 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[書評]]></category>
		<category><![CDATA[インタビュー]]></category>
		<category><![CDATA[マスコミ業界]]></category>
		<category><![CDATA[レビュー]]></category>
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					<description><![CDATA[
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	<a href="https://itwas.media/before-renewal/book-review/interview-way"><img title="170929-harada-01" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2017/09/170929-harada-01-300x158.jpg" alt="【書籍】いまだにインタビューに関して模索する日々なので『インタビュー術！』を読んだりもする" width="300" height="158" /></a>
	</div>
	フリーライター・永江朗がインタビュー論をつづった『インタビュー術！』を最近読んだのは、自分がライターになって6年目、いまだにインタビューに関しては模索が続く日々だからです。 月並みな表現ではありますが、ライターが十人いれば十人それぞれ違うインタビューの方法があるもの。個人的には、ライターごとに一番やり方に違いが出るジャンルだと思っています。 とはいってもライター以外の人にとっては、“インタビューのやり方は無数にある”と言っても、いまいちイメージしづらいことかと思われます。だいたいインタビューは、こんな感じで宗派が分かれます。 読者が喜ぶことを聞けばいいのか？問題 インタビュイーに心地よく話をしてもらいたい派 インタビュイーにとって話&#8230;]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
	<div>
	<a href="https://itwas.media/before-renewal/book-review/interview-way"><img title="170929-harada-01" src="https://itwas.media/wp-content/uploads/2017/09/170929-harada-01-300x158.jpg" alt="【書籍】いまだにインタビューに関して模索する日々なので『インタビュー術！』を読んだりもする" width="300" height="158" /></a>
	</div>
	<div class="theContentWrap-ccc">フリーライター・永江朗がインタビュー論をつづった『インタビュー術！』を最近読んだのは、自分がライターになって6年目、いまだにインタビューに関しては模索が続く日々だからです。</p>
<p>月並みな表現ではありますが、ライターが十人いれば十人それぞれ違うインタビューの方法があるもの。個人的には、ライターごとに一番やり方に違いが出るジャンルだと思っています。</p>
<p>とはいってもライター以外の人にとっては、“インタビューのやり方は無数にある”と言っても、いまいちイメージしづらいことかと思われます。だいたいインタビューは、こんな感じで宗派が分かれます。<span id="more-1829"></span></p>
<div class="dp_toc_container pos-before_first_h allow-toggle" role="navigation" data-margin="30"><p class="toc_title_block"><span class="toc_title icon-list">INDEX</span><span class="toc_toggle icon-up-open" role="button"></span></p><ul class="dp_toc_ul has_title"><li><a href="#e8aaade88085e3818ce5969ce381b6e38193e381a8e38292e8819ee38191e381b0e38184e38184e381aee3818befbc9fe5958fe9a18c-1">読者が喜ぶことを聞けばいいのか？問題</a><ul><li><a href="#abe99693e381aee381a9e38193e381abe7ab8be381a4e3818befbc9f-2">AB間のどこに立つか？</a></li><li><a href="#e3808ce58588e585a5e8a6b3e38292e68c81e3819fe381aae38184e3819fe38281e381abe383aae382b5e383bce38381e38292e38197e381aae38184e3808de381a8-3">「先入観を持たないためにリサーチをしない」という選択</a></li></ul></li><li><a href="#e4bb96e4babae381aee382a4e383b3e382bfe38393e383a5e383bce381aee8a9b1e3818ce8819ee3818de3819fe38184-4">他人のインタビューの話が聞きたい</a></li><li><a href="#e382a4e383b3e382bfe38393e383a5e383bce381afe4bc9ae8a9b1e381aee5bda2e5bc8fe381a8e38197e381a6e6adaa-5">インタビューは会話の形式として歪</a></li></ul></div><h2 id="e8aaade88085e3818ce5969ce381b6e38193e381a8e38292e8819ee38191e381b0e38184e38184e381aee3818befbc9fe5958fe9a18c-1">読者が喜ぶことを聞けばいいのか？問題</h2>
<p>[box class=&#8221;box29&#8243; title=&#8221;A&#8221;]<br />
インタビュイーに心地よく話をしてもらいたい派<br />
[/box]</p>
<p>[box class=&#8221;box29&#8243; title=&#8221;B&#8221;]<br />
インタビュイーにとって話しづらいことだろうと読者が興味を持ちそうな部分は聞きたい派<br />
[/box]</p>
<p>読者目線だと、どうしても後者の方がインタビュアーとして意識が高いように見えますが、媒体目線だと、インタビュイーに「楽しかった」と言わせることを何より重視するケースも少なくありません。</p>
<p>たとえば、最近スキャンダルの出た人気ミュージシャンをインタビューするとします。「より多くの人の間で記事が話題になってほしい」という考えの媒体でのインタビューの場合は、当然スキャンダルに関する質問は外せないわけです。</p>
<p>しかし、これが通向けの音楽雑誌でのインタビューだったとすればどうでしょうか。インタビュアーが下手なことを聞いて、ミュージシャンに「もう今後何をリリースしようと、おたくの雑誌と仕事をすることはありません」と言わせてしまったら大変なことになります。</p>
<p>逆にインタビュイーが喜ぶインタビューができたなら、「次の曲をリリースしたときもぜひ」という話になるかもしれないし、なんなら「同じレーベルのこっちの人気アーティストのインタビューもお願いします」という話にもなるかもしれません。</p>
<h3 id="abe99693e381aee381a9e38193e381abe7ab8be381a4e3818befbc9f-2">AB間のどこに立つか？</h3>
<p>要するにこれは、ライターという仕事のお客さんには、読者と媒体の2種類がいて、そのどちらを重視するかという話です。私はライターになったばかりの頃、読者の興味関心だけを考えた結果、アクセスは稼げてもインタビュイーからの評判はよくない感じになり、それによって外された案件もあり……大変反省……。</p>
<p>とはいえ、Aタイプ、Bタイプのどちらかにライターをはっきり分類できるわけではありません。A／B片方のスタンスに100％寄ってOKな媒体というのは少数だと思いますし。ふたつは同一線上の両極にあり、そのベクトル上のどこに立つことを選ぶかがライターの個性や力の見せどころです。</p>
<p>媒体や案件ごとにAB間のどこに立つかを調整し、「ネガティブな話題に周縁からじりじり迫り、相手が少しでも答えにくそうにした時点で、楽しい話題に切り替える」や「とにかく相手の気分を持ち上げて、言いにくいことも進んで話してもらえるように仕向ける」などの小技を使って、なんとか“多くの人が聞きたがっていることを聞く”と“インタビュイーに楽しんでもらう”の両立を図ります。</p>
<h3 id="e3808ce58588e585a5e8a6b3e38292e68c81e3819fe381aae38184e3819fe38281e381abe383aae382b5e383bce38381e38292e38197e381aae38184e3808de381a8-3">「先入観を持たないためにリサーチをしない」という選択</h3>
<p>読者とインタビュイー、どちらをどの程度優先させるかというバランス以外にも、ライターによってスタンスが大きく異なるのが、“どの程度リサーチをするか”というところです。</p>
<p>「大多数の読者と同じ目線でいるために、変に詳しくなりたくない」という考えも根強いですが、とはいっても、その宗派の中でも一切リサーチをしない人というのは少数派でしょう。マニアにならない程度の“最低限”の知識という定義は人によって異なるため、もしかすると最低限と言う人々の中には、「自分は事前準備を大事にしたいタイプだ」と自負しているライターと、同じくらいリサーチをしている人もいるかもしれません。</p>
<p>自分の場合は、「面白い質問をするには、そのぶん知識が必要」という考えのため、リサーチは大切にしたい派。……なのですが、やはり現実には時間という制約があります。ブログの過去記事を全部チェックできたら理想ですが、実際は数カ月ぶんをさかのぼって読み、あとは節目っぽいタイミングでの記事をちょこちょこ確認すれば御の字という感じ。</p>
<p>とりあえず自分は、インタビュアーとインタビュイーという関係抜きにして、一個人として相手への興味が沸いたらひとまずOKというルールを取っています。</p>
<h2 id="e4bb96e4babae381aee382a4e383b3e382bfe38393e383a5e383bce381aee8a9b1e3818ce8819ee3818de3819fe38184-4">他人のインタビューの話が聞きたい</h2>
<p>また、インタビュイーのもともとのファンと、インタビュイーについて何も知らない人と、想定する読者として、どちらをどの程度優先させるかという話もあります。あとは、事前に用意した質問にどこまでこだわるかというのも悩ましい部分。他にも細かい選択がいろいろあって、とにかくインタビューは頭を使う！</p>
<p>インタビューのやり方は、“二極間のどこを自分のスタンスとするか”という要素が多いので、自分以外のライターのインタビュー論が気になる今日この頃です。皆さんどのへんに立っているのだろう。</p>
<p>とくに自分が最近考えているのは、抽象度の高い質問をどこまでぶつけるか？ ということ。回答が難しい質問は多少なりともインタビュイーにとってストレスだろうと、なるべく具体的な質問を心がけているようにしているのですが、「あなたにとって音楽とはなんですか？」のようなふんわりした質問だからこそ（このタイプの質問ダサいなとは思っているんですけど）、回答の自由度が高く、内面に近い言葉を引き出せる場合もあるんじゃないかという気もする。まぁ相手によるから一概にどうとは言えないアレですけど。</p>
<p>そういうわけで、知り合いのライターの方々とは積極的に仕事の話をしようと思っている次第です。ここで予告しておきます。</p>
<h2 id="e382a4e383b3e382bfe38393e383a5e383bce381afe4bc9ae8a9b1e381aee5bda2e5bc8fe381a8e38197e381a6e6adaa-5">インタビューは会話の形式として歪</h2>
<p>そういえばレビューなのに『インタビュー術！』の話をまったくしていなかった。文中で確かに～となったのは、</p>
<blockquote><p>
常に何ものかについて語ることを求められるインタビューというのは、会話の形式としてかなり歪なものである（大意）</p></blockquote>
<p>という話でした。</p>
<p>インタビュイーの「何ものかについて語らねば」という緊張を解せなかったために、いまいち盛り上がりきらず終わった過去のインタビューのことを思い出すと苦い気持ちになります。雑談ではないものを雑談のように錯覚させるために、私はもっと会話のライド感とかを上手く演出できるようにならなければ、と感じた次第です……。</p>
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<div class="booklink-detail">永江朗 講談社 2002年10月</div>
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