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【食戟のソーマ最新話レビュー】続・ぶっとび料理ショーに見た覚悟 291話「異能の料理人」

作話、裏の料理人(ノワール)で「兵装料理」の使い手・サージェは、チェーンソー風カーヴィングナイフを使って牛肉を調理するというとんでもない荒技を披露していた。「美味しそうに見える」「味がある程度想像できる」というのが醍醐味のグルメ漫画において、このぶっとびファンタジー調理は、ある種の賭けだ。ちなみにサージェの名前の由来は軍曹(サージェント)から来ているらしい。あの伝説のスーパー寿司漫画「将太の寿司」の佐治安人(さじあんと)と同じだ!

今話はそんなサージェに続いて、様々なノワールたちが、闇の調理を見せた。どんどん浮き世離れしていく「食戟のソーマ」。もともと賛否両論別れるグルメ漫画だったが、これからはさらに賛と否の幅が拡がりそう。筆者はこのとんでもファンタジー展開は大歓迎だが、面白くないって言われたらいよいよマジで言い返せなくなる。

ぶっとび料理ショー

「見世物料理」が得意な調理場ピエロことアルカンタは、謎の球型の鍋をジャグリングのように回して中に入れた牛肉に火を通していく。「鍋の内部に仕込まれた“輻射加熱グリル”」で、「圧力鍋よりも遙かに上回る柔らかさに肉を仕上げる」らしい。すごいね、こんなにも雰囲気だけで解説するグルメ漫画なかなかない。

「血液料理」の赤黒の処刑人クロード・ビルは、肉から注射器で血を抜く。血をソースにするというのは現実世界でもあることなのだが、こいつのすごいところは、血を抜くシーンはおぞましく描写されているのに、作られた皿はほぼ描かれなかったこと。すごさすら説明しないとは、なかなかのぶっ飛び方だ。

ギロチンを使って肉を薄くスライスしたのは、「加虐残虐料理」の跳ね回る狂気、バニーヘア。モブ料理人たちが、「なぜギロチンであんなに薄くスライスできるンだ!?」と驚くと、バニーヘアは女性の細腕を戸愚呂弟ばりに肥大化させ、「あたしが虐待してあげればあげるほど美味しくなるんだよ?」とファンタスティック説明。しかし、モブもバニーヘアも質疑応答の全てがズレている。「なぜ薄いほうが美味いのか?」「なぜギロチンを使うと薄くなるのか?」を完全に無視ししてドSキャラだけ見せつける、もはや料理に関係すらしない紹介シーンだ。

森崎友紀抜けたんじゃないの?

「食戟のソーマ」は今まで表現こそぶっ飛んでいたが、その調理法はリアルだった。この世にないもの、実現不可能なものは登場していない。さすがは料理研究家・森崎友紀が監修しているだけのことはある。しかし、ノワールに関しては間違いなく適当。「食戟のソーマ」はリアルを捨てたのだ。

これは「HUNTER×HUNTER」でいう念登場と同じくくらい作品の世界観を刷新するのものであり、30巻を過ぎた人気マンガの「食戟のソーマ」としてはかなり大きな賭けだ。これが功を奏すのか、それともあえなく討ち死にしてしまうのか。それはわからないが、とにかく僕はこれが面白い。

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